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東京・夜こそ行きたいカフェ事情

飲みに行った帰りや時間つぶしでなく、敢えて、夜こそ、「カフェに行く」予定を入れたい。そんな魅力的なお店が東京に増殖中。さぁ、夜カフェしに、わざわざ、出かけましょう。

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まるでおもちゃ箱。静かな住宅街の隠れ家「CAFE SOUL TREE」で大人の時間を

SOULTREE(ソウルツリー)

自分たちの好きなものを揃えたおもちゃ箱。いつだってワクワクする、友達の家。それらを思い出させる場所が二子玉川にある。そのカフェは、日が暮れると一気に大人の雰囲気が流れ出す隠れ家空間だった。

自分たちが欲しい場所。それは間接照明と、心地よいフロア

二子玉川駅から徒歩15分。人通りが多い商店街ではなく、落ち着いた雰囲気の脇道に、カフェバー&レストラン「SOULTREE(ソウルツリー)」はある。正直、知らないと辿り着けない立地だというのに、訪れる人は絶えない。

かつて鉄工所だった建物をリノベーションした店内は、とても天井が高く開放感たっぷり。明るさが過剰じゃない照明バランスも寛げる要素のひとつだ。アンティーク調のアジがある内装、インテリアの数々は、オーナー含めスタッフや仲間たちで手作りしたとか。

「自分たちが欲しい場所とモノを作りたいと、2012年5月にオープン。ロフト状の2Fでは工房を運営し、5年ほど前からオリジナルブランドも本格的に始動させました」と、店長の原口さん。

カウンター奥には様々なジャンルのアルコールが並ぶ。ドラフトビールは5種類。季節によってはスペシャルなゲストビールも楽しめる。各種スタンダードカクテルはもちろん、オリジナルカクテルも常時8種類以上もスタンバイ。やさしくムーディーな間接照明のもと、ハイチェアに座ってしっぽり飲む。そんな雰囲気に、思わずお酒も進んでしまう。

週末の0時以降には照明を落とし、スクリーンで映画を流すこともあるそう。1軒目でお腹を満たし、2軒目は「ソウルツリー」で静かに映画を観ながらカクテルを味わうなんて、そんな使い方もたのしい。

西海岸ワインも原口さんのオススメだ。

「味と香りだけでなく、パッケージやバックボーンのおもしろさも重視しています。たとえばキャノンボール。膝を抱え丸くなって川や湖にジャンプし、水しぶきの大きさを競う遊びが由来で、ラベルにその姿が。ワインだからってかしこまらず、気楽に楽しんで欲しいという、生産者のメッセージが刺さります」。

キャノンボールは開封後の風味変化が少ないため、グラス864円(税込)でも販売。注文しやすくなっている。ワイン好きの原口さんをはじめ、好みに応じた提案を丁寧にしてくれるスタッフも多数在籍しているので、気軽に相談できるのもうれしいポイントだ。

そして、お気に入りワインにぴったりなメニューをいただく。季節の魚介をふんだんに使ったガーリック&ハーブ・シーフード(1350円税込)は、いわば巨大なアヒージョ。4種類のハーブとガーリック、たっぷりのオリーブオイルに浸った新鮮食材は、ほどよい塩気とコクでグラスが進む。

オイルを少しつけたバケットにのせれば、食感が変化して気分一新。あっという間にボトル1本開けてしまいそう。ちなみに、盛り付けられているスキレットのレザーグリップカバーもオリジナル。さり気なく注入されたこだわりが、自宅では味わえない非日常感を演出してくれる。

しっかり飲みたい気分ならワインのボトルオーダーを。カリフォルニア産のOPPLOT(4860円税込)は4コマ漫画モチーフのラベルが個性的。「フルボディですが甘みもあり、いい感じに酔えますよ」。

ワイン慣れしてない人でもイケるのが、青リンゴっぽい風味のhive HONEY(4320円税込)。「名前こそハニーですがハチミツは入っていません(笑)。飲みやすく、女性にも人気です」。

本棚に並ぶ、さまざまなジャンルの本や雑誌は自由に閲覧OK。読書から縁遠い人だって、落ち着いた空間にワインやビールまでセットなら、新しい発見にワクワクできるだろう。ほかではなかなか出会えない珍しい一冊もあるので、物色してみればおもしろいネタが手に入るかもしれない。

エントランス近くの壁には、2Fのファクトリーで作られたアイテムをディスプレイ。バッグやレザー小物など、いずれもヴィンテージ感満点にも関わらず、比較的リーズナブルに購入可能だ。

近所の人たちが息抜きや食事に利用し、深夜には遠方から車に乗ってコーヒーを飲むためだけに訪れるゲストもいるという「ソウルツリー」。ウッド基調のインテリアが気負いなく利用できるラフさと温かみを演出し、コーヒーからステーキまで充実のメニューは、求めているものが必ず見つかる安心感を与えてくれる。

各テーブル間が広めの、丁寧に作られたナチュラルな空間で過ごすひと時。まるで誰かの家に遊びに来たかのようだ。コーヒー1杯だけでも十分にリラックスでき、そこらのカフェでは味わえない満足感が得られるはずだ。

取材・文:金井幸男
撮影:きくちよしみ