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東京・夜こそ行きたいカフェ事情

飲みに行った帰りや時間つぶしでなく、敢えて、夜こそ、「カフェに行く」予定を入れたい。そんな魅力的なお店が東京に増殖中。さぁ、夜カフェしに、わざわざ、出かけましょう。

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今夜、いい夢が見られるカフェ。 道玄坂「beL」のパフェで終える一日

夜パフェ専門店 Parfaiteria beL(パフェテリア ベル)

今夜は“夜のためのパフェ”を食べに、渋谷の飲み屋街のレトロな雑居ビルへ。デザートの宝石箱のようなパフェ専門店「beL」は夜だけ現れる、特別なカフェ。

 

渋谷・道玄坂、ネオン光る飲み屋街の雑居ビルの3階。一般的なパティスリーやカフェが閉まる17:00から動き始めるParfaiteria beL(パフェテリア ベル)は、北海道からやってきた“夜パフェ”の専門カフェ。なんとなく気分が晴れない夜はひとり、パフェに身を委ねてみるのもいい。

「一日の締めに美味しいパフェで〆て、よい夢が見られますように」

beLはそんな合言葉で、一日の荒波にさらされるように働いた客たちを待っている。しっかり落とされた暗めのライトが灯す店内には、ゆったりと座れるソファ。壁際のカウンター席もありがたい。ここなら誰にも邪魔されず、夜時間に没頭できそうだ。

外の喧騒を感じさせないこの空間で提供される「夜パフェ」は、数種類のラインナップが季節・旬によって定期的に変わっていく。特筆すべきはその繊細な美しさだろう。

大きなグラスにはソルベやジュレ、瑞々しい旬のフルーツをふんだんにあしらい、芸術品のような細工が施されたパフェ。まさに「デザートの宝石箱」だ。

クリームやシリアルがグラスのほとんどを占めてしまう、巷のパフェとは明らかに一線を画している。

甘さと酸味の強弱、食感のアクセント、そして見た目の美しさを考え、ジェラートやクリームはもちろんデコレーション用の小さなクッキー、飴細工ひとつに至るまでパーツはすべて手作り。

「お客様がパフェを目にした瞬間にパッと明るくなる表情や、『おいしい』と喜んでくれる顔を思い浮かべながら心を込めて組み立てています」(店長の河口さん)。

例えば金曜日の夜には、カクテルを思わせる「泡、時々いちご。」(1,900円 税込)を。

シャンパンやカシスの妖艶な香りに、キュッと酸っぱいフレッシュベリーとクリーミーなレアチーズが交わる。時おり顔を出すカカオニブクロッカンの食感と苦味がニクい。

スプーンを刺した瞬間、beLの宝石箱の扉が開く。すくい上げるたびに現れるのは、ここでしか出会えないお手製のあまい宝石。一口ごとに変わる食感と味わいに、何度もオドロキとトキメキが湧き上がる。食べ進めるほど、晴れていく気持ち。消えていく疲労感。長いスプーンが何もすくえなくなるまでの間、パフェはひとときの夢を見させてくれる。

ほんのり含まれるアルコール分が、少し飲もうかなという気持ちにさせてくれる。スタッフさんが「お好みやパフェに合わせてお選びしますよ」と言うのでペアリングはお任せで。オリジナルのハウスウイスキーやリキュールから、いい一本を選んでくれるだろう。てっぺんのシャンパンエスプーマの泡が消えないうちに、ただひたすらにパフェに酔いしれたい。

ちょっとむしゃくしゃしている夜なら「Princess belle」(1,800円 税込)もおすすめ。ディズニー映画のあのお姫様を思わせるベールの下にはオレンジのコンポートにソルベ、ジャスミンティーのジュレ、アールグレイのジェラート。爽快感がたまらない。

花を守っているホワイトチョコレートの壁を思い切って突き破る瞬間も、ちょっとした快感だ。くれぐれもあまりひどい顔にならないようにだけ、ご注意を。

旬の食材を使うため次々と変わっていくbeLの夜パフェ。季節が変わるたびに、新たな宝石箱を開けに来たい。本当にここ?と怪しんでしまうくらい、渋谷の飲み屋街の真ん中。思い切って足を踏み入れば、しあわせな気持ちで夜を締められる。お酒を飲みにいくのもいいが、カクテルの代わりにパフェという日があってもいい。

穴場時間は20:00まで。早めに仕事を切り上げて、夜のカフェに出かけよう。今夜いい夢が見られますように。

 

 

取材・文:RIN
撮影:きくちよしみ