世間の荒波にもまれてすり減って、やさぐれちゃった気がする。そんなときは、胸がキュンキュンするような純愛で、あの頃のピュアな気持ちを取り戻そう。「韓国ドラマはちょっと…」とイヤな顔しないで、まずは観てみて。
「どこのVODサービスでもそうなんですが、韓流ドラマだけは常に最新のものがラインナップされています。流行りをとらえた最新作はやっぱり面白くて、いま動画配信サービスのおかげで韓流ブームが再来しています」(ぴんこ)
「その中で私のオススメが『トッケビ』。もともと韓流はぜんぜん興味なかったけど、人にすすめられて観てみたら…。ピュアな恋愛に泣けるしキュンキュンするしで、もうたまらん!」
韓国では放送当時の歴代視聴率を更新。アジア中を巻き込んで社会現象になった「トッケビ」は、韓流ドラマ史上屈指の傑作だ。
「ウブな女子高生とイケメンの恋愛ドラマかと思いきや、いきなりタイムスリップとかSF要素が出てきて、不思議すぎるストーリー展開がまずおもしろい! ファンタジーな設定もすさんだお疲れ心をくすぐるのです!」
高麗時代の武臣キム・シンは若き王の嫉妬を買い、無実の罪で処刑されてしまう。そこになぜか神様が出てきて、彼は不滅の命を与えられ“トッケビ”となる。そして現代まで900年も生き続けている、というトンデモ設定が物語のベースである。
「キム・シンが持つのは永遠の命。大切な人の死に直面し続けながらも生き続けないといけない呪い。永遠の命を手放したいと願っているんです。それを解放してあげることができる“トッケビの花嫁”が、ヒロインのウンタク」
「で、2人は恋に落ちるんですが、こんなにもどかしいことある?ってくらい進展しない(笑)。今時珍しい、奥手同士! でも気付いたら、ハニかみながら2人の恋に引き込まれてる自分がいました」
特にぴんこ氏が、少なくともここまでは観て!というシーンがあるという。若干ネタバレ気味なので、これから観る人はご用心を。
「ウンタクはキム・シン(トッケビ)と離れたくないけど、結局、彼は“花嫁”の力で死を迎え、消えてしまいます。すると、神がトッケビに関する記憶を人々から消去してしまう…」
「それに気付いたウンタクは、なんとかもう一度キム・シンに会いたくて、泣いて街を走り回ります。ウンタクを演じるキム・ゴウンの演技が上手すぎて、ともに号泣。切なくて、辛くやるせない胸の痛さがひしひしと伝わってくるんです」
ちなみに「トッケビ」は、ただ泣けるだけの恋愛ドラマじゃない。お楽しみ要素も盛りだくさんだ。
「観てほしいのが、いろいろなパターンで登場する2人のキスシーン。トッケビを演じるコン・ユは“キスの魔術師”と呼ばれていて、彼のキスシーンは最高! 女の子がキュンとくるのを知り尽くした彼専用の“キスカメラワーク”は、ぜひ日本のドラマ制作者も勉強してほしい(笑)」
「もうひとつの注目は、男性陣の衣装がとにかくオシャレってこと。最新のメンズファッションが盛り込まれていて見ごたえたっぷり! ほかにも、主役の2人の前に、なぜか死神が現れてドタバタなコメディを繰り広げたり。泣いて、笑って、キュンとできる作品なんです!」
世代を問わずに観ることができる安定感もポイント高め。
「もどかしいながらも様々な人を巻き込みながら2人の恋は少しずつ進展していき、最後はすべての伏線が回収されます。最後の怒涛の巻き取りは迫力あり!感動のラストスパートにまた涙!!!」
冬ソナにハマったお母さんも、EXOにハマっている若者もウェルカム。再びやってきた韓流ブームに、何を観たらいいの? というときは「トッケビ」。親子そろって、ピュアな気持ちになれるはずだ。
取材・文:中山秀明
コンテンツセレクト:岡野ぴんこ
【トッケビ ~君がくれた愛しい日々~】
高麗の英雄キム・シンは不滅の命を持つ“トッケビ”となり、900年以上の時を生きてきた。この呪縛を解き放つことができるのは“トッケビの花嫁”であるウンタクだけ。2人の数奇な運命を描いたファンタジー・ラブロマンス。