この春、ローソンの新作スイーツが多くのファンを驚かせている。見た目もかわいくって、ちょうどいい小ぶりサイズで、もちろんおいしい。スイーツ担当者がヨーロッパ視察に挑んで、たどり着いた新しい味とは?
「わぁ、おいしーい」
モデル・小林涼子さんの弾んだ声が、ローソンのイートインコーナーに響いた。大きな瞳をキラキラさせてスプーンで口に運んでいたのは、3月26日に発売された「バスチー バスク風チーズケーキ」(税込215円)だ。
「バスチー」とは、ヨーロッパのバスク地方で広く食されているチーズケーキのこと。最近、スイーツ専門店で人気を集めているが、コンビニでは初登場。トレンドメニューが手軽に買えるようになったわけだから、うれしくないわけがない。
ローソン発の「バスチー」は、女性スイーツ担当者が視察のためにヨーロッパを訪れた際、出会ったチーズケーキを参考にして作り上げたものだそう。
クオリティーの高さは、ひと口食べればすくにわかる。
レアでもベイクドでもない新食感のチーズケーキだ。ちょっぴり苦みの利いたカラメルの焦げ目と一緒に口に入れれば、一層味に深みが加わる。コーヒーにも紅茶にも、いや、ワインにも合いそう。実際にヨーロッパでは、バスチーといったスイーツがバーで楽しまれていることは多いのだとか。
開発秘話を紐解くと、難しかったのはやはり「レアでもベイクドでもない食感」だったそう。
北海道産の生クリームとクリームチーズ、そして牛乳を使い、どうすればあのなめらかな食感を実現できるか――試行錯誤の末、チーズケーキの焼き温度を「上火」と「下火」で変えることで、中のクリーミーな食感と表面のカラメルの香ばしさを表現したという。大量生産のコンビニスイーツとは思えない、相当な手間暇だ。
そもそもローソンは、スイーツづくりに定評がある。簡単にローソンのスイーツ史をたどってみると、大きな転機は2009年に起きた。
それまでコンビニ全体の客層が男性メインだっため「デザート=ボリューム」というのがヒット商品を生みだす図式だった。
しかし世の中、変化する。たとえば職場のダイバーシティで、オンタイムもオフタイムも頑張る女性がどんどん増えていったのはご存知のとおり。そんな変化をキャッチして、ローソンは女性も手を伸ばしたくなる本格的なスイーツを作ろうと動き出した。
結果、2009年に誕生したのが生乳を使用した純生クリームのウチカフェスイーツ「プレミアムロールケーキ」だ。
今やシリーズ累計販売数3億6000万個以上のロングセラーとして名高いが、当時は「ロールケーキをスプーンで食べるの?!」と、衝撃を受けた人が多かった。また「ウチカフェ」なんて、かわいいブランドの登場に、一気にコンビニスイーツのステータスがぐぐっと上がったのを覚えている。もちろん、女性のコンビニスイーツファンは急増し、女性にひっぱられるように「スイーツ男子」も一層増えた。
以降の「ウチカフェ」人気は、読者も知っているだろう。
そして17年からはGODIVA社とのコラボもスタート。一品一品、良質な原材料や製法にこだわるスイーツは今、売り場に約40アイテムが並ぶ“ローソンの顔”になっている。
そんな歴史をおさらいすれば、斬新な「バスチー」のヒットも納得だ。
「バスチー」だけじゃない。同時に発売した「ザクシュー ザクザクチョコシュー」(195円)も売れている。
こちらはザラメ入りのクッキーパイシュー生地の表面をチョコレートでコーティングし、そのうえアーモンドダイスまで乗っけた、まさに「ザクザク食感」が楽しいシュークリーム。チョコ好きはたまらない。
と、バスチーもザクシューも、作り手のチャレンジ精神の賜物だったことがおわかりになっただろうか。作り手・売り手、たくさんの人の想いが詰まったスイーツだから、ひと口めからテンションがあがる。
日差しを浴びてちょっと疲れた時にこそ、ホッと一息つくドリンクと一緒にほおばりたい。
吉岡秀子=取材・文
玉井俊行=写真
エリア: | 東京 / その他 |
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