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「おいしいコーヒーとともに、ワンランク上の自分へ」PostCoffeeが提案する理想のライフスタイル

「おいしいコーヒーとともに、ワンランク上の自分へ」PostCoffeeが提案する理想のライフスタイル

コーヒーを飲む時間とは、どんな時間だろう。朝起きたとき、仕事の合間の一服、おやつの時間……。そのシーンは人それぞれだろうが、家にコーヒーを定期的に届けるサブスクリプションサービス「PostCoffee」を運営する下村領さんは、コーヒーを飲むことにより「自分と向き合う時間を作り、研ぎ澄まされた感性を高めてほしい」と話す。下村さんが「PostCoffee」に込めた想いとは、一体どのようなものなのだろうか。

市場拡大が進むも、おいしいコーヒーを知っている日本人は8%という現状

もともとデザインとシステム開発の会社を運営する傍ら渋谷でコーヒーショップを営んでいたという下村さん。そのコーヒーショップを運営する中で下村さんは日本人が直面するコーヒーの課題に気づいたことで、「PostCoffee」の構想が生まれた。

「日本には、おいしいコーヒーを飲める環境がすごく少ないんです。これは、日本スペシャルティコーヒー協会が出している調査でも実証されていて、日本に輸入されているスペシャルティコーヒーはコーヒー全体の輸入量のわずか8%のみといわれています。さらに、コーヒーが好きな人は増えているものの、無数にあるコーヒー豆の中から自分の好みのコーヒーを理解している人はほどんどいません。だから、自分自身が携わってきた領域と掛け合わせて、日本にスペシャルティコーヒー、本当においしいコーヒーを広めたいと思いました」

コーヒー本来の味ではなく、嗜好性を科学。好みのコーヒーを届けられる理由

「結局ね、味を科学して1杯4,000円の希少なコーヒーを提供したところで、飲む人の好みに合わなかったら“おいしいコーヒー”とは言えないんです」

サービスをリリースする際、コーヒーのおいしさではなく、消費者の嗜好性を科学することにフォーカスを当てた「コーヒー診断」を始めた理由を、下村さんはそう語ってくれた。

この思惑がコーヒー愛好家たちを中心にヒット。β版のリリース時点で5000人以上の登録者数を有し、「コーヒーって苦いだけだと思っていたのに」との声や、「やっとおいしいコーヒーに出会えた」などの声を集めたという。

このコーヒー診断、不思議なことにコーヒーに関する質問はほとんどない。それよりもコーヒー以外の嗜好性、例えば朝ごはんやチョコレートなどに関する質問が多く、それらに答えているうちに、自分の好みのコーヒーが割り出されるのだ。

クリティカルな質問をしているわけではないのに、嗜好性を導き出せる秘密を下村さんは次のように語る。

「β版の時点でかなりのデータ収集はしました。しかし、それだけには留まらず、AIによる学習機能を搭載することでより正確な診断になるようにしているのです。また、PostCoffeeの運営をしている中心メンバーのほとんどはバリスタ歴3年以上。サービスを利用された方から送られてくるフィードバックを検証しながら、その精度をどんどん高めています」

精度はたしかな一方で、コアなファンだけでなくマスに届けるため、スペシャルティコーヒーを日本に広めるという使命を実現するための、工夫もしているそう。

「そもそもコーヒー診断を始めたのは、どんなコーヒーが好みなのかということをきっかけにスペシャルティコーヒーやPostCoffeeに興味を持ってほしかったからなんです。ですから、コーヒーに詳しくない人を遠ざけるような質問をするのは違うと感じました。たしかに、PostCoffeeを通じてコーヒーの基礎を知ってもらえたらうれしいとは思っています。しかし、あまりにも専門的な用語が並んでしまうと、敷居の高さを感じてしまって当然。“気づいたら”コーヒーに詳しくなっていたという状況を作り出せるようにしたいと考えています。だから、毎月お届けしている冊子でも、あえてコーヒーの専門的すぎる話や豆知識は取り上げず、身近に感じてもらえるコンテンツにしているのです」

「PostCoffeeを飲んでいる」ことでワンランク上のライフスタイルを

街を歩けばコーヒーチェーンや喫茶店が目につき、自販機やコンビニでもコーヒーを手に入れられる、いわばコーヒーの楽しみ方が多様化している。その消費量は1980年代の1.5倍になっていると言われている。そんな時代の中で、“家でコーヒーを淹れる”というのは少し敷居の高さを感じる。それでも“家でコーヒーを淹れる”ことにこだわったのはなぜだろうか。

「僕自身、もともと缶コーヒーばかり飲む、自称コーヒー好きだったんです。それで、同じようにコーヒーを淹れることに敷居の高さを感じていたのですが、実際にやってみるとお湯とマグさえあればどうにかなるので、めちゃくちゃ楽だなと思ったんですよ。缶を捨てるほうが面倒なくらい。要するに、ハンドドリップの敷居の高さって思い込みがほとんどだと思うんです。正直、コーヒーのおいしさは豆選びの段階でほとんど決まっているので、淹れ方にはそこまで神経質になる必要はありません。初回の利用者さまに、ドリッパーとフィルターをあわせてお送りしているのは、その気軽さを体感してほしいとの想いも込めています」

また、「PostCoffee」を通じて、利用者に感じてほしい想いを次のように語ってくれた。

「せわしない毎日の中で、コーヒーを淹れる時間は、自分と向き合う時間になると思います。そんな余裕のある時間をたまに作るだけで、コーヒーとの距離はぐっと近くなると思うのです。あと、人とは違った“おいしいコーヒー”を飲んでいる自分、ちょっとだけ余裕のある時間を作り出せる自分って自覚するだけで、気分が上がりませんか? PostCoffeeはおいしいコーヒーを通して、利用者さまの毎日をほんの少しだけ豊かにできたらなと思っています」

「余裕のある時間を過ごしたい」と思っていても、すぐに習慣化することは難しい。しかし“コーヒーを淹れる”時間を設けたとしたら、ゆっくりと自分と向き合う時間、立ち止まる時間がほんの少しだけでも生み出せる。それも、周りの友達は知らない“おいしいコーヒー”のおかげで。「PostCoffee」は私たちのライフスタイルに、いつもよりもちょっといい瞬間を届けてくれるサービスなのだ。

 

取材・文:於ありさ
撮影:田中信也

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