“今どきサウナ”ブームの牽引役の1人でもあるサウナ師匠こと秋山大輔さん。彼の悩みは「普通の女子があまりサウナを楽しんでいない…」だそう。確かに、編集部女子の間でも「岩盤浴の方がいい」「熱いだけ」「ちょっとマニアックな人が行っている」「おじさんの趣味?」などなど、特に女子から否定的な意見が多いのです。 でもそのほとんどが、これまでのサウナのイメージを引きずっている“誤解”なのです。そこで、秋山さんから、私たち編集部とharumari・東京ナビゲーターの斉藤アリスさんも交えて、“普通の女子が知らないサウナの世界”を教えてもらいました。
HarumariTokyo編集部(以下、H):今日は、サウナー普及活動に尽力していらっしゃるサウナ師匠こと、秋山大輔さんにお越しいただき、「意外とサウナをイメージで誤解しがち」な私たち女子の、サウナにまつわる誤解を解いていただきます。いまいちサウナにハマりきれない女子代表として、モデルでライターの斉藤アリスさんにも参加してもらいました。
秋山大輔(以下、秋):よろしくお願いします!
H:編集部だけですと心もとないので(笑)、斉藤アリスさんにゲストに来てもらいました。
斉藤アリス(以下、ア):よろしくお願いします!楽しみ!
秋:いきなりですけど、アリスさんはそもそもサウナに行ったことはありますか?
ア:今まで全然興味なかったんですけど、昨年、ライターとしてのお仕事で「おふろの国」の井上さんの取材に行ったんです。
そこから興味が湧いたので、最近は結構頑張って行っています!
H:サウナ初心者なんですね!ちょうどいいです。でもおふろの国がデビューってなかなかですね 。
harumariでは体験取材に行ったことあります。https://harumari.tokyo/19492/
秋:それはまさに今回対談するのにちょうどよいビギナー具合ですね。“頑張って”行ってる感じなんですか?
ア:だって熱いじゃないですか(笑)
秋:そりゃそうだけど(笑)
ア:しかもあのロウリュの掛け声?みたいなの、なんかすごい、圧倒されてしまって。知らない世界だったからびっくりしました。すごい、体育会系な空気だなと思った。
秋:でしょ。すごい、男らしいですよね。僕自身はああいう場所も大好きなんです。すごく象徴的なところですよね。でも、女性にはハードルが高いはかもしれない。そもそもサウナってみんなああいう、“体育会系”な感じだけだと思ってません?
ア:未知の世界のものだから、知らないものを知っていくという、そういう意味では楽しいんです。だから頑張って入るようにしてます。でもイマイチすごくハマりきれないというか。なんか、岩盤浴とかそういうのでもいいかなと思ってしまって…。
H:わかります…!同じ汗かくなら、岩盤浴とか溶岩浴なら、寝てるだけでいいし。
ア:だって、サウナってツラくないですか?(笑)
H:そうそう、編集部女子の意見の大半がそれなんです…!
秋:あはは(笑)。そうですよね。女子のイメージはそうなんですよ。確かに日本のサウナはおじさん向けの「ツラい」サウナが多い。でも今どきはそうじゃないのが増えてきているんですよ。
ア:知らなかったー!“今どきサウナ”?
秋:そう、僕らは「フィンランド式サウナ」と呼んでいるんですが。
H:おじさん式サウナと違うサウナが増えてきているってことなんですね。知らなかった。
秋:ちなみに、ツラく感じるのは、「ドライサウナ」だからなんですよね。
ア&H:ドライサウナ?
秋:そうそう。日本のサウナって昔から、高温で湿度が低い、「ドライサウナ」が発展したきたんですよ。80-100℃で湿度が10%くらい。サラリーマンが「どれだけ長く入れるか」みたいな我慢比べをしているイメージ、ありますよね。
ア:でも、そういうものですよね?そういうイメージ。
秋:いや実はこれって日本で独自に発展した文化で。おじさんが昭和から下支えしてきたものなんです。だから、“おじさんサウナ”という印象としては、間違ってなかったと思うんですよ。これまでは。
ア:「これまでは」。
H:なるほど、「そうじゃない」サウナが“今どき”サウナ…つまり、フィンランド式サウナなんですね。
秋:そうなんです!!!!「フィンランド式サウナ」って全然“我慢大会”ではないんですよ。熱いけど、湿度も高いから、苦しくない。ドライサウナ は湿度が低いから、息苦しい部分はあるかもしれませんね。
H:倒れる直前まで我慢して、もう無理!ってくらいで、キンキンの水風呂に入るから、その高低差のトランス状態を楽しむものかと思っていました…!
ア:わたしも。
秋:あー、もう、全然違う!でも女子のみんなはそう誤解してるんですよ…。
ア:水風呂がすごくきつくって。
秋:ああ、そうですよね。水風呂でキーンってなって。それがいいっていうのももちろんあるんですけど。それは確かに、日本のおじさん文化ですね(笑)
ア:そう、だから、なんかその我慢した先に快楽がある・・みたいな風に思ってましたし、みんなそう言いません?
秋:そうそう、基本的にはサウナってサウナ→水風呂→外気浴 というのがセットなんですよ。キーンてなるくらいの水風呂からあがって、脳が痺れたような状態で外気浴していると、身体の内側からなんかじんわり快感が襲ってくる。これが俗にいう“ととのう”ですね。
ア:そうなんだ!水風呂に入ってキーンってなるのが“ととのう”、セットだと思ってました。
秋:でも、それって結構辛いじゃないですか。
ア:辛い。苦行ですよ。
H:サウナで高温低湿の中、汗だらだらで我慢して、今度水風呂で冷たいの我慢して、って、本当に我慢の連続のイメージがすごかったです。
ア:わかるわかる、忍耐の先に快楽がある!みたいな。でも女子からしてみると、そんな辛い思いしてまで快楽を得るってなに?という…。
H:確かに、それが女子にとっては最大の謎であり、サウナを遠ざけてきた要因かもしれませんね。
秋:それが今までの日本の“古い”サウナなんですよね。でもフィンランドのサウナってそうじゃないんですよ。それを広めたくて、僕らは活動している(笑)。
ア:教えて欲しいです!知らない!
秋:フィンランド式は基本的には低温高湿なんです。70℃前後ですね。水をかけられるサウナストーンっていうのがあって、そこに水を自分たちでかけて蒸気を発生させて調整するんです。だから温度は高いのに、湿度が高い。
ア:熱くないのに「サウナ」?
秋:いや、熱くなくはないですよ。汗かけないと意味ないし。
ア:ああ、そうですよね。「熱いけど、苦しくない」が正しいのか。
秋:そうそう、言うなれば、「あたたかい蒸し風呂」な感じですかね。湿度が何よりポイントなんです。日本ではそういう“苦しくない”フィンランド式のサウナがまだまだ少ないんですよ。やっぱり、熱くて息苦しくて我慢して水風呂飛び込む!みたいなおじさんサウナが長いこと主流だったから。
ア:へー。おじさんサウナと今どきのサウナはそんなに全然違うんですか?
秋:フィンランドのサウナは、息苦しくないので、ずっといられますね。なんなら中でお酒飲んだりもできる。
ア:え?そうなの?楽しそう!
第2回につづく
次回は、毎年ヨーロッパ諸国へ「サ旅」と呼ぶサウナ視察旅に行っている秋山さん。次回は秋山さんおすすめの“楽しそう”なヨーロッパのサウナ、そして日本のサウナについても教えてもらいます。