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2019.1.27

昭和にタイムスリップ。レトロな空気感が残る、東京を代表する純喫茶

バロックギャラントリコロール 本店蔦珈琲店ゆりあぺむぺる

昭和30年~50年頃に掛けてブームとなっていた喫茶店。しかしコーヒーチェーンの台頭と共に数が減り、今では貴重な存在となった。それでも東京には、今でも昭和の香りを感じられる純喫茶が残っているのだ。

バロック(吉祥寺)

吉祥寺駅から徒歩約2分。ヨドバシ近くの古びたビルの2階で営業する「バロック」は、1974年に開店した老舗のクラシック名曲喫茶だ。店内では会話もスマホも禁止。と言うのも、ただひたすら流れる音楽とコーヒーを楽しむための場所にしたいからだという。音響へのこだわりが強く、スピーカーはイギリス製の2組を曲によって使い分けているとのこと。クラシック好きにはたまらない空間なのだ。またブレンドコーヒーは800円だが、以後おかわりは200円で好きなだけ音楽鑑賞することができる。クラシックの教養はなくてもいい。ただそこで静かに、音楽に耳を傾ける。コーヒーの香りと音楽に深く入り込むことによって、自然と心が癒されていくだろう。

ギャラン(上野)

上野動物園やアメ横帰りには、駅前の純喫茶に立ち寄ってみるのはいかがだろう。「ギャラン」は、老若男女問わずエネルギッシュに各々の時間を楽しんでいる風景が印象的な“マンモス喫茶”(昔は大箱のことをこう呼んでいた)。時代を感じさせるテーブルや椅子、そしてギラギラとしたライトが1970-80年代の活気ある東京の雰囲気を醸し出している。昭和テイストを残すというよりは、今もそのまま“昭和”。店内には昭和歌謡が流れる、活気溢れる空間なのだ。メニューにはコーヒーはもちろん、軽食やスイーツなどのお店おすすめメニューがずらり。チョコレートパフェやクリームあんみつといった懐かしいスイーツは、惹かれるように注文してしまうことだろう。誰にとっても敷居の低い“現役喫茶店”はありがたい。

トリコロール 本店(銀座)

最新のブランドショップが増える一方で、レトロな街並みも残る銀座。そんな銀座の純喫茶と言えば、銀座駅から徒歩3分の場所にある「トリコロール 本店」だ。昭和11年創業、かつては文化人が集った名店。煉瓦の重厚感のある外観、そして赤いビロード張りのソファやふかふかの絨毯などが配置された店内は、上品でクラシックな質感が漂っている。そんなヨーロピアンな空間で味わえるのは、丁寧にハンドドリップで淹れられるコーヒーや手作りのアップルパイ、そして注文が入ってからクリームを詰めるエクレアなど。歴史ある喫茶店で味わう格別のコーヒーとスイーツは、背筋をピンとさせてくれる。「トリコロール 本店」で過ごす時間こそが、贅沢で優雅なものなのだ。

蔦珈琲店(表参道)

多くのカフェが立ち並ぶ表参道。そこで変わらず営業し続けている喫茶店がある。青山学院大学のすぐ近くにある「蔦珈琲店」だ。昭和63年にオープンした同店は、その名の通り全面的に蔦に覆われた外観が特徴。かつて個人の邸宅であった建物を使用しており、店内からは緑いっぱいの庭園を眺めることができる。まるで老舗ホテルのカフェラウンジのような落ち着きの同店は、数多くの青山界隈のハイセンスな人生の先輩方が常連。ユーモアたっぷりのマスターとの会話はこっそり聞いているだけでも勉強になる。肝心のコーヒーは、常に同じ味で飲んでもらえるようにと、たとえ一人分の注文でも二人分からネルドリップするというこだわりよう。毎日直火で焙煎しており、オリジナルの苦みと豊かな香りが鼻腔をくすぐる。表参道ショッピング後の一杯は、背伸びして、青山の隠れ家に入り込んでみよう。

ゆりあぺむぺる(吉祥寺)

吉祥寺駅南口から歩いて3分ほどの場所にある、昭和51年創業の老舗喫茶「ゆりあぺむぺる」。気になる店名は、宮沢賢治の詩集『春と修羅』の中の一編がその由来だという。店内は洋館をイメージしており、アール・ヌーボー調の格式高い内装は、昼でもどこかほの暗さを感じる非日常的な空間。その中に、ダイヤル式公衆電話やアメリカのレジなど、レトロ要素が各所に散りばめられているのが粋だ。メニューはブレンドコーヒーをはじめ、ランチやデザートも提供されているので、ここでランチから午後の時間までを長く過ごす人も多いという。確かに、お店を出るのが惜しくなってしまうほどに、この雰囲気に酔わされてしまう。読書をしたり一服したり。どんな過ごし方をしても、特別な時間へと変わるのが不思議だ。