ファッションでもインテリアでも、“直感で選んだものが、自分にしっくりくる”。そんな感覚が心地よい時代に、ワインもまた「感性」で選べる時代になったようだ。 「Paradise Nature(パラダイス・ナチュール)」は、ナチュラルワイン専門のサブスクリプションサービス。白・赤・オレンジ、それぞれにキーワードを選ぶだけの診断で、好みに合ったワインを毎月届けてくれる。とはいえ驚かされるのは、その精度の高さ。ただ感性に寄り添うだけでなく、「味」まで見事に当ててくるから、ついニヤけてしまう。
サービスの入り口はシンプルな「ワイン診断」だ。毎月送ってほしいワインの本数、赤・白・オレンジなどワインの種類、価格帯を選ぶところからスタートし、それぞれのワインについて好みを設定していく。
たとえば白ワインなら「ミネラル感」「香り高い」「濃厚」、赤なら「軽やか」「グビグビ系」、オレンジなら「ドライ」「華やか」など、ワイン初心者でも直感的に選べる単語がずらりと並ぶ。
「知識がなくても大丈夫」というこの設計が、かえってその人の嗜好を素直に映し出す。直感で選んだタグが、いつものコーディネートやライフスタイルとリンクしているような感覚もあり、ちょっとした自己発見にもつながる。
診断の数日後、届いたのはおしゃれなイラスト入りの特製BOXに入った3本のワイン。白・赤・オレンジそれぞれが異なる産地・個性でセレクトされており、その佇まいからすでに美意識をくすぐられる。
赤ワインは、なんとハンガリー。ボトルを見て「ハンガリー?」と驚く。が、これが期待以上に軽やかで飲みやすく、華やかな香りも印象的。お店ではなかなか出会えない選択肢こそ、このサービスの醍醐味だろう。
ケークフランコシュという名のこの赤ワインは、赤と白の品種を1つのワインにブレンドしているワインだそう。それもあってか、赤ワイン的な熟成というよりは軽やかでグビグビ飲める感じなので、開けたその日のうちに飲みきりたいなという感想をもった。
飲んだことももちろん、名前も聞いたことがないのに、しっかり好みのワイン。視野も広がり楽しめるほど“あたり”なのは、細かなタグ設定のおかげのようだ。
白はフランス・ボジョレーのシャルドネ。樽のニュアンスが効いた厚みのある味わいに、ミネラルの余韻が心地よい。オレンジはポルトガルの濁り系。蜂蜜のような香りとドライな飲み口がクセになる。
どれも「直感で選んだワード」にぴたりとハマる味。ファッション感覚で選んだつもりが、味までぴったり。センスと味覚が交差する、うれしい誤算だった。
ナチュラルワインの魅力は、味だけにとどまらない。ラベル、造り手の哲学、佇まい、ストーリー。それらを含めて「このワイン、なんだかいい」と思わせてくれる力がある。
「Paradise Nature」から届くワインたちは、まさにその感覚を体現している。洗練されたデザイン、少しクセのある個性、けれど生活にすっとなじむやさしさ。まるでお気に入りのセレクトショップで、知らないブランドの服を試すような感覚に近い。
ワインを詳しく語れなくてもいい。ただ、「これ、好き」と言える一本が、暮らしのなかに加わっていく。そんな軽やかでパーソナルな体験が、「Paradise Nature」にはある。
情報にあふれた時代に、「選ぶ楽しさ」は、むしろ選択肢を絞ってくれる誰かがいてこそ生まれるのかもしれない。「Paradise Nature」は、直感を信じていいことを教えてくれる、限りなく今っぽいサービスだ。自分の中にある感性のセンサーに従って選んだタグの先には、まだ知らない“わたしのワイン”が待っている。
Paradise Nature
https://www.paradise-nature.wine/