現在に至るまで、1000年以上続いてきた「英国王室」。その華麗なる一族は世界中から常に注目を集め、歴史上にも深くその名を刻んでいる。近隣諸国とのつながりや人間模様など、彼らの歴史の奥深さと面白さを紐解く展覧会「ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵 KING&QUEEN展 ―名画で読み解く 英国王室物語―」が、2021年1月11日(月・祝)まで、上野の森美術館にて開催中だ。
英国王室は、実に面白い。現在でも、御年94歳となるエリザベス女王をはじめ、ウィリアム王子・キャサリン妃やその子供たちなど、常にイギリスの人々の話題の中心的存在だ。1000年以上、王室の系図を掘り下げてみても、すぐにギリシャやベルギー、ドイツの王室、さらにはフランス、デンマークとも関係があったことがわかり、現在のヨーロッパ諸国との関係までつながって見えてくる。また、個性的な人物も多く、ゴシップ的な視点から興味を持つ人も少なくないだろう。

その数奇な歴史をアートの視点から辿ることができるのが、1856年にオープンした、ロンドン中心部にある世界屈指の肖像専門美術館「ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー」だ。王侯貴族を中心に、シェイクスピアの肖像画など、16世紀から現代に至るまでの絵画、彫刻、素描、写真、版画などを所蔵している。その所蔵総数は21万点にもおよび、英国王室の歴史を知るには欠かせない美術館だ。
現在、上野で開催されている「KING&QUEEN展」は、このロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリーより、約90点を紹介する展覧会。テューダー朝から現在のウィンザー朝に至るまで、約500年にわたる5つの王朝の歴史を辿るように鑑賞できる。ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリーが外部へ作品を貸し出しすることは非常に稀であり、今回はとても貴重な展覧会といえる。
会場は、英国王室の過去500年を辿る構成。テューダー朝、ステュアート朝、ハノーヴァー朝、ヴィクトリア女王の時代、そしてウィンザー朝の5章から成る。肖像画の表現の変化をたどるとともに、モデルとなった人物の運命や人間模様といった“ドラマ”に着目して人物たちを紹介している。
出品作品に含まれるのは、英国王室の歴史を脈々と築き上げてきた人々ばかり。歴史に詳しくない人でも、誰かしらの名前やエピソードの一部などを一度は聞いたことがあるに違いない。



6人の妻を持ち絶対君主の名を欲しいままにしたヘンリー8世、“ブラッディ・メアリー”の異名をとったメアリー1世、最強国スペインの無敵艦隊を撃退、“国と結婚”し生涯未婚を通したことから“ヴァージン ・クイーン”と呼ばれたエリザベス1世、18歳から63年間治世した“ヨーロッパの祖母”ヴィクトリア女王、現在の王であるエリザベス2世、そして息子のチャールズ皇太子や孫のウィリアム王子、ヘンリー王子など。華麗なる歴代ロイヤルファミリーの肖像画を通して、英国王室の歴史を辿ることができる。
人物の肖像画とともに、イギリスがどのように強大な政治的権力を誇る国になり得たのか、諸外国への統治の歴史や、時代背景まで鑑賞できる本展。王室の人々を通じてリアルなイギリスが想像できたとき、机上で学んだだけだったヨーロッパの歴史や現在の関係性までも、より面白く見えてくるだろう。
アイキャッチクレジット:
《アン・ブーリン》 Anne Boleyn by Unidentified artist, Late 16th century(c.1533-36) ©National Portrait Gallery, London
| 住所: | 〒110-0007 東京都台東区上野公園1−2 |
|---|---|
| 電話番号: | 03-5777-8600 |
| 営業時間: |
月曜日 10:00〜17:00 火曜日 10:00〜17:00 水曜日 10:00〜17:00 木曜日 10:00〜17:00 金曜日 10:00〜20:00 土曜日 10:00〜17:00 日曜日 10:00〜17:00 祝日 10:00〜17:00 |
| 定休日: | 会期中無休 |
| 公式WEB: | https://www.kingandqueen.jp/ |
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