HOME SPECIAL ISSUE SUPER FLAT LIFE 秋元才加インタビュー。スーパーフラットライフの世界は私の理想の世の中
秋元才加インタビュー。スーパーフラットライフの世界は私の理想の世の中

VOL.5 秋元才加インタビュー。スーパーフラットライフの世界は私の理想の世の中

コンテンツスタジオ・ハルマリが送る、オンライン演劇「スーパーフラットライフの主演を務める俳優・秋元才加さん。LGBTQ+アライでもある彼女だが、今回演じるのは、いわゆる”普通”の結婚をして幸せになりたいと所望する保険会社勤務の30歳。そんなオーソドックスな考えの持ち主が、同性婚や別居婚、契約結婚……など、従来の結婚観を覆す人々と出会い、価値観を転換させていく。4月3日・4日の公演に先駆けて、物語の魅力や自身の結婚生活、そして役に対しての意気込みを語ってもらった。

私はスーパーフラットライフ側にいる人間

――今回、オファーを受けた時の心境を教えてください。
最初にお話をいただいた時、すごくやりがいのあるお仕事になりそうだなと思いました。お芝居でレズビアンの役を演じることや、LGBTQ+の友達も多いので、自分には身近なテーマでもある一方で、まだまだ悩んでいる人も多いということも理解しています。自分が携わる事で、これまでLGBTQ+と接点のなかった人にも知ってもらえたり、考えるきっかけになると嬉しいです。また演劇を通して、自分自身でも理解を深めていければと思っています。

――「スーパーフラットライフ」の台本を読んでどう感じましたか。
役ではなく秋元才加としては、今回のテーマ「スーパーフラットライフ」な世の中は理想の世界だなと共感しました。私は割と “スーパーフラット”側の人間で、今回やらせていただく主人公・棚橋エリとは対照的な性格。彼女のセリフを読みながら「こういう考え方の人もいるんだ」と気付く点が多かったです。このようなテーマについて考えていると、何が普通なのか分からなくなってしまうことがあるのですが、台本を通していろんな意見に触れられて勉強になりました。役を理解しながら演じるのは大変ですけど、自分も知見も広がるので楽しんでいます。

結婚は船の錨のようなものだと実感

――昨年、結婚したばかりの秋元さん。結婚して変わったことはありますか。
結婚に関しても、私はエリみたいにすごく結婚したくて結婚をした訳じゃないといいますか……。「逆に結婚ってどういうものだろう」っていう好奇心が大きかったですね。結婚して色々な事に気付かされました。たとえば夫婦別姓ってなんで選べないんだろうとか。そういう結婚の決まりやシステムによって自分が変わっていく過程を、まさに人体実験している感覚で楽しんでいます(笑)。あとは、独身の時はマイナスなことも自分で被ればいいという考えだったんですけど、今は自分に何かがあると夫や夫の家族にも迷惑をかけてしまう。もう自分だけの人生じゃないんだという意識に変わりましたね。

――今回の演劇のテーマのように、もし同性婚ができるようになったら秋元さんはしてみたいですか。
昔、レズビアンの女友達と手を繋いで新宿二丁目を歩いたことがあるのですが、それがいい思い出として残っています。今は異性と異性愛というカタチで結婚しているけれど、もしどこかで素敵な人と出会っていたら可能性はゼロとは言い切れないですね。

――秋元さんにとって結婚とは何でしょうか。
私は、船の錨みたいなものだと思っています。独身時代は、好奇心のままに好きなことをやっていろんなところへ漂流していたのが、結婚という型にハマったことによってちゃんと停泊できるようになりました。どんな時でも落ち着いて、どしっと構えられるようになったのはよかったなと思っています。

――好奇心旺盛な秋元さんなら漂流しているのも楽しそうですが、やはり結婚してよかったと思っているんですね。
私は生きているうちにやりたいことを全部体験したいんです(笑)。結婚も体験したいことのひとつだったので。人から結婚の話を聞くこともありましたが、やっぱり自分で体験しないとどんなものか分からない。夫やご家族には感謝しています。

教育にもなるのでDVD にして学校の授業で見て欲しい

――演劇本番まであと半月を切っていますが、どのように役作りをしていますか。
ここまでセリフ量が多い役は初めてなので、正直、緊張と期待でいっぱいです。暗唱しながら感情がついてくる感じだと思います。オンライン演劇はドラマ的な間がないので大変ですが、同居人の平田薫さんとの掛け合いなど、テンポのいい会話劇ができたらと思っています。

――共演者の印象を教えてください。
本読みの時にお会いして、皆さん物腰が柔らかいですけど、ちゃんと芯があるなという印象を受けました。テーマが社会課題なだけに中途半端な気持ちでは参加できないプロジェクトだと思うので、今からとても期待しています。

――最後に、読者に対してメッセージを。
LGBTQ やセクシャリティに踏み込んだ作品はまだ少ないと思います。そういう人間の真髄に触れたドラマにずっと携わりたいと思っていました。ファンの方の中にはLGBTQ の方も多いので、そういう方にも喜んでもらえると思うし、みんなで考えていくきっかけになったらいいなと思います。正直、DVD 教材にして学校とかで見て欲しいくらいですね。リアルタイムでコメントもできるみたいなので、ぜひ演劇を見ながら意見も聞けると嬉しいです。

棚橋エリ役/秋元 才加

2013年8月「AKB48」を卒業後、俳優として映画・ドラマ・舞台に出演する他、テレビ番組の MC など幅広く活躍中。主な出演作には、舞台『日本の歴史』『ゴースト』、映画『ギャラクシー街道』、ドラマ『やすらぎの刻~道』など。2020年8月、山猫は眠らないシリーズの8作目でハリウッドデビューを果たす。最近ではSNS を通じて政治や社会課題に対して積極的な発言を行っている。LGBTQ+アライであり同性婚についてもポジティブな発言をしている。