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HOME WELL BEING 僕らのカフェ学 空間編 / 居心地の良さは秀逸なスタイリングにあり ①
空間編 / 居心地の良さは秀逸なスタイリングにあり ①

VOL.1 空間編 / 居心地の良さは秀逸なスタイリングにあり ①

「設計デザイン」に特化した建築・インテリア業界向けの専門誌でありながら「カフェ好きさん」にも好評な「good design cafe」。カフェラバーが注目すべきカフェデザインのポイントを聞いた。「好き」がもっと広がること間違いなし!

最新のストアデザインを取り上げ、デザインコンセプトや図面、仕上げ材料など、インテリアデザイナーや建築家、店舗開発に携わる情報を豊富な写真で紹介する、建築専門誌「月刊 商店建築」。

現在までに2回、「good design cafe」というカフェだけに特化した増刊ムック本を発売している。

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長年様々な「商店」のストアデザインの変遷を見ていて、昨今の「カフェのストアデザイン」をどう見ているのだろうか。編集担当の車田創さんに話を聞いた。

「正直に言うと、カフェのデザインって従来のストアデザインと違いすぎて、初めはかなり戸惑いました。その良さがなかなか理解できなかったというか、かっこよさを紐解くのが難しかったんですよ。このgood design cafeを作りながら、ああこういうことだったんだなと実感したんです。」

カフェのストアデザインは、何がすごいのか、初めは全く理解できなかった

‘人を惹きつける空間デザイン’を掲載の基準として様々なストアデザインを取り上げてきた商店建築だが、過去掲載してきたかっこいいアパレルショップやデザイナーズレストランの空間などと、昨今のカフェのデザインは全く違うらしい。

「理由は幾つかあるのですが、出来上がるまでのプロセスが従来と全く違うアプローチなんですね。まず一つ目は、今までストアデザインというのは、基本的に施主が設計者に発注して、コンセプトを基に出来上がったものに、使い手はだんだん使いながら染まっていく。というスタイルだったように思います。

が、カフェの場合は施主やその場所を使う人と一緒に作り上げていく。実際にその場所で働く人の思いが寄り添っているプロジェクトがすごく多いなと思います。

もうひとつは‘スタイリング’です。空間のパーツのひとつひとつがきちんと空間デザインの一部になっている。スタイリングも込みで考えられているのです。」

カフェはアパレルショップなどに比べて、「必要な道具」が多い。

テーブル、椅子、お皿、カップ、メニューブック・・・。たくさんの細かいデティールまできちんとデザインする「スタイリング」に対する一貫したこだわりは、従来のレストランではあまり見られなかったことだという。

コミュニケーションのための空間デザイン

「実は最近、本誌の商店建築でも取り上げて反応が大きいのは①ホテル②オフィスそして③カフェです。この3つは‘どうやってコミュニケーションをとる空間にするか’をデザインのテーマにしているんですよね。その部分を気にしている読者も多いと感じています。ここはもう完全に時代の流れだと言えます。その中でもカフェはもう最たるもので、お客さんとどういうコミュニケーションをとっていきたい場所なのか、どう使って欲しい場所なのかがきちんと空間デザインに落とし込まれているんですね。

例えば、ただ食事のシーンを想像するだけでなく、ここは商談しやすいように、このゾーンは本が読みやすいように・・・など「誰がどのように使うのか」まで具体的にイメージして設計されている。それを施主ときちんと共有して作っている。ここが一番大きなポイントかと思います。」

居心地の良さが中心にある

過去、昨今と話をしているがこのストアデザインシーンの中で「カフェ」が目立ってきたのはここ3年くらいだという。

「デザインという視点でいうと、コーヒーシーンのムーブメント自体とは少し時差があるのかもしれませんが、エポックと呼べるのは、2014年の京都のアラビカコーヒーですね。インテリアデザインの領域でも話題になり始めました。「店がどうありたいのか」というところがカフェのストアデザインから読み取れて、「居心地が良い」が主役になり始めたのはまさにここから。デザインシーンに大きな影響を与えたと思います。」

 

もちろん今までもなかったわけではないのですが、この辺りから、商店建築も専門誌なのに、業界以外の一般のお客様から反応が増えてきました。

2014年頃から始まったカフェのストアデザイン・ブームは、既存のストアデザインに今まで以上に「スタイリング」という手法を重視し始めた。それは店舗という空間が単なる物理的な場所・建物というだけではなく、人と人とコミュニケーションのしやすさという、人間の感覚的な部分を突き詰めていくということ。だからこそ、カフェは「居心地がいい」「リラックスできる」という心地よい感情を客に提供してくれる。

次回は、車田さんに語ってもらった視点で見たときに、特筆すべき秀逸な3店舗を紹介しよう。