VOL.10 【後編】銀座で開催中のTOKYO ART BOOK FAIR: Ginza Editionでアーティストの感性に触れた

銀座ソニーパークで行われている「TOKYO ART BOOK FAIR」。展示された１冊、１冊にはアーティストたちの思いがこもっており、手に取るとエネルギーが伝わってきて感性が揺さぶられた。そんな熱気たっぷりの会場の様子をお届け。

作り手と語らう時間を楽しむアートブック散歩へ

【EXHIBITION】のアーチ出口を抜けると広がる【Exhibitor Booth】は週末にのみ現れる、アートブックの作り手と来場者が直接コミュニケーションを取れるこのイベントの醍醐味のような場所。

B2~B3フロアまで週末毎に25~30組の出版社、ギャラリー、書店、アーティストなどの個性豊かな出展者が入れ替わり、会期中、合計約150組もの作り手たちが参加するとか！今回出会いのあったブースを一部ご紹介する。

アート写真集専門の出版社『SUPER LABO』は約7割の売り上げが海外だといい、デザイン性と品質の高さに世界中に幅広いファンが存在。

プロジェクトには国内のみならず、海外の著名な写真家も多く参加しているのだとか。代表のホウキヤスノリさんの穏やかな人柄に触れるとさらに本も魅力的に映るから不思議。

「今度、新しいイベントスペースを始めるから、そこも面白い展示をやるよ」と、新しい情報に興味津々。

こちらは『ダイトカイ／DAITOKAI BOOKS』さん。出版と呑み屋、アパレル、ギャラリーなど多岐にわたる活動を通して、そこに行き交う人々や事象とミックスして生まれる新たなTOKYOを発信している。

呑み屋で出会った飲み仲間と共著したのが今回ブースで見られる写真集。どれも洗練されている衣装スタイリングを行うのも飲み仲間であるスタイリストというのもなんだか自由で面白い！

ブースに飾られたカレンダーのような作品が目を引く『OFF THE BALL by LIKTEN.LLC』は元々文化誌「LIKTEN」を作っていた出版社。

ディレクターの小田明志さんが学生時代サッカーが好きで、サッカー雑誌「OFF THE BALL」を創刊。そこから生まれたのが1チームに見立てられた11人のアーティストがサッカーをテーマに制作したカレンダータイプの作品というわけ。

めくって見せてもらうとアーティストのコムアイさんがモデルとして登場？！なんでも小田さんがコムアイさんと同じ大学に通っていたのだとか。思わぬお宝作品と巡りあえてテンションも自然と上がる。

地下3Fにも個性豊かな出展ブースが続く

階段を下った先にも展示ブースが広がっていた。

本だけでなく、手作りのアート小物も発見。ほっこりした作品に思わず微笑んでしまう。アートというと、ファッショナブルでちょっと気取ったイメージだったが、作品に込められた想いや情熱に触れると見え方が変わってくるから不思議だ。

さらに奥に行くと、B２で開催中のEXHIBITION関連品がお出迎え。EXHIBITIONの展示も週ごとに入れかわるそうだ。

会場に現れるふたつのトラックにも注目！

B3フロアまでブースを堪能したらちょっとここで小休止。【CURRY TRUCK】でカレーをいただくのはいかがだろう？期間中「Art Book × Curry」をテーマに10店舗以上のカレー屋が日替わりで出店予定。カレーをいただきながらこれまでのアートブックとの出会いに思いを巡らせるのも良い。

さらに地上階には【MOBILE BOOKSTORE】も毎週末登場。カレーでパワーをチャージしたらこのテンションのまま、移動式書店、さらには銀座周辺のギャラリーや書店を散策するのも悪くなさそうだ。
（たまたまこの日は、前記事で取材させていただいた、BOOK TRUCKさんが出店中！）

公園を散歩するように、ふらっと訪れたはずなのに、いつの間にかどっぷりとアートブックの世界に浸っている。「TOKYO ART BOOK FAIR:Ginza Edition」はそんな新しい自分と出会うことができる密度の濃い散歩時間を過ごすのにベストなスポットといえそうだ。

ART BOOK FAIRは4/7(日曜)まで。ぜひ一度訪れてみてはいかがだろうか。

写真_河野優太 モデル_大木亜希子(Twitter) 文_森田文菜