これまでにないさまざまな新しい角度から、日本茶の魅力を引き出し発信するティースタンド「CHABAKKA TEA PARKS」。そこには「美味しい」だけじゃない、ファッショナブルでワクワクするような日本茶体験が待っている。サーバーからお茶……その不思議な体験ができるのは、日本でもここだけだ。
鎌倉駅の西口側に位置する御成商店街の脇道に、観光客だけでなく地元客もこぞって訪れる、話題の日本茶スタンドがある。「CHABAKKA TEA PARKS(チャバッカ ティー パークス)」だ。
気持ちのいい陽が差し込む店先で迎えてくれたのは、アパレル業界に長く務めていたというオーナーの三浦健さん。ファッションを通して日本のものづくりや地方の文化に触れるうちに、「それらを違うかたちで表現してみたい」と惹かれ、行き着いたのが日本茶だったという。
「日本茶って、コンビニで毎日手にするくらい身近にあるのに、全国にさまざまな産地や品種があることや、丹精込めて造る生産者がいることがほとんど知られていないんです。高級な老舗茶舗にでも行かない限り、珍しい品種のお茶を目にする機会すらない。生産者はアンハッピーだし、消費者側も知っていれば本当はもっと楽しめるはずなのに、なんてもったいないんだ! と」
いわれてみれば、「米は“コシヒカリ”」「いちごは“あまおう”」といったように、好みの品種を選んで食材を買う機会は増えた。では、日本茶は? 煎茶やほうじ茶などのお茶の種類を選ぶことはあっても、品種の特徴を知り敢えて選んで買うことがどれほどあるだろうか。
「もっとカジュアルに職人たちが造る日本茶に触れられる“ハブ”のような場所になりたいですね」
店で扱うのは、すべて単一農家・単一品種の“シングルオリジンティー”。煎茶、ほうじ茶、抹茶はもちろん、和紅茶や和烏龍茶まで、三浦さん自身が全国各地を周ってセレクトした15品種をラインナップし、ラテやティーカクテルなど計28種のドリンクを揃える。
日本茶にとにかく親しんでもらうために、CHABAKKAがかかげたコンセプトは「おしゃれに楽しむ日本茶エンターテインメント」。「歴史や作法など頭でっかちにならずに、素直に『かっこいい!』、『かわいい!』、『楽しい!』という感覚で、まずは日本茶を飲むきっかけづくりができればいいと思っています」
メニューに並ぶ「蒼風(煎茶/静岡県産)」「あさつゆ(深蒸し煎茶/鹿児島県産)」「おくみどり(抹茶/京都府産)」などの名前は、すべて品種名だ。はじめて耳にするものも多いが、美しいネーミングに日本人らしい奥ゆかしさが感じられる。音の響きでお茶を選ぶ人も多いのだとか。さらに、それぞれの品種で異なる繊細な色合いをラベルで表現。色彩すらお茶選びの楽しさに変えてしまう発想は、長くファッションに関わってきた三浦さんならではだろう。
そして、なんといっても日本茶をエンターテイメント感覚で楽しませてくれるのが、日本初という「ドラフトティー」である。窒素を含ませて発砲させた日本茶を、まさにドラフトビールのようにサーバーから注ぎ入れて楽しむ、まったく新しい日本茶だ。
「急須で淹れるオーセンティックなもの以外に、美味しくてもっと楽しい飲み方はないかと考えるうちに、『ビールみたいに飲めたらおもしろいな』と思ったんです。サーバーは何度も改良を重ねた特注品です」
ドリンクとしてのアイデアはもちろん客が自ら注ぐというスタイルも、この「ドラフトティー」の“ミソ”。クイッとレバーを後ろに倒すと、本当に“日本茶”が勢いよく出てきた!普段あまり触れる機会がないサーバーを扱うという体験、さらにはそこから日本茶が出てくるという通常ならありえない光景に、思わず「楽しい!」、「なにこれ、ビールみたい!」と声が出てしまう。
超微細な泡がまろやかな口当たりを生み、半日ほどかけてじっくりと水出し抽出したお茶は、渋みがなく、フルーツジュースを思わせる甘みとクリアな飲み心地。ぐびぐびと飲みたくなる感覚も、なんとも新鮮だ。
ストレートティーの抽出には、急須と同じ萩焼や有田焼で造ったオリジナルドリッパーを使用。コーヒーを淹れるようなハンドドリップスタイルの日本茶は、体験ワークショップの人気も高い。
美味しくて見た目は抜群、さらにさまざまな新感覚の体験ができる、まさに「おしゃれに楽しむ日本茶エンターテインメント」がここにはあふれている。
ほかにもCHABAKKAでは、日本茶専門店としては新しいサービスを数多く提供している。月額の会員制で日本茶が飲める「サブスクリプションサービス」や、60分間すべてのお茶が飲み放題となる「ビュッフェ」。さらに、ちょうど取材に訪れた日には「今日からご近所の方限定ですが、デリバリーを始めました!」と三浦さん。
フード類は持ち込みOK。Wi-Fiと電源を完備し、雑貨・アパレルの委託販売や展示などが行えるイベントスペースのレンタル、自転車、クロークの貸し出しも。
「ここに来る目的が、必ずしも“お茶を飲む”ことでなくていいと思っています。気になるイベントや自転車を借りに来たついでにお茶を買うとか、リモートワークのお供にお茶を飲むとか、そんな気軽な感覚で大歓迎です。いろいろなものと日本茶を絡めることでお茶に触れる機会が増え、CHABAKKAが日本茶生産者と消費者のハブになるとともに、人と人、異業種のエンターテイメントのハブにもなれたら嬉しいですね」
友人の結婚式のケータリングから、「東京蚤の市」、「Rakuten Fashion Week TOKYO」まで、大小問わず積極的に外販のイベントにも出店し、新しい日本茶の楽しみ方を発信しながら、自身もエンターテイメントのコラボレーションを楽しんでいると三浦さんは話す。実際にCHABAKKAがきっかけになり、新しいビジネスに発展したり地元の人の交友ができたり、さまざまな繋がりが生まれているのだそう。
まだまだここから、新しい日本茶のムーブメントが生まれそうな予感。まずは鎌倉観光で見つけた美味しいものを片手に、ドラフトティーの感動を味わいに訪れてみては? 「日本茶って楽しい!」。そんな新たな感覚に必ず出逢えるだろう。
取材・文 : RIN
エリア: | 神奈川 |
---|---|
住所: | 〒248-0012 神奈川県鎌倉市御成町11−10 |
電話番号: | 0467-84-7598 |
営業時間: |
月曜日 11:00〜18:00 火曜日 11:00〜18:00 木曜日 11:00〜18:00 金曜日 11:00〜18:00 土曜日 11:00〜18:00 日曜日 11:00〜18:00 祝日 11:00〜18:00 |
定休日: | 水曜日 |
公式WEB: | https://chabakkateaparks.com/ |
SHARE: