丸いものが好きなんです。「角が取れてる」って、いいじゃないですか。洗練されているとも言えます。それから、甘党なんです。甘いものはすべての人を幸せにすると信じているんです。だから、大切な人のちょっとしたハレの日には、ブボ・バルセロナの「XABINA(シャビーナ)」を持って行きたい。
文:島崎昭光
ブボ・バルセロナは、2017年から青山・表参道にお店を構えるスペイン発のパティスリーなんですね。来日当時は、スイーツ界のみならず、一部、ビジネスやプライベートで「ちょっとした変化球」を欲している手土産界隈で大反響を起こしたものです。別に行列が出来たってわけじゃないんですが。で、そのブボの代表作が「XABINA(シャビーナ)」。世界的な技術コンクール「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー(Coupe du Monde de la Pâtisserie)」で世界一の称号を得た名作中の名作なんです。
で、丸いんです。今となっては、この小さな丸いフォルムのケーキはよくみますが、私が2015年頃スペイン出張の際に、このブボ、現地でみて衝撃を受けたんですね。丸い!丸すぎる!!と。
しかも丸さのクオリティがハンパないんです。その完璧な円形は、艶めかしくも奥深い輝きを放つチョコレートでコーティングされて、上部には、愛らしくチョコレートマカロンとbubóと印字されたチョコプレートが段積みされているんですが、この二重三重の‟圧倒的な円”の造形美たること!!すごくないですか、だって上から見ても横から見ても美しいんですから!
そんなブボが、2025年の今も、表参道に燦然と輝くショーケースを構えているのは、ほんと、長く生きててよかったなと思っています。私も丸くなりました。シャビーナはいつだって丸い。
そして、味。
一見、こってり、重めのイメージだけど、スプーンひと差しの弾力、さらに一口含んだときのなめらかな舌触りは、衝撃もののソフト感。ポイントはバニラシロップに浸されたスポンジ生地とさわやかなチョコレートムースのバランスの良さ、そして隠し味とも言えるケーキ生地に含まれるオリーブオイルの芳醇な香りなんだと思います。いやはや、複雑かつ繊細なその味は、唯一無二の存在感!そして丸い!
そんなシャビーナは、ビジネスの、あるいはプライベートの甘党かつハイセンスな男女の手土産にヘビロテしています。手土産というか、“おもたせ”。お渡ししてその場で私も一緒に食べることありきの設定ですが。
ちなみに、シャビーナとは、スペイン本店の女性の店員の名前が由来なのだそう。え? そうなの……。天才パティシエのカルレス・マンペルのイマジネーションに感服しつつ、今日も丸いのをひとつ、お持ちします。
bubo BARCELONA 表参道店
東京都渋谷区神宮前5-6-5 Path表参道 B棟
https://bubojapan.com/