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HOME SPECIAL TRAVEL-ALIVE(あの旅先の今とこれから) KYOTO(京都の旅の今) タクシー運転手が語るコロナ渦中の観光地のリアル【京都編】
タクシー運転手が語るコロナ渦中の観光地のリアル【京都編】

タクシー運転手が語るコロナ渦中の観光地のリアル【京都編】

コロナ禍で、観光地の状況は刻一刻と変わっている。そうした変化を一番把握しているのは、観光地を巡ることの多いタクシードライバーと言っても過言ではないだろう。17年、MKタクシーのドライバーを務める柴田大輔さんに、京都の街の状況と、思いを聞いた。

京都を中心に、全国で展開する大手タクシー会社「MKタクシー」。そこで17年、運転手を勤めている柴田大輔さんにとっても、今回のコロナショックは未曾有の事態だった。

「色々な経済不況はありましたが、こういう形で全世界が動けなくなるのは初めて経験します。今年はしばらく観光のお客様はいないですし、やはり例年とは違いますね」

予約客を乗せるハイヤーを担当する柴田さん。今は若干、客数が戻りつつあるが、4、5月の予約はほぼなかったため、通常のタクシーのように無線営業をしていたという。観光客が減ったことは、ドライバーという仕事においては厳しい事態だった。しかしほかにも残念に思うことがあったと語る。

「去年は天気が悪かったのですが、今年は晴れていたので桜が長く、綺麗に咲いたんですよね。毎年桜の季節には多くの人が見に来られるので、皆様にせっかくの桜を見ていただけなかったことは、とても残念に思っています。もちろん、仕方のないことではあるのですが……」

また、京都といえば訪日客にも人気の観光スポット。緊急事態宣言が発せられ、外出自粛となる直前にはこんなこともあった。

「入国管理局にビザの延長をしに行った外国の方もいました。(3月時点では)日本の方が、自分の国よりも安全なのでいたい、という方ですね」

いつもとは違う春を乗り越えて、現在は、少しずつお客さんも増えてきている。

「緊急事態宣言が解除されてから徐々に観光のお客様を見かけるようになりました。少し前は近隣県の方が自家用車で来ている印象でしたが、最近は関東や遠方から来ている方も見かけるので、少しずつ活気が戻ってきたかなと思っていたんですが……。今はまた感染者数が増えてきて、心配ですね」

本来ならば、観光客が増える夏休みシーズンは、タクシー業界にとってもかき入れ時。しかしやはり今年の夏は、あまり期待できないようだ。ただ、秋以降は修学旅行客の予約も入ってきている。まだコロナの状況がどうなるかはわからないが、もしこの秋京都に訪れるなら、どんな楽しみ方ができるのか、紅葉の穴場を聞いてみた。

「田舎の方がいいかもしれないですね。京都の郊外の方、足を伸ばせば滋賀県などの近隣県もいけますので。車を使って回るなら郊外に行くのはおすすめです、普段とは違う楽しみ方ができると思います」

車やタクシーを利用するなら郊外の旅をおすすめしたいと柴田さん。レンタカーでも良いのだが、実はタクシーの利用も便利なのでご紹介したい。車種にもよるが、クラウンであれば京都市内発着で4万円ほどで1日貸し切ることができるうえ、タクシードライバーが観光案内や写真撮影もしてくれるなど、コンシェルジュとしての役割も果たしてくれるのだ。

もちろん、コロナの感染防止対策もしっかり行なっている。現在MKタクシーでは、ドライバーの手洗いうがい、検温といった基本的な感染防止対策から、各車両の消毒までを徹底。運転席と客席の間には、通常のアクリルボードに加えて、ビニールのカーテンも設置している。

「自分自身の管理も含めて、最大限コロナに関しては感染防止対策をしているので、社会的状況もございますので不安があるかと思いますが、来られた方には最大限お楽しみいただけるようお迎えする準備をしておりますので、お越しいただきたいと思います」
(2020年7月撮影)

団体よりも、個人での旅が主流となりそうなWithコロナの観光。その中でタクシーを利用して街を巡ることは、これから増えてくるのかもしれない。自分自身のためにも、そしてタクシーの運転をしてくれるドイバーのためにも、しっかりと感染対策をしたうえでサービスを利用しよう。