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2019.11.20

大人の“好き”が詰まった公園のような空間。中目黒「the GARDEN」

the GARDEN(ザ ガーデン)

本格イタリアン、カフェ、名著、ボタニカルアイテム、ナチュールワイン、一点物の雑貨……。そんな、大人の楽しみが集まった『the GARDEN』。広い公園にお気に入りの遊具があるように、ここで自分の好きな場所を見つけよう。

中目黒駅から歩いて6分。昔ながらの個人店が軒を連ねる目黒商店街に、観葉植物で囲まれたユニークなエントランスが一際目を引く店がある。2019年9月にオープンした『the GARDEN(ザ・ガーデン)』は、リストランテ、トラットリア、ワインショップ、グリーンショップ、本屋、雑貨店の6つの機能を備えた複合施設だ。

緑のゲートの間を進むと、アプローチから店内まで一面に、白い石畳調の床が続く。白木で統一されたテーブル・チェアや店内のアクセントにもグリーンが飾られ、ところどころは砂利敷きに。確かに今、扉から建物の中に入ってきたはずなのに、不思議とまだ太陽の下のテラス席にいるような気持ちよさだ。

1階のメインは、ランチやディナー、カフェタイムまでクラシックなイタリア郷土料理がカジュアルに楽しめるトラットリア「the GARDEN」。四谷三丁目の完全紹介制のワインバー「HIBANA(ヒバナ)」が手がけるワインショップ兼セラーから好きなナチュールワインを選び、食事と一緒に楽しめるというシステムがおもしろい(販売価格+2,000円/本)。店の奥の階段は、表からまったく見えない完全予約制の隠れ家リストランテ「ristorante scintilla(シンティッラ)」へと続いている。

軒先のグリーンを含め、センスあふれる植物を扱うのは、京都の無店舗型花屋「MAESTRO(マエストロ)」が運営するグリーンショップ「quartetto(カルテット)」。

壁一面は、「BACH(バッハ)」こと、ブックディレクターの幅允孝(はば よしたか)氏がセレクトした本を販売するスペース「書房 石」になっており、「発酵」「芸術」「イタリア人作家」など、この場所にちなんだ34のテーマに添った本が並ぶ。優に厚さ2、3センチほどはある、骨太でマニアックだが一生モノになり得る本が多いのが特徴だ。

なかなかにユニークな構造のthe GARDEN。なぜこのようなスタイルになったのだろう?

「イメージしたのは、グリーンであふれた公園です。公園に行くと、ブランコや滑り台のような自分のお気に入りの遊具があって、でもときどき違う遊具で遊んでみたり、散歩や日向ぼっこをしたり、目的のものもそうじゃないものも自由に楽しむでしょ? そんな風にひとつの空間で、自分の好きな場所を見つけて楽しみながら、ちょっと飽きたら他のもので気分転換する。そうしてそれぞれの魅力をより感じてもらえたら」。オーナーの大久保さんはそう話す。

大久保さんイチオシの「大仙鶏の温かいガランティーヌ」。ディナーで楽しめる。

例えばオーダーした料理を待っている間に、本を手に取ってみる。お気に入りのワインを買いに来たけど、部屋に飾るグリーンや作家手作りの食器も見ていこう。カフェに来てみたら、地下の隠れ家リストランテを見つけたから週末の予約をして帰ろう、という具合だ。

それぞれの場所を手がけるのは、自分の仕事に誇りと愛情を持つプロばかり。「食事、カフェ、ワイン、緑、本、雑貨……。好きなことに本気で取り組んでいるひとのものを集めたら、大人のための魅力的な場所になるのではないかと思って」(大久保さん)。

ここには、洗練された大人が楽しみが集まっている。

「シェフ特製具沢山パニーノ」には、その名の通り、フレッシュな野菜と生ハム、たまご、ツナと具だくさん!

中でも、オーナー自身も絶対的な信頼を寄せる、武笠裕一(むかさ ゆういち)シェフが作るイタリア料理は、舌の肥えた中目黒の住人たちを虜にし始めている。選べるパスタとパニーノのランチ、ディナーには前菜からメインまで丹精込めて作られるアラカルト、カフェでは自家製のティラミスやカスタードプリンが味わえ、早くも夫婦や友人同士で常連になっている年配客も少なくないのだとか。

「ぜひ、一箇所だけではなく店の中を歩き回って楽しんでほしいです」と、大久保さん。庭や公園のように気ままに訪れ、自分の好きな場所を選んで楽しむことができる大人のための公園的空間、the GARDEN。ときどき気分転換に別の遊び場をのぞいてみれば、新しい出会いやお気に入りの場所の違った魅力を発見できるだろう。

 

取材・文 : RIN