HOME NEW TRENDS 二度と行けないあの店の話。『Neverland Diner』で100人の追憶に触れる
二度と行けないあの店の話。『Neverland Diner』で100人の追憶に触れる

二度と行けないあの店の話。『Neverland Diner』で100人の追憶に触れる

食べたいのに食べられないものほど、食欲をそそられるものはない。行きたくても行けない、場所がわからない、などもう二度と訪れることができない思い出の店について、人気芸人、アイドル、作家、ミュージシャン、映画監督、芸術家、マンガ家など、さまざまな職業の総勢100名が追憶を執筆。それをまとめたのが、640ページにも及ぶ大ボリュームのグルメガイド『Neverland Diner』だ。悲喜こもごものエピソードを読んで、自分の記憶も掘り下げてみたら忘れていたあの味が恋しくなるかもしれない。

記憶に残るあの店に思いを馳せて

行きつけの店が閉店してしまったこと。旅先でふらりと入った店の場所がわからなくなったこと。そんな「二度と行けないあの店」の存在が、きっと誰にでもあるのではないだろうか。
個人的に「星5つ」に輝く名店、だけどもう食べられないあの味について、総勢100名が綴る追憶のグルメガイドがこの本『Neverland Diner』だ。二度と行けない理由は、連れて行ってもらった、たまたま見つけた、なくなってしまったなどさまざま。クスッと笑える話から、うるっとくる話まで、十人十色の人生劇場がぎゅっと凝縮されている。

製作したのは、編集者兼写真家の都築響一。100名の執筆陣は、歌人の俵万智、漫画家のコナリミサト、ミュージシャンの小宮山雄飛、フードエッセイストの平野紗季子など、幅広いジャンルで活躍する、錚々たる方々だ。
この本を読んでも、載っている店に行けるわけではない。それでも、誰かの大切な思い出に触れた時、どうしようもなく心揺さぶられることが確かにある。そもそもこの本が出版されるに至った理由は、飲食業界が窮地に立たされている今、いつ “大好きな店”が、“二度と行けない店”になってしまってもおかしくない、という都築さんの思いから。そういった気持ちで読めば、100人のエピソードがより琴線に触れることだろう。それと同時に自分自身、記憶の底に沈んでいた大切な思い出が掘り起こされる、なんてこともあるかもしれない。