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季節の移ろいを部屋に届ける。“枝もの”の定期便SiKiTO

季節の移ろいを部屋に届ける。“枝もの”の定期便SiKiTO

DATE:
2025.04.18

日々に忙殺されてつい見逃してしまいがちな、季節の美しき移ろいと機微。 毎月届く“枝もの”がそれを教えてくれるのが、サブスクサービスSiKiTO。 飾るだけで部屋の雰囲気を変えるインテリアの一部となり、毎日を過ごす家という空間に潤いを運んできてくれる…。そんな枝ものがある日常には一体どんな幸せが生まれるのか実際に体験してみた。

文:岡野ぴんこ

花ではなく枝ものを部屋に置くというちょうど良い選択

枝ものという言葉自体あまり聞かないという人もいるだろう。
でも最近、確かにSNSや素敵な暮らしのあの人が発信する部屋に、花ではなく細やかな葉っぱがついた枝がスタイリッシュかつ大胆にディスプレイされている…みたいなのは目にする機会が多くなったような気がする。
それこそが枝もの。花ではなく枝そのものを花瓶に飾り部屋に置き家の中を彩ることだ。
花より長持ちするし、お手入れもそんなに大変じゃない。
観葉植物ほど大げさじゃなく、気分や季節で違うものにチェンジ可能。

枝ぶりや花や葉が、山里からの季節を纏って部屋にやってきて家の雰囲気そのものを変えてくれる。置き場所や飾る花瓶によってイメージが変わっていくのも面白いところ。

そんなふうに“実はちょうど良い”のが枝ものなのだ。

始まりは花瓶から。隠れた需要が作った新サービス

なるほど枝ものを部屋に飾る、いいなやってみよう!と思っても、
意外と花屋さんには種類が少なく、しかも買ったところで1mほどの枝の束を抱えて帰宅ラッシュの電車に乗る…なんてちょっと現実的じゃないな、というのが実情。
SiKiTOはそれを解決してくれる、痒いところに手が届くサービスなのだ。

そもそもの始まりは枝ものの定期便、ではなく、なんと枝を部屋に飾るための専用花瓶「EDA VASE」というプロダクトの開発だった、というのはSiKiTOを運営する株式会社TRINUS代表佐藤真矢さんに伺ったお話。

「大手のフラワーショップと一緒に商品開発をしようという話があって、その中で枝ものに特化した枝ものを飾るためだけの花瓶って今世の中にないのでそれを作ろうか、という流れになりました」

販売してみると反響が大きくあっという間に売り切れ。そして購入した人からの話を聞いてみると、いざ飾ろうと枝を探しても花屋さんでは思った以上に選択肢が少ない、持ち帰るのが結構大変…などの声が。プロダクトをデザインした事によってそこに潜在していた新たな需要が見えてきて今の「枝もの定期便」というサービスが生まれた。

「毎月季節を感じられるものが届くサービスにしたら素敵かなという構想があったので、定期便にするアイディアは始めからありました」

新しい花瓶から見えてきたニーズから始まったという、ちょっと意外なSiKiTO誕生秘話だ。

部屋の雰囲気を大きく変える枝ものの存在感

春の始まりに届いた第一便は…ドキドキワクワクしながら箱を開けると溢れるほどについた小さな桜の蕾。…啓翁桜だ!

縦長の段ボールに入った枝は葉や蕾が傷付かぬよう、そして水もこぼれないように丁寧に梱包されている。お手入れ方法や今回届いた花の詳細が書かれた紙、生産地の話などが載ったリーフレットも同封されている。

そして届いた箱も、片付けるとき折り易いところがマークされていて、実は大きな荷物が届く時にはこういう細やかな気遣いが嬉しいしありがたい。

私がオーダーしたのは100cmの枝が月に2回届くコース。
花瓶に移して、部屋のメインピースにしようとダイニングテーブルに置いてみると…
高さが出てかなりの迫力。良い感じ。
まさに部屋の中心的なムードメーカーに。不思議と、こんな素敵な桜の枝が届くと人を呼んで部屋でお花見もいいな、美味しい物を用意して…と楽しい妄想が止まらなくなるのだ。

数日で蕾が見事に満開になった桜の枝を、その日の気分によって置き場所を変えてみたりすると光の当たり方や高さが変化してまた違った表情を見せてくれる。その度にいつもの自分の家がなんだか新鮮に見えて気分がリフレッシュする。

佐藤さん曰く、
「切り枝なので長持ちはするんですが、観葉植物のように日の光を必要としないので、窓のない部屋や洗面周りに置くことも出来るのが良いところ。置き場所を自由に考えて家を彩ることが出来ます」
枝ものならではの楽しみ方は無限大、ということだ。

日本らしい季節の移ろいが毎日を少し豊かに

2週間に一回、箱が届くと開ける瞬間は本当に心が躍る。
今回はどんなものが届いたのかな、次はどんな雰囲気でどうやって飾ろうか。
大人になってなんとなく忘れかけていたサプライズプレゼントを開ける瞬間のような気持ち。
そんな、箱を開ける瞬間の高揚感もサブスクが暮らしを豊かにしてくれる理由の1つなのかも。

そして枝が運んできてくれる、季節ごとの空気感。
忙しい日々の中で都会に住んでいるとつい見逃してしまいがちな小さく、でも確実な季節の移り変わり。家の中に静かに美しく佇む枝が、毎日それをそっとリマインドさせてくれるような気がする。なんとなく外を歩く時も蕾が開いたことに気付いたり、新芽を発見したり普段より顔をあげ深呼吸している自分がいるのだ。

枝ものを毎月部屋に飾ろう、という小さな決断が想像以上に自分と自分を取り巻く日常を大きく変えてくれる、そんな気がする。


佐藤真矢さんのインタビューはHarumari TOKYOのPodcast番組「人間観察記」の中でさらに詳しく聞くことが出来ます!
サービスの誕生秘話から生産地と繋がって始まっている新しい取り組み、これからの展望など興味深いお話がたくさん、ぜひそちらもあわせてお楽しみください。
https://harumari.tokyo/78188/

SiKiTO
https://sikito.com/