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日々是エンタメ

Netflix、Hulu、Amazon Prime Videoなど、意外と使いこなせない動画配信サービス。放送作家・岡野ぴんこがその作品の数々を独自の視点でご紹介。たった5分の隙間時間から、あなたの毎日はもっとエンタメ色に染まる。

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“最近の若い子って何考えてるの病”にかかったら、「セックス・エデュケーション」でミレニアル世代の頭の中を覗き見!

Netflixオリジナルシリーズ「セックス・エデュケーション」

組織に若手が入ってきたときや、ふとした会話を耳にしたときにあるあるの「最近の若い子って」というあのギャップ。ナゾでありナゼ?とも感じる、そんなモヤモヤにオススメなのが、Netflixオリジナルシリーズの「セックス・エデュケーション」だ。

性に詳しい童貞男子が解決するイギリスの学園コメディ

「名前はインパクト大ですよね。でも、実はスゴく真面目で考えさせられる内容なんです。今の若い子たちが抱える性の問題や悩みが、いろいろな人の目線でしっかりと描かれていて、本当に勉強になります」(ぴんこ)

舞台はイギリスの、とあるハイスクール。性の悩みに対するカウンセラーである、セックスセラピストの母親をもつ男子高校生が主人公だ。彼が、ひょんなことから学校一のワルと思われている女子高校生とタッグを組むことに。そして校内のさまざまな性の問題や、男女間のトラブルを解決していくコメディドラマである。

「主人公はお母さんの影響もあって、学校で一番セックスや性に詳しいんです。でも自分自身は童貞というのがポイント。物語としては、高校のヒエラルキーの中でいわゆるトップの、みんなからモテる男の子や女の子たちの悩みが出てきたり。かと思ったら、オタクっぽい学生の悩みも出てきたり」

「で、このふたりがセックスセラピストをする中、彼らだけに打ち明ける悩みとかが出てくるんですね。やっぱりみんな、何かしらの悩みをもっているんですよ。その内容や、なぜそれに悩んでいるのかっていう思考の部分ですごく考えさせられる瞬間に出合うんです。もしも今、自分が高校生だったらこういう悩みが出てくるのか!って」

高校時代にネットやケータイはあったとしても、今の若者のようにSNSが必須のコミュニケーションツールではなかったという大人は多いはず。だが、物語には現代の情報社会特有の、SNSがあるために生じる悩みなどがバンバン出てくる。

SNSとかスマホの普及とか、今のティーンがリアルタイムでさらされている深刻な問題が随所に。だから一緒に頭を抱えてしまったり、『自分がもしこの時高校生だったらどうするだろう?』と、その立場になって真剣に一緒に悩んだりしちゃうんです」

もちろん、現役の若い学生には強く共感できる内容。そして大人たちは回を重ねて観ていくうちに、感じるはずだ。彼らは彼らで、タフなティーン時代を経て今に至っているのではないかということに。

「今の子はいいよね〜とか、甘やかされてるーとか、今の時代は便利だからとか、一概には言えなくなる! むしろ、今の子たちのほうが大変なんじゃないかって」

道徳的な内容もちりばめられたエデュケーション

「あと、最近になって浮き彫りになってきた問題も出てくるんです。ファミニズム、男女差別、それにLGBTなどなど。大人の社会で取りざたされることにも、ハイスクールという枠組みの中で彼らがぶつかっていくんです」

そういったトラブルが頻出するなか、ときに高校生なりに導き出した苦肉の解決策が、逆にとんちや落ちが効いていたり、「こういった解決法があるのか」というひらめき的な手法だったりで展開していく。

「たとえばこんな話。向こうでは恋人同士でやりとりする、ちょっとエッチな『Sexting』というメールなどを使った行為があるんですが、物語の中で、ヒエラルキーのトップにいるような高飛車な女の子が、彼氏に自分の陰部の写真を送るんですね」
「でも、その後リベンジポルノみたいな感じで写真が広まっちゃって。学校中で『これはだれ?』と。さらされた本人は自分だってわかるじゃないですか。でもしらばっくれるわけですよ。むしろ『だれよ、こんなの!』って」

この問題は収拾がつかず、やがて全校生徒を対象にした集会が行われるほどに発展してしまう。そこで、「だれの写真かわかるまでここに閉じ込める」という事態に。さすがにヒエラルキーのトップにいた子も、「もう言うしかないか」という状況まで追いつめられる。

「そんなとき、主人公の相棒である校内一の不良の子が『私です!』って手を挙げて。すると隣の子が『いや、私です』と。しだいにたくさんの女の子が『私です!』と挙手をして、結局だれなのかがわからなくなる状態をあえて作るという作戦だったんです」
「ここで取り上げられているのは、女性の尊厳。ヒエラルキーとかお友だちグループとか関係なく、みんなでひとりの女の子を守るっていうのが隠されたメッセージなんです。昨今『#Metoo』とか『#Kutoo』が叫ばれてますけど、そういうフェミニズム運動に通ずるものがあるなーと」

ドラマの中の高校生の悩みや苦しみは、そのまま今の大人世代がコミュニティー内で抱えているものもあれば、「まったく藪から棒! そんな悩みあるのか!?」というものまでさまざまだ。

「今回はどっちだろうなぁ、どんなトラブルなんだろうと、楽しみになりますよ。さっきのフェミニズム的な話は私が特に好きな回なんですけど、道徳的なものも含めてエデュケーション(教育)。すごくためになるから、もし私に高校生ぐらいの子がいたら絶対に観せたいですね。大人でも勉強になることがたくさん詰まってます」

ちなみに本作は2019年1月から配信されたドラマだが、なんと2020年の1月17日からシーズン2が配信決定。2では高校生に加え、大人たちの問題も勃発することになり、さらなるタブーに迫っていくとか。ぜひ新作配信開始までに1をチェックしておこう。

 

取材・文:中山秀明
コンテンツセレクト:岡野ぴんこ

【セックス・エデュケーション】
セラピストの母を持つオーティスは、経験もないのに性的な知識が豊富な高校生。同級生に誘われ、人付き合いが苦手な彼が秘密のセックス相談クリニックを始める。

Netflixオリジナルシリーズ「セックス・エデュケーション」独占配信中
https://www.netflix.com/jp/title/80197526