もともと表参道・原宿の周辺には、エッセンシャルオイルやルームフレグランスなどのアロマアイテムを扱うショップが多い。そんなエリアに2023年に誕生したのがアロマ愛好家の聖地とも言えるAEAJ Green Terrace。日本アロマ環境協会(AEAJ)によるアロマの魅力を五感で体験できる施設だ。
明治神宮前駅をでて明治通りから路地へ少し入ったところに、突然、緑と木々に満ちた建物が現れる。AEAJ Green Terraceは、隈研吾氏が設計した日本アロマ環境協会のオフィス兼体験施設。元々、アロマテラピー検定をはじめとした資格の運営やAEAJ会員、アロマ業界関係者のために機能していた同協会が、移転を機により多くの人へアロマの魅力を伝えるべく、予約をすれば一般の方でも体験できる施設として生まれ変わった。
エントランス前の「アロマコリドー」は実際に精油の原料として使用される植物が植えられ、原宿の喧噪から、心地よいアロマの世界へ誘う雰囲気を作っている。施設内に入れば、軽やかな檜の香りと、心に優しくウッディーな内装が迎え入れてくれる。
施設内には約300種類にわたる精油や約1400冊以上のアロマや植物関連の書籍があり、アロマ愛好家や検定を目指す人にとっての学びの場としての役割を持つとともに、一般の人にはアロマをより身近に、より深く知るきっかけとなる演出もちりばめられている。
著名作家の作品をイメージしてブレンドされた香りの展示や、ハーブを中心にブレンドされたAEAJオリジナルボタニカルティーも提供されている。開放的なラウンジでは、アロマ関連書籍を片手にゆっくりとしたひとときを過ごすことが出来るのだ。
オープン当初から、会員だけでなく一般の方の来場も多いという。男女比でも、会員の構成に較べれば男性の割合が多い。施設での過ごし方も様々で、原宿のおでかけのついでにラウンジで寛ぐ方や、ラボラトリーで、新しい精油を探しにくる上級者も。
やはり最大の魅力は、圧倒的な数の精油のラインナップ。データベース化されているため、検定を目指す人や精油のブレンドをたのしむ人にとっても便利だが、シンプルに様々な香りを一度に体験できるのは楽しく、驚きや発見もある。実際、夢中になって長時間居続けてしまう人も多いとか。
最後に、日本アロマ環境協会・理事長の熊谷千津さんに、この施設への想いと、今後の展望について話を伺った。
「この緑豊かな原宿のエリアに移転を決めたときには、この場所を、アロマの魅力を発信する拠点にすることは決めていました。アロマテラピーは、香りや精油瓶のイメージがあるとおもいますが、そもそもは精油を生む植物の恵みから始まります。そのために、この施設では森の中にいるような世界を感じていただき、アロマの世界をその始まりから感じていただけるよう、そんな機会にもなってほしいですね。」
開設まもない施設は、今後、会員はもちろんアロマ愛好家のための交流の場となるべく、ワークショップやイベントを企画・発信していくとのこと。「睡眠力向上」といった実用的なテーマのオリジナルクラフトづくりなども充実していくという。
「コロナ禍をへて、自宅で過ごす時間や、ひとりの時間が増えた方も多いと思いますが、それでも日常は忙しなく、心が落ち着かないと感じる時も多いかもしれません。アロマは、香りをきっかけに心を安らげ、さらに植物の恵みを感じるたおやかな時間を生み出してくれます。そのアロマの魅力をこの場所でみなさんと一緒に広げていきたいですね」
AEAJ Green Terrace
住所:東京都渋谷区神宮前6-34-24
開館日・時間:火曜日〜土曜日、第4日曜日 13:00〜18:00
閉館日:日曜日(第4日曜日除く)・月曜日・祝日
https://www.aromakankyo.or.jp/greenterrace