VOL.2 「蔦屋書店コンシェルジュは中目黒にまっすぐ」西田梨穂／CCCデザインカンパニー

中目黒駅前に蔦屋書店ができてもうすぐ3年。西田梨穂さんはその1年以上前から開業プロジェクトに参加し、中目黒の街を徹底リサーチする日々を送ってきた。そんな彼女にとって中目黒で過ごす好きなme TIMEとは？

改札を出ると目の前に鎮座する「中目黒 蔦屋書店」。立地もさることながら、その存在はもはや中目黒の新しいランドマークと言っていい。

CCCデザインカンパニー/中目黒 蔦屋書店で働く西田梨穂さんに話を聞いた。

お仕事内容は？

「店頭で販売する書籍や雑貨のセレクト、イベントやコーナー展開などを手掛けています。蔦屋書店では、店舗毎にコンセプトや客層も様々。中目黒独自の展開をしていくこと、他店との差別化を狙って、中目黒のお客様によろこんでいただけるような催事の企画や書籍のラインナップを決めていくのは大変。ですが、その分やりがいは大きいですね」。よりよい企画をやりたい。その一心で展示会にも足を運び、SNS やWEBでもいつでも情報を収集する。

「休みの日も、気付いたらそういう視点でいろんなものを見ていますね。買い物に出掛けても、ディスプレイが気になって仕方ないんです」そう笑いながら語る西田さんの目はいつもキラキラしている。

そんな西田さんに1日のタイムスケジュールを描いてもらった。

蔦屋書店は営業時間が長いため、西田さんの勤務は主に15時から24時の閉店にかけて。閉店後の展示入れ替えなどの日はイレギュラーな勤務もあるが、基本的には以下のようである。

「まず出勤したら、売り場を一周してチェックします。売り場も、お客様も、スタッフも。」

目で見て、感じたことを大切にしている。

同じ敷地内にある事務所で作業や企画、資料制作などをしているのがメインだが、時間によっては店頭で接客等も行うという。

彼女の「隙間時間」は出勤前や休憩中。

「何かあったらすぐに店頭に駆けつけられるよう、休憩時間もあまり長い事敷地内から離れる事はないですね」との事で、休憩中に食べる晩御飯はもっぱら近所でクイックに食べられるもの。

「お気に入りはやっぱり、 ①クルンサイアム のタイ料理のテイクアウトや ②トロケの台所 のトマトラーメン。本当にすっごく美味しいんですよ！」

両方とも中目黒ワーカーにオススメのご飯屋さんを聞くと必ず名が挙がる名店だ。

西田さんは現在入社3年目だが、内定をもらってすぐに中目黒 蔦屋書店の開業プロジェクトに参加した。徹底的に中目黒をリサーチし、どんな場所が求められているのか、どんな場所が中目黒に足りないのか。カフェもありとあらゆる場所に行った。実は、中目黒という街を知り尽くし、考え尽くしていると言っても過言ではない。

開業前リサーチの中で「中目黒は待ち合わせする場所がない。自分たちは、待ち合わせできる場所にならなければ」と気付いた。そして3年経った今、中目黒駅の待ち合わせのスタンダードは蔦屋書店になっている。

よりよい書店へ。よりよい居心地の場所へ。答えはやはり中目黒の街と人にある。開業前のリサーチを経て、彼女が「仕事モード」の延長で過ごせる時間に使っている場所が３つある。

まずは、自店でもある　③スターバックスコーヒー 中目黒 蔦屋書店。ここで休憩や作業をしながらも「お客さま」になりきって、職場を客観視する。実際に客席に座って感じて初めて、見えることがある。

そして、作業が煮詰まっている時や、切り替えたい時、少し職場を離れて集中したい時のオススメは ④中目黒LOUNGE と ⑤FRAMES 。中目黒のカフェを象徴する２店でもあり、中目黒らしいお客さんが集まり、客のリサーチにも役立つ。さらに両店ともにwifiが安定していて電源も使えることに加え、夜遅くまでやっているため、西田さんの強い味方。限られた時間の外出は、西田さんの目的に合致した「精鋭」の店のようだ。

お客さまの立場になることで、気づきを得る。それは膨大なフィールドワークの中で彼女が手にした「武器」。

彼女の「中目黒愛」は「蔦屋書店愛」であり、大好きな中目黒のランドマークを進化させ続けるために、今日も西田さんは中目黒をまっすぐに見つめている。

西田さん推薦のお店
①クルンサイアム
②トロケの台所
③STARBUCKS COFFEE 中目黒 蔦屋書店
④中目黒LOUNGE
⑤FRAMES

撮影:きくちよしみ