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HOME SPECIAL こころおどる偏愛ギフト 選択肢が多いからこそ、敢えて“クセが凄い”一品を
選択肢が多いからこそ、敢えて“クセが凄い”一品を

VOL.32 選択肢が多いからこそ、敢えて“クセが凄い”一品を

選択肢が多いと逆に悩んでしまい決まらない……これはどんなときにでも言えることで、ギフト選びにもそんな側面があると思う。たとえば、キッチングッズや器などギフトに良さそうなものは、種類豊富で、贈り物にどうぞ、とお膳立てされているものもたくさんあるからこそ迷ってしまう。特に料理上手なあの人はキッチングッズも器にもこだわっている。そんな人へのギフトにはちょっと渋い一捻りを加える、というのが正解な気がしている。

文:岡野ぴんこ

料理が好きな人、得意な人は調理グッズや器にもこだわりがあることが多い。
そしてグルメな人や食べ歩きが趣味、などという人は自分で料理するのが好きな人も多い。
そんな食通でありこだわりの料理人である友人や目上の方に、たとえば美味しいお食事に連れて行っていただいたお礼、ホームパーティでご馳走をしてもらったお礼、そんなときにはやはり何か食や料理に通ずるものを贈りたいなと思う。

すでにさまざまなこだわりグッズを持っている一筋縄ではいかない食玄人には、シンプルかつ一癖あるものが良い気がする。
たとえば、そう塩甕。文字通り塩もしくは砂糖を入れる甕のことだ。

食玄人のキッチンには塩も砂糖もこだわりのお取り寄せの美味しいものがあったりするので袋に入っている場合が多い。だからそれを移し替えてそのままキッチンに並べて使ってもらえる、機能性とデザインそして物語を兼ね備えたものを。

岐阜県多治見市で約400年続く窯元の職人加藤さん。創業から400年以上経つ今でも機械操作に頼らず一点一点を丁寧に手作業で作っている。

機能性からくるシンプルで洗練されたデザインがどんな家のキッチンにもなじみ、料理の楽しさを格段に増幅してくれる。

道具としての使いやすさが徹底的に追求されていて、甕の入り口は広く指先をスムーズに入れられ塩を指で「つまむ」という行為がノンストレスで行える。
手が入るので甕の底の方までしっかり掬い取れる。細かいが毎日の料理に使う道具だからこそ小さなストレスがないことはとても大切。

そして加藤さんの塩甕は素焼きの状態のまま仕上げてあるので、土が湿気を吸い取りいつまでもサラサラの塩の状態が保たれる。
日本で生まれた道具だからこそ、日本の気候に最適化されているのだ。

“昔から台所にある日本ならではの知恵”も一緒に贈ることができるのが嬉しい。

“塩味”とはどんな料理にも必要なもので味の構成の礎となるもの。だからこそ塩の登場頻度は高いし、道具のなかでも塩が入っている器は毎日出番があると言っても過言ではない。
そんな毎日の道具を洗練されたものにしていくのは気持ちの良いことである気がしている。

飾らないけど、機能の良さこそが日々の暮らしのなかで大切なデザインなのかもしれない。
そんな裏コンセプトも持ちつつ、一癖あるギフト選びの選択肢のひとつにぜひ。

えんける道具店
WEB:https://enkel-mn.shop-pro.jp/