logo

東京・夜こそ行きたいカフェ事情

飲みに行った帰りや時間つぶしでなく、敢えて、夜こそ、「カフェに行く」予定を入れたい。そんな魅力的なお店が東京に増殖中。さぁ、夜カフェしに、わざわざ、出かけましょう。

2

2軒目はバーとカフェの中間で。 日本茶カフェ「INARI TEA」のすすめ

INARI TEA(イナリティー)

もう一杯呑んで帰りたい、気の合うふたりでじっくり話がしたい。盛り上がった1次会の後の2軒目は、日本茶カフェがちょうどいい。本格派の日本茶と日本茶カクテルをカウンターで嗜める、バーのような夜カフェに行こう。

 

みんなでワイワイ呑んだあと、全員で連れ立って2次会なんて少なくなったが、なんとなく呑み足りない日やもう少しじっくり話をしたい相手がいることもある。近くに定番のバーでも知っていればと思いつつ、いわゆるバーは気軽に入りづらいし、飲めない相手は誘いづらい。駅前のコーヒーショップは騒がしくて落ち着かないし。そんなときこそは夜カフェの出番だ。

ここは恵比寿。おしゃれでハイセンスというイメージとは裏腹に、大通りを外れると昔ながらの住宅や雑居ビルが多く立ち並ぶ。夜になるとさらに雑多に思えてくるこの街の一角に、キツネのマークがあしらわれた暖簾が見えてくる。福岡県・山科茶舗の日本茶鑑定士と日本茶に魅せられた元映画バイヤーが手がける日本茶カフェINARI TEAの目印だ。

駅からわずか2分。明治通りの裏手のビル。駅近の穴場というのは、帰りが遅くなりがちな二軒目には大事なポイントだ。カフェと言いつつ、ガラスの奥に見えるのはカウンター数席のみ。ティースタンド風ではあるものの、流行りのタピオカカフェとはやや異なる趣き。飲めるのは抹茶、ほうじ茶、煎茶に玉露など製法や産地が異なる「厳選された九州の日本茶」。そして、17時をすぎると、日本茶カクテルも呑ませてくれる大人のためのカフェなのだ。

席に腰掛けると、まるでバーカウンターの装い。でもあくまでここは日本茶カフェだ。メニューにズラリと並ぶのは産地が書かれた十数種類のお茶の名前。そして日本茶をベースにしたカクテル。呑みたい気分なら、呑めばいい。[1] ただここではそれもリキュールの種類では選ばない。「玉露(八女)のカクテル」「ほうじ茶(知覧)のカクテル」——。お茶と同じように茶葉で選ぶスタイルだ。身構える要素は何もない。好きな“お茶”をオーダーする。気軽にバー気分を感じられると同時に、やや格式高い印象の日本茶までもカジュアルでおしゃれな飲み物として楽しませてくれる。

ほうじ茶(知覧)インフュージョンピーチ 1,100円(税込)

 

カクテルをオーダーすると、赤ワイン用の大きなブルゴーニュグラスでサーブされる。「ほうじ茶(知覧)インフュージョンピーチ」は鹿児島県・知覧産のほうじ茶の茶葉をホワイトラムに24時間漬け込んで香り、味わい、色みを写し、ピーチリキュールと合わせたINARI TEAオリジナルカクテル。大きなカップの中で広がるほうじ茶の香り。レモンとピーチのフルーティーな口当たりのあとにも、ほのかにお茶を感じる。

斬新な日本茶の飲み方をしているにも関わらず、不思議なもので、その香りはどこか穏やかな気分にさせてくれる。1次会の興奮もいい具合に落ち着いて、「軽く呑みたい = 少し酔いたい」気分を、夜の日本茶カフェの爽やかなカクテルがちょうどよく叶えてくれる。

INARIほうじ茶パフェと日本茶のセット 1,500円(税込)

 

日本茶の斬新なデザートを楽しめるのもこのカフェの特権だ。こういうものがあると、呑めない相手でも誘いやすい。「本物の日本茶のおいしさを最大限引き出したものを提供したい」と、カクテルやスイーツ、そして料理(イタリアン)も、その道の一流と呼ばれる人たちにより開発されたINARI TEAのメニュー。スイーツには日本茶がセットになっているので、締めの一杯は最後にゆっくりといただこう。

「日本茶って美味しい」。一日の締めくくりにふさわしい一杯が味わえる上、「ちょっとだけ呑みたい」という気分の時も、緊張することも背伸びすることもなく、いい具合に酔わせてくれる。お酒にするかしないかは、座って、そのときの気分で決めればいい。「呑む?呑まない?」「どっちでも」。そんな気分の夜は、美味しい上質な日本茶が“呑める”INARI TEAを、 ご贔屓に。

 

取材・文:RIN
撮影:きくちよしみ