HOME WELL BEING ダメな自分を受け入れるところからすべては始まっていく。桜田通の現在進行形。 桜田通の現在形。写真集『The 27 Club』に込めた27歳の終わり
桜田通の現在形。写真集『The 27 Club』に込めた27歳の終わり

他人との比較をやめて、自分自身の弱さや至らなさについて徹底的に向き合うことにしたという桜田さん。その現在進行形ともいえる作品が、5年ぶりの写真集『The 27 Club』だ。この作品に込めた想いを聞いた。

島崎:

今回の写真集ですが、これまでの話にもつながっていると思うのですが、タイトルを『The 27 Club』にしたというのが、だいぶ攻めているなと。

桜田:

僕が10代のときからずっと、音楽もお芝居も好きだし、洋服も好きだし、表現することやエンターテイメントの世界にいることが好きだという想いがあって、その象徴が「スター」という存在なんですね。

島崎:

まさにスターのリストといえば「The 27 Club」。

桜田:

そうなんです。カート・コバーンとか、ジミヘンといった大スターが、27歳で大きな成功を収めて、そして27歳でこの世を去っている。まるで27歳でそういう風に悪魔と契約して地位と名誉を手にして死を迎えるみたいな、不幸なことだけどドラマチックだなとも思えたんです。

島崎:

ジャニス・ジョップリンもこのリストでしたよね。みんな猛烈に生き抜いた感はあります。

桜田:

でもところが、僕はあと2ヶ月順調に生きれば28歳のバースデイを迎えられて(取材時は10月)。僕はあんなジミヘンみたいなスターにもなれていなくて、平凡な日常になっていって。それがすごくイライラするというか腹立たしいというか、「お前なんで『The 27 Club』に入れなかったんだよ」っていうのがあって。

島崎:

それも自分を律するために。

桜田:

だったらせめて自分の写真集にそのタイトルをつけて、良くも悪くも自分自身の現在位置がここまでだった。ここからは、自分を一回殺して28歳から再スタートしようという思いだったんです。

島崎:

大スターへのリスペクトと、そこにたどり着けなかった自分自身を奮い立たせるために。写真集で掲載された対談企画も、ある意味、各界のスターへのリスペクトが込められているわけですね。佐藤健さんにUVERworldのTAKUYA∞さん、OCEAN TOKYOの高木琢也さんに『GQ JAPAN』ファッションディレクターの森口徳昭さんと、そうそうたる4人です。

桜田:

対談したみなさんは、本当にいてくれて心から良かったと思うと同時に、「何でこの人たちがいるんだよ、邪魔だな!」って思うような人たちでもあるんですよ(笑)。もう悔しいんですよ、彼らがおもしろいことをするたびに。でもその人たちがいるからワクワクしている自分もいて、自分の超えなきゃいけない壁になっている。UVERworldと同じことをしても売れないし、佐藤健くんと同じことをしても売れないし、森口さんも高木さんも人間としての生き方も素晴らしいけど、僕は彼らと同じ方向というわけじゃない。

島崎:

アウトプットのクオリティとか世の中への影響度など、ベンチマークになる部分は沢山あるわけですね。

桜田:

彼らの活躍を見て可能性は広がりながらも、違う道を選ばなきゃなっていうところがあるから、本当に『The 27 Club』じゃないですけど、この人たちがいる世界で自分が生きてて、ずっとこの仕事をし続けるってめちゃくちゃ困難な道だなって思います。そんな世界でどうやって「自分」を表現していくのか。

島崎:

4人の方の何となく共通点もあるような気がしていて、それぞれの分野の職人というわけではなくて、もっと活動が多彩ですよね。

桜田:

共通するところはクリエイターということですね。TAKUYA∞くんはミュージシャンだし、佐藤健くんは役者だし、森口さんはファッションをプロデュースして、高木さんは美容師だけど、全員その枠を超えているんですよね。ただ髪を切っているだけじゃないし、ただ台本を読んで覚えているだけじゃないし、ただ歌っているだけじゃない。その領域を超えて世界に影響を与える人たちになっているから、本当にすごい人たちですね。

島崎:

でも桜田さんもある意味、今のキャリアの延長線上にはやっぱり役者だけじゃないし、ミュージシャンだけじゃないし。

桜田:

そうですね。近い景色は見たい、見えていると思っていて。ポジティブに考えれば追っかける僕側のほうがめちゃくちゃ有利なんですよ。その人たちが見てきた世界、歩いてきた道を冷静に、俯瞰で理解することができる。だから僕はこの人たちと密に誠実に向き合っていくことで、すごく沢山のヒントをもらえていて、それを取り入れてちゃんと自分のオリジナリティに昇華していったら、僕は僕の道が作っていけるんだと。

島崎:

先ほど他人との比較を諦めた、という話がありましたが、今は他人をリスペクトしながらその魅力を冷静に分析して、自分の現在位置を明らかにしてくれる道標のような存在になったということでしょうかね。

桜田:

そうですね。以前はただの嫉妬心でしたけど、今は純粋に悔しいとかすごいとか、では自分はどうすればいいか、ちゃんとした距離感で向き合えている気がします。

島崎:

そういう意味ではこの写真集って、今の桜田通を構成する要素が詰まっている。

桜田:

まさに今やれることをすべて詰め込んだので。

島崎:

これでもし5年後、次の写真集をやるときに、まったく想像していなかったことをやっているかもしれないですよね。

桜田:

たしかに、今3作目を出したいとは思っていないですけど、めちゃくちゃ世の中の技術も進化している中で、写真集の新しい表現方法が生まれてきたらチャレンジするかも知れないですね。

島崎:

逆に紙に回帰するとか(笑)。このフリーペーパーとか。

桜田:

いや、思いました! 今、フリーペーパーでやるってとんでもない意地じゃないですか(笑)。俺それすげぇ格好良いなと思って。

島崎:

しかもうちのなんて持ち歩きにくいですし(笑)

桜田:

「Wired Cafe」とかにも置いてあるんですよね。そういうカフェに置いてあって、あえてスマホじゃなくてフリーペーパーで読むって、スタイルとして好きですけどね。

島崎:

でも、気が早いですが、桜田さんにも作ってほしいです。

桜田:

リアルな話、おもしろいことをやるのであればお金がかかるから、自分でお金をかけられる存在にならなきゃいけないし、みんながボランティアで仕事しているわけじゃないから。僕あまりクラウドファンディングみたいなのは好きじゃないというか、自分でちゃんとやるっていうことが大事だと思っているから、そういう意味では5年後、今回の『The 27 Club』と同じようなものしか作れなかったら、僕はそれまでってことですね(笑)

(第3回に続く)

スタイリスト:柴田 圭
メイク:中村 兼也(Maison de Noche)
写真:岡祐介

MORE INFO:

The 27 Club

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公式WEB: http://www.sakuradadori.com/