ホームパーティーや女子会など、気兼ねない友人の自宅に招かれた時のおもたせほど、選ぶのが楽しいギフトはない。なんたって、「自分が好きだから」を前面に押し出して選べるからだ。条件はホストの料理を邪魔せず、他のゲストと被らないこと。その上で私自身が美味しいと思う品をさりげなく渡したい。今回は、いつでもどんなシーンでも心からおすすめできる、とっておきを紹介する。
文:白石亜希子(Harumari TOKYO)
自由が丘駅から田園調布駅へ向かう、ほぼ中間地点。学園通りをまっすぐ歩いた先に、突如多幸感あふれる森が現れる。グルメな人なら知らぬ人はいない名店「パテ屋」である。
絵本の世界に迷い込んだような、雰囲気ある一軒家。「パテ屋」は、もともと建築家だった店主の林のり子さんが1973年にご自宅の一角で創業した惣菜店だ。幼少期を田舎で過ごし、建築家として渡欧した経験を持つ林さん。ご自身のお子さんの離乳食として作ったレバーパテが評判を呼び、オープンしたという。
今回、私が「パテ屋」を訪れたのは、折しも2024年最後の営業日であった12月25日。通常であれば、店頭にはレバーパテやポークリエット、パテ・ド・カンパーニュなど、10種類以上のパテや惣菜がずらりと並んでいるが、この日はSNSで売り切れを知らせる通知が続いており、祈るような気持ちで扉を開けた。
看板メニューのレバーパテは残念ながら買えなかったものの、それでも、大好物のクリームチーズペースト、フーマス、牡蠣のペースト、いかのすみ煮を購入。いずれもクラッカーや薄く切ったフランスパンなどに乗せるだけで、幸せなワインのお供が完成する絶品だ。
中でも、ブルーチーズとハーブがブレンドされたクリームチーズペーストは、レバーパテかフーマスとダブルでとトッピングするのが私的至福。ぜひ、それぞれをたーーっぷりと乗せた、贅沢な口福感を味わってみてほしい。
50gまたは100g単位で購入できるので、集まるメンバーの人数や好み、ついでに自分の分も……と選びやすいのもポイントだ。
お呼ばれがあったら、迷わず「パテ屋」へ。店主の林さんやテキパキと働くスタッフの皆さんとちょっとした会話を交わすだけでもここへ来てよかった、また来ようと思えるだろう。「本当に美味しいから」と胸を張って勧めながら、自分自身も美味しさを享受できる最高の手土産と出会える場所だ。
パテ屋
東京都世田谷区玉川田園調布2-12-6
TEL:03-3722-1727
営業時間: 11:00〜18:00
定休日:日、月、火曜日
WEB: https://pateya.com/
Instagram: https://www.instagram.com/nori_pateya/