日中の日差しはポカポカと心地よいものの、肌に触れる風はだんだんと冷たさを増してきた。忙しさが加速する12月を前に、気になっていた展覧会やイベントへのんびりと足を運ぶなら今週末が絶好のタイミング。「チームラボリコネクト:アートとサウナ六本木」や「ルール?展」など話題を呼んだイベントも閉幕間近。晩秋の週末時間を愉しむために、Harumari TOKYO編集部がおすすめする6つのスポットを紹介しよう。外に出れば爽やかな秋風が背筋をピンと伸ばし、頭をスッキリととのえてくれるだろう。
メディアアート集団「チームラボ」が、六本木で3月から半年の期間限定で開催してきた展覧会「チームラボリコネクト:アートとサウナ六本木」が、来週11月23日 (火・祝)にいよいよ閉幕する。本展は、サウナによって“ととのう”ことで、来場者自身が最高級の状態となりアートを体験する、全く新しい鑑賞スタイルが話題を呼んでいる。温冷交代浴によって脳を開き、どこまでも広がっていく身体感覚でアートと一体となる新体験。心と身体と環境が自分という存在の全体性であることに気付き、世界と時間に再びつながること(リコネクト)を目指している。アートとサウナの融合が生み出す曖昧な境界線をおもしろいと思えたら、シャープな感覚がより研ぎ澄まされていることだろう。
東京での紅葉もそろそろ見納めになりそうだ。暮れゆく秋の紅葉狩りをゆっくり楽しみたい人は、立川市と昭島市にまたがる国営昭和記念公園へ足を運ぼう。赤、黄、橙…美しいグラデーションに色づいた鮮やかな紅葉が迎えてくれる。園内のおすすめスポットは、11月半ばから見頃を迎えている「かたらいのイチョウ並木」。まるで黄金のトンネルにいるかのような伸びやかなイチョウに、足元から頭上まで包み込まれる光景は圧巻。また立川駅最寄りの立川口から入るとすぐの、カナールのイチョウは昨冬に剪定を行ったため、例年より落ち葉の絨毯は少ない見込みとのこと。だが、ならば、青空に輝く金色の葉を見上げてみよう。澄んだ空気、心地よい秋の香りを大きく吸い込めば、心身が解放されていくだろう。
代々木上原にまたひとつ、話題の新店舗がオープンした。その名も「GOOD EAT VILLAGE」。ECサイト「GOOD EAT CLUB」のリアル店舗として、食と人、知恵、技術、文化、アート、音楽、遊びが出会うことで醸成される「おいしい未来」を創造し、発信する拠点を目指す場所だ。ここでは、ECサイトで販売されている話題の食を手に取れることはもちろん、カフェ、製造許可付きキッチン併設のファクトリー&コワーキングスペース、食を探求するコミュニティ&研究所などを併設。また、運営母体のカフェ・カンパニーが展開するカフェとも連携し、フードロス削減の取り組みも積極的に行っていく。「おいしい」と感じる瞬間が多ければ多いほど、心が満たされ、ほぐれていく。食にまつわる嬉しさ、楽しさを未来へつないでいく味を同店で見つけ、食の未来を明るく想像しよう。
年末年始のホリデーシーズンを見据え、表参道にも期間限定で気になるスポットが登場している。1925年にデンマークで設立された老舗ライフスタイルブランド・Bang & OlufsenのPOP UPストアだ。Bang & Olufsenの特徴といえば、優れたサウンドとタイムレスなデザイン、比類なきクラフトマンシップの組み合わせによって展開される独自のオーディオ製品の数々。POP UPストアでは、最新ホリデーコレクション「NORDIC ICE(ノルデック・アイス)」をはじめとするディスプレイや、数量限定製品、プロモーションなどを展開している。
12月に入るとあっという間に日々が駆け抜けてしまう。少し時間に余裕のある今週末に、自分へ、大切な人へのクリスマスギフトをチェックしておこう。
実態が捉えがたく、個人や社会によってそれぞれに異なる「ルール」。それは自分を縛るものか、新たな視点を得るきっかけとなるものか。訪れれば、より豊かな社会を切り拓く、ポジティブなルールを体感できる企画展「ルール?展」がまもなく閉幕を迎える。SNSを中心に火がつき、空前の人気を誇った同展。身近に感じる「ルール」をテーマにしていることで、普段あまり美術展へ行かない人にも楽しめると高い評価を得ている。
産業や社会構造が変化し、テクノロジーが発達を続ける現代。ルール、というものは大きな転換点を迎えているといえるだろう。私たちを縛るもののように思われがちだが、一方で、新たな創造や可能性が生まれるきっかけにもなる。これからの社会でともに生きるためのルールは、デザインを通していかに思考し、かたち作ることができるのか。最終日は11/28(日)。混雑が予想される最終週を前に本展を訪れ、多角的な視点からじっくりと探りたい。
終わりゆく秋を静かに味わうならば、ひとり時間を豊かにするといい。「眞踏珈琲店(まふみ こーひーてん)」は、古書店街として知られ喫茶店文化が根付く街・神保町に2016年にオープン。「ラドリオ」や「さぼうる」などの老舗喫茶店が今もなお愛され続けるこの街においては比較的新しい珈琲店ながら、流れる空気はすでに老舗のそれに匹敵している。重厚な扉を開けると、コーヒーの香りとともに4000冊以上もある蔵書、そして気の良いマスターが出迎えてくれる。1階の席ではマスターを介して程よい距離感で会話が弾み、2階に上がると図書館さながら、黙々と本と向き合うことも。どちらに居てもゆるやかに、自分のペースで心地よい時間を過ごせるだろう。本が好き、コーヒーが好き、話が好き。どれかひとつでも思い当たるふしがあるなら、週末の1日をこの店に費やそう。秋の終わりを愉しむ、ぜいたくなひとり時間を過ごすことができる。