今最も注目の現代美術家・米谷健+ジュリアが、同じく注目度の高いニューオープンの美術館「角川武蔵野ミュージアム」にて、日本初の大規模個展を開催。このミュージアムの柿落とし展となる。期間は11月6日(金)から2021年3月7日(日)まで。
隈研吾が設計を手がけた特徴的な建築が話題を呼んでいる「角川武蔵野ミュージアム」。美術・博物・図書をまぜまぜにする、前人未到のプロジェクトとして注目を集めている。
運営の柱となるのは、館長である編集工学者の松岡正剛、博物学者の荒俣宏、芸術学・美術教育の研究者である神野真吾、そして建築家の隈研吾だ。第一線の有識者が、イマジネーションを連想させながら、リアルとバーチャルを行き来する複合文化ミュージアムの創設に尽力している。
今年8月、埼玉県所沢市にプレオープンしたこのミュージアムが11月6日にいよいよグランドオープンを迎える。
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そのオープン第一弾として、日本人とオーストラリア人によるアーティストユニット、米谷健+ジュリアによる日本初の大規模な個展「米谷健+ジュリア展 だから私は救われたい」が開催される。
米谷健+ジュリアは、日本人とオーストラリア人によるアーティストユニットだ。環境問題や社会問題を主題に、多彩な素材を活かした大型インスタレーションを多数展開しており、国際的な芸術祭であるベネチア・ビエンナーレのオーストラリア代表の1組に選ばれるなど、グローバルに活躍。今年10月27日に、ニューヨークにて開催される第1回アジア・ソサエティ・トリエンナーレに出展予定もある中、現在は、京都の限界集落にて無農薬農業も兼業しているという。
本展は、国内初公開となる《最後の晩餐》(2014)と《大蜘蛛伝説》(2018)など、彼らの代表作がまとまったかたちで見られる日本初の展覧会。福島第一原発事故から10年、そしてコロナ禍の今だからこそ見て欲しい、という作家の想いが伝わる大規模個展だ。
米谷健+ジュリアは、作品のテーマとして、社会問題、環境問題を扱ってきた。
代表作の1つである《クリスタルパレス》は、妖しい光を放つシャンデリアのインスタレーション作品だ。しかし素材に原発と深く関わっているウランガラスが用いられていると知れば、その美しさはある種の“毒”と表裏一体と気づき、全く違う印象を与えるだろう。
また、同じくウランガラスを使用した《大蜘蛛伝説》は、ウランの採掘が行われていた岡山・人形峠に伝わる伝承から着想を得ているように、科学のみならず伝承への関心も窺われる。
そのほか、地球規模で進んでいる珊瑚の白化現象を想起させる《Dysbiotica》や、晩餐会のテーブルの様子を“塩”で作り出し、オーストラリアでの大規模農業における過度な灌漑によりおきた塩害を想わせる《最後の晩餐》など、見応えのあるインスタレーションの数々を展示する。
美とユーモアと毒を併せ持つ彼らの作品は 現代アートの重要な要素である社会性への関心が高く、リアルと空想を行き来する場である角川武蔵野ミュージアムのグランドオープンにぴったりの展覧会と言えよう。
現代に生きる私たちはどのように不安に立ち向かっていくのか?
「救われたい」思いはどのように果たされるのか?
私たちに向けられた永遠の問いを、美しくも毒のある彼らの作品群が喚起させてくれるだろう。
なお、本展は全て事前予約制。当日券の現地販売はないので、公式サイトにてチケットを購入しておこう。
住所: | 〒359-0023 埼玉県所沢市東所沢和田3丁目31番地3 ところざわサクラタウン |
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営業時間: |
月曜日 10:00〜18:00 火曜日 10:00〜18:00 水曜日 10:00〜18:00 木曜日 10:00〜18:00 金曜日 10:00〜21:00 土曜日 10:00〜21:00 日曜日 10:00〜18:00 |
公式WEB: | https://kadcul.com/ |
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