今回の歴史散策は明治神宮前駅のある神宮交差点にフォーカス。表参道・原宿エリアの地域情報サイト「おもてサンド」のディレクター・まあやさん、歴史ページ担当の重久直子さんと歴史を巡ってみた。
「ラフォーレ原宿」と「東急プラザ表参道原宿」が向かい合う「神宮前交差点」。原宿と言えば、若者でごった返すこの交差点の風景を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。
「昔この周辺は、アメリカの軍人向けのショッピングストリートだったらしいですよ」
そう教えてくれたのは、表参道周辺の地域情報サイト「おもてサンド」(※現在、ウェブ版は更新終了。SNSへ移行)のディレクター・まあやさんと、歴史ページの担当をしていたライターの重久直子さん。軍人とはものものしい響きですが、当時の神宮前交差点付近はどんな街だったのだろうか。ふたりと一緒に周辺を歩き歴史について探ってみた。
「1945~1952年の間、日本は米軍を主とした連合国軍総司令部(GHQ)の占領下にあり、米軍の戦闘部隊は1958年まで駐留していました。神宮前交差点に近い代々木公園の敷地には、米軍向けの集合住宅『ワシントンハイツ』があり、軍人やその家族たちが住んでいたそうです」と重久さん。
今はのどかな景色が広がる代々木公園に、そんな歴史があったとは…!
「そのため、神宮前周辺にはアメリカ人客を相手にするお店が並んでいたといいます。たとえば、キャラクターグッズでおなじみの『キデイランド』は、ワシントンハイツに住む外国人に向けて、本や雑貨を販売するお店だったようですね」
とまあやさんが続ける。今は高級スーパーとして有名な青山通りの『紀ノ国屋』も、ワシントンハイツに住む軍人の奥様御用達の食料品店だったそう。
おしゃれなブランド店が立ち並ぶ銀杏並木を進んでいるとエキゾチックな門構えの特徴的なお店が現れた。