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2019.11.30

靖國神社境内に出現したノスタルジックな“屋根裏”アンティークカフェ

attic room 靖國外苑

靖國神社の境内に、アンティークカフェ? 意外な組み合わせに見えて、参拝客から神社周辺のワーカーまで、さまざまなニーズに応えるポテンシャルを秘めているのが「attic room 靖國 外苑」である。春には桜が見えるカフェとして、都内随一の名スポットになる予感。靖國神社に新たな風を吹かせそうだ。

今年で創立150年を迎えた靖國神社。その記念事業の一環として境内に建て替えられた外苑休憩所に、カフェ「attic room 靖國外苑(アティックルーム やすくにがいえん)」がオープンした。

靖國神社といえば、幕末の嘉永6年(1853年)以降の日本の戦争・事変において国のために一命を捧げた方々を祀っている神社(靖國神社HPより)であり、桜の名所としても知られる。一方、attic roomは、渋谷・新宿などに店舗を持つ「屋根裏部屋」をコンセプトにした、若者に人気のカフェだ。本当に靖國神社に、屋根裏カフェが? やや半信半疑で向かうと、確かにそれは、そこにあった。

“屋根裏カフェ”といっても、attic room 靖國外苑が入るのは、既存店のような雑居ビルの高層階ではなく、名だたる宮大工らが参画して造られたという巨大な平家。繊細な曲面を描いた伝統的な日本建築の屋根を冠しながらも側面は全面ガラス張り。古代と現代の美しさが調和した建築物となっている。

店内に一歩足を踏み入れると、そこは古き良き喫茶店を彷彿させるノスタルジックな装い。廃材などを用いて作ったオリジナルのテーブルやアンティークソファーにランプが並ぶ。ともすれば、ここが靖國神社の境内であることを忘れそうになるが、和を感じる佇まいは、どこか神社という場所に通ずるものもある。

店づくりにあたり、“神社の境内”ということは敢えて強く意識しなかったというこの店。無理に純和風のインテリアやメニューを取り入れようとはせず、あくまで「日本家屋の屋根裏部屋」をコンセプトにしたアンティークカフェ「attic room」ブランドをこの場で表現する。より幅広い世代に、靖國神社に訪れるきっかけになってほしいからだという。

実際、オープンして1ヶ月半。靖國神社への参拝客が、休憩がてらに立ち寄っていく一方で、九段下・飯田橋周辺のワーカーや学生が、ランチや打ち合わせ、コーヒースタンド代わりにと、普段使いで訪れるケースも非常に多いのだそう。カフェができたと聞いて初めて靖國 神社に訪れたという声、週末になれば遠方からわざわざ訪れるatticファンも少なくない。

靖國神社——。メディアではよく耳にする名前だが、実際に訪れたことがないという人も多いかもしれない。attic roomのようなカフェができたことで、これまであまり馴染みのなかった街が身近になっていくのはとても素敵なことではないだろうか。

日常のカフェ利用には嬉しい、週替わりメニューも充実しているが、この場所でしか出会えない「名物」はぜひ一度味わっておきたい。看板メニューは、希少部位である牛カイノミのカットステーキを練り込んだ「メンチカツ」。2人で分けても十分なほどボリューム満点のメンチカツが、単品やカレー、サンドイッチで楽しめる。靖國神社でメンチカツ? やや意外な取り合わせな気もするが、100%和牛を使用し、淡路島玉ねぎの甘みがつまった本格的なメンチカツは、ガッツリ食べたい若者からアルコール好きの外国人観光客、ややグルメな年配客まで、さまざまな参拝客を満足させるだろう。

オリジナルデザインのラテアートが楽しめる「ピクチャーラテ」も、思い出づくりに大活躍しそうだ。デフォルトのデザインのほか、持ち込みの写真もプリント可能。SNSにアップすれば注目の的になれること間違いない。

2020年春には、夜の営業も開始し、広い境内に咲き誇る桜を一望できるテラス席がオープン予定。お花見、ディナーやバー、結婚式の二次会会場としての貸し切り営業など、楽しみは尽きない。知っているようで知らない街。カフェを目当てに出かけていくときっとあなたの世界が広がっていくことだろう。

 

取材・文 : RIN