毎日を充実させる東京のトレンド情報をお届け!
Harumari TOKYOのLINEをチェック

詳しくは
こちら

HOME SPECIAL 今日を愉しむモノゴト集め Harumari TOKYO的大阪・関西万博——現地でアガる、5つの楽しみ方
Harumari TOKYO的大阪・関西万博——現地でアガる、5つの楽しみ方

VOL.152 Harumari TOKYO的大阪・関西万博——現地でアガる、5つの楽しみ方

未来の暮らしや社会を、実際に“体験”できる場として開催される2025年大阪・関西万博。 テーマパークのような派手さはないけれど、想像以上に「行って体験してこそわかる」ことが多い。会場に広がる空間、アート、建築、そして未来の技術や人との出会い。それらが混ざり合うと、ただの“社会派イベント”とは違う魅力が見えてくる。 ここでは、Harumari TOKYOの視点から、「行ってみたくなる5つの瞬間」を紹介する。

文:稲垣美緒(Harumari TOKYO)

建築めぐりが面白すぎる——空間そのものが目玉

会場に着いてまず目を引くのが、藤本壮介の建築による「大屋根リング」。会場中央をぐるっと囲んでおり、世界最大級の木造建築とあって、近づけばその圧倒的な存在感に感動するだろう。また上部には上がることができ、少し高い位置からパビリオン群を見渡せる歩道になっている。1周2キロあるが、ここを歩いて気になる建物を見つけたら、その近くで降りて足を運ぶ、そんな動き方もできる。

会場内を歩いていると、「あれはどこのパビリオンだろう?」と気になる建物がたくさん。中に入らないで眺めているだけでも楽しい。建物の形や素材、空気感まで、それぞれに強いメッセージが込められている。

異国に迷い込んだような空間が広がるサウジアラビア館内部

海外パビリオンにも、建築的な面白さが詰まっている。伝統的な装飾を現代的に解釈したデザインや、素材使いにこだわった構造など、見て歩くだけでもそれぞれの国の空気を感じることができる。

展示手法と建築がうまく融合しているドイツ館

中には、建物そのものが展示の一部として機能しているような場所もある。建築を通して、その国や団体がどんな内容の展示なのか、またはどんな国なのかを想像してみるのも、万博の楽しみ方のひとつ。

意外と人間っぽい。未来の暮らしを想像する

展示を見てまわる中で、あちこちに“未来の暮らし”を感じられるヒントがある。特に、国内企業によるブースでは、私たちの生活にどんな変化が訪れるのかが、リアルな視点で描かれている。たとえば、家庭内に溶け込むAIのアシスタントや、ロボットとの協働が当たり前になった暮らし。見ていると、未来というより「もうすぐそこ」まで来ている現実に気づかされる。

PASONA館の展示では、iPS細胞から作られた鼓動する心臓が紹介されていて、技術の進化に驚かされる。これが実用化されれば、医療面の発展に大きく寄与するんだな、とリアルに感じられるのだ。

冷たい印象になりがちなテクノロジーも、この会場ではむしろ“人らしさ”を支えるものとして語られている。

空飛ぶクルマの展示は“乗れるわけではない”けれど、映像や模型を通してその未来像を垣間見ることができる。自分の生活に置き換えながら想像してみると、展示がぐっと身近に感じられるだろう。

「ミャク活」ブーム到来。まさかの人気者になった公式キャラ

登場時は少し物議を醸した公式キャラクター「ミャクミャク」も、今ではすっかり会場の人気者に。

会場には「ミャクミャクハウス」があり、ミャクミャクとのグリーティングには常に行列ができている。独特なビジュアルに最初は戸惑いつつも、見ているうちにどこか愛着がわいてくる、そんな存在は今やSNS上でも大人気だ。

ぬいぐるみや文房具などのグッズも好調で、ブランドやアーティストとのコラボアイテムも増えているようだ。SNSでは“#ミャク活”を楽しむ投稿も多く、思いがけず“推しキャラ化”している流れも見逃せない。
万博の思い出をゆるく彩ってくれる存在として、ショップについ吸い込まれてしまうはず。

擬似・世界一周旅!個性がつまった海外パビリオン

各国がそれぞれの特色を詰め込んだ海外パビリオンは、まるで短時間でまわる世界一周の旅のよう。

中に入ると、その国の文化や自然、社会課題、そしてそれに対する解決策までが、独自の視点で表現されている。日本で暮らしているとあまり触れることのないような視点や価値観に出会えるのが面白い。

たとえば、気候変動や環境問題に対する取り組みを映像と音響で体感させるパビリオンもあれば、伝統的な料理や音楽を味わえる空間を設けている国もある。

お目当てのパビリオンに入れなかったとしても、ぷらぷら歩いていて通りかかったパビリオンのスタッフの方に誘われてちょっと会話してみるだけで、ぐっと親しみが湧いてくる。ふと目が合って、声をかけられて入ってみたら思いのほか展示が面白くて、知らなかった国に興味が出た、なんてこともよくある。

旅先での偶然の出会いのような感覚が、この万博のなかにはある。

感性で楽しむ、アートとしての万博

テクノロジーの体験や建築のイメージが先行しがちだが、万博にはアートの要素も数多く含まれており、巨大な現代アート展として楽しむことができる。

会場内には、国内外のアーティストによるインスタレーションや映像作品が点在しており、展示の多くはインタラクティブ。視覚だけでなく、音、手触り、空気感など、五感で楽しむつくりになっている。
手で持ったり足で踏んだりすると振動が身体に伝わるなど“体の中に入って感じる”ような作品も多く、SNSやネットの情報では伝わらない現場ならではの体験ができるだろう。

また、パブリックアートも随所にあり、歩いているとふと足を止めたくなるような造形に出会える。特に日が暮れてからは、会場全体がライトアップされていて、昼間とはまったく違う静かな表情を見せる。
少し歩き疲れたら、夜の会場をゆっくり散歩するのもおすすめだ。

知的好奇心を満たす1日。今年の休みは大阪へ

大阪・関西万博は、「何かを学びに行く場所」ではなく、「自分の感覚で感じる場所」。展示を見るなかで、「これって自分の暮らしとどう関係するんだろう?」と考える時間が自然に生まれる。

都市で忙しく生活していると、つい先の未来を考える余裕をなくしがち。でも、ここに来ると、技術や文化、そして人との関係について、ほんの少し立ち止まって考えるきっかけが得られる。

今年の休み、ちょっと足を伸ばして大阪へ。そこで出会うもののなかに、あなたの“次の10年”につながるヒントがあるかもしれない。