毎日を充実させる東京のトレンド情報をお届け!
Harumari TOKYOのLINEをチェック

詳しくは
こちら

HOME SPECIAL こころおどる偏愛ギフト バンコク土産は「ジャケ買い」で──パッケージが語る街のセンス
バンコク土産は「ジャケ買い」で──パッケージが語る街のセンス

VOL.31 バンコク土産は「ジャケ買い」で──パッケージが語る街のセンス

出張の時のお土産、困ります。ベタなのはあれだし、我が強くても引かれるし。続・出張のたびに憂鬱になるお土産問題!ですが、このあいだのバンコク出張は違ったんです。思わず手に取りたくなるセンスにあふれたパッケージの数々。私のタイのイメージを大きく覆す発見が、そこにありました。

文:島崎昭光

ワン・バンコクに誕生した「SARAPAD THAI」

タイ・バンコクって、もう、東京の比じゃないくらい大都会なんですが、その中でも最新の都市開発プロジェクトとして注目されているのが「One Bangkok」。ルンピニ公園周辺に広がる巨大複合施設で、オフィス、ホテル、レジデンス、そして最新の文化・商業施設が集約された、まさにバンコクの未来を象徴するようなエリアなんですって。知りませんでした。

で、仕事の空き時間に、ふらっと寄ってみたのが、エリア内の商業施設に構える「SARAPAD THAI」。ここ、びっくりしました、ほんとに。いわゆるギフトショップなんですが、タイのクリエイティブ産業の現在地を体現するショーケースのようなプレゼンス。店内に一歩足を踏み入れると、壁一面にカラフルで洗練されたパッケージが並び、自分の中の「タイらしさ」が鮮やかに更新されてしまいます。民族調の柄や仏教美術といった従来の要素を活かしながら、シンプルでモダン、時にユーモラスなデザインが満載で、そうとうアガります。

絶妙なんですよね。たとえば、デザイン雑貨で著名なMoMAデザインストアほどになると、実用性に「?」がつくのが多いし、ローカル感がない。センスがあって、雑貨はもちろん、フード、アパレル、おもちゃ、骨董品など幅広いバリエーション、しかもちゃんとMADE IN THAILANDをキュレーションしているこのショップの提案性は唯一無二感すらあります。

バンコク土産は「パッケージ偏愛」で楽しむ

バンコク土産の面白さは、商品そのものの品質に加えて、パッケージの完成度の高さにある、というのが新発見。箱や袋を手に取っただけで、贈られる相手の顔を思い浮かべてしまう。そんな「ジャケ買い」が成立してしまうほどのデザインクオリティ!

とにかく大胆な色使いやモダンなタイ文字を配したデザインが目を引きます。紅茶やスナックも、まるでギャラリーで見つけるポスターのようにスタイリッシュ。観光客だけでなく地元の若者たちも、日常的に「見た目が良いから買う」という選択を楽しんでいるよう。

出会ったのは、チェンマイ発「GRAPH COFFEE」

そんな中で特に目を引いたのが、GRAPH COFFEE。チェンマイ発のスペシャルティコーヒーブランドで、国内外のクリエイティブ層に熱心なファンがいるそう。

シンプルなロゴと大胆なタイポグラフィ、そして挑戦的なコンセプト。パッケージを見ただけで「これは普通じゃない」と直感できる。タイの土産にありがちな「民族調」のイメージとはまったく違う、都会的で洗練された世界観が目に気持ち良い。

「Cigarette Caramel」を手に取って

数あるラインナップの中から筆者が選んだのは、Signature Blend “Cigarette Caramel”。その名の通り、煙草のパッケージを模した箱にキャラメルフレーバーのコーヒーが詰められています。

愛煙家の友人に渡したいと思い、迷わず購入。遊び心と洗練を兼ね備えたデザインは、まさに「偏愛ギフト」と呼ぶにふさわしい一品。コーヒーという日常的な存在を、パッケージデザインの力でここまで特別なものに昇華させている点に感服です。

「ジャケ買い」が旅を豊かにする

お土産選びというと「味」や「品質」で決めがちだが、バンコクの新しい潮流はそこに「デザインの愉しさ」が加わって、懸案のお土産問題は「ジャケ買い」で解決! とにかくバンコクに訪れることがあったら、ぜひ「SARAPAD THAI」でハイセンスなパッケージをお楽しみあれ。

SARAPAD THAI
WEB:https://www.sarapadthai.com/en