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2019.5.15

鎧と剣でエクササイズ?剣術をスポーツで楽しむ「アーマードバトル」に、どハマり注意

キャッスル・ティンタジェル

キャッスル・ティンタジェルは、中世ヨーロッパで生まれた「騎士道」(騎士の行動と精神)について学び、武術、特に剣術を中心とするさまざまなスポーツを楽しめる、日本では珍しいスクールだ。

特に注目を集めるのは、中世に実在した鎧と剣を再現し、身につけて闘う競技「アーマードバトル」。その世界観もさることながら、金属が激しくぶつかり合う迫力が他では体験できないとあって、ハマる人が続出しているのだとか。

今回は私、小林涼子がアーマードバトルに初挑戦! 体当たりでレポートをお届けしたい。

レッスンスタート!

講師のジェイさんは、日本でアーマードバトルの公式戦を開くため、日本アーマードバトル・リーグを結成された第一人者。

まさに2次元から飛び出てきた騎士のように逞しくカッコいい!それもそのはず、ジェイさんは、アニメ映画「ベルセルク」のアクションアドバイスを務めたこともある多彩な方なのだ。

まずは、ストレッチ。手首、足首、首と怪我しやすい箇所は念入りに。

「中世西洋武術ってどんな感じかな…?」「痛くないのかな…?」と不安がよぎる…が!突撃あるのみ!

簡単なウォーミングアップのあとは、足元の基本ステップやベースとなる体の動きを練習。膝は負担がかからないように足先と同じ向きに!倒されないように重心は常に低く!頭の位置を変えないようスッと移動する。

ジェイさんの体は私よりずっと大きいのに、足音がしない。同じようにとはいかないが、見よう見まねで何度も練習。

初めての武器はロングソード

壁に立てかけられている武器は様々な種類があり、レベルに合わせて技を習得できる。

RPGゲームでは双刀を使っていた私としては、双刀にトキめくのだが…初心者は、まずはロングソード!初めて手にするロングソードは両手で握っても想像以上に重い。

武士の持つ片刃の日本刀と違い、ソードは両刃。

「絶対に死なずに戦地から帰る」を最大のミッションにしていた戦士達の知恵が詰め込まれたドイツ剣術は、他の武術と比べても圧倒的に少ない手数で急所を狙う。

私の攻めを受け止めたハズのジェイさんのソードが、何故か私の頭に突き刺さる。守りの手が攻めにもなる不思議な「一手」を持つドイツ剣術。何度挑んでも、いとも簡単にトドメを刺されてしまった。つ、強い!

さらに、シールド(盾)の扱いを学ぶ。

シールドは、日傘の原理だ。体から遠く離して持つほど、守れる範囲が増える。出来るだけ遠くに持ちたいのに、シールドは重く片手では思うように持ち上がらない。すでにヒィヒィ言いながら、練習終了。

ついに、お待ちかねの鎧着用タイム

隣の武器倉庫には鎧や武器がぎっしり並び、まるでRPGゲームの勇者が立ち寄る武器屋のようだ。アレコレと思考錯誤しながら装備を練るゲームプレイ中のワクワク感が止まらない。

しかし実は、中世の鎧にはジッパーがなく全て紐で結ぶため、着るのもひと苦労。手伝ってもらいながら胴の鎧をしっかり止めたら、腕や足のガードをまた1つ1胴の鎧に結びつけ…と約40分。当たり前だが、命を守るもの故に頑丈で、20キロ〜30キロの重さがズッシリと体にかかる。

頭や顔、喉を守るヘルメットには、沢山の選手が戦った傷が刻まれ凹みがあった。

反対側から金槌で打ち直しながら大切に使うのだそう。来世でも守ってくれそうだ。

試しに叩いてもらったら、ニブイ衝撃とお寺の鐘を鳴らしたような音がヘルメットの中に重く響く。しかし、痛くはない!ヘルメットの有り難みを感じた。

今日相手をしてくださるみなさんも、三者三様の装い。鎧には様々なデザインがあり、好みのスタイルを装着できるのでハマるとどんどん欲しくなるのだそう。

映画のような鎧スパーリング…!

「マイロード」とソードを胸の前に構えて挨拶をし、スパーリング開始。
初心者のバトルは何よりも安全重視なので、思いっきり切っていいのは鎧に守られている胴体、肘から上、膝から上のみ。

そのためルールはシンプルで、ヒットした部分を負傷したとみなし、それ以降は使えないものとすればOK。例えば手にヒットした場合は、その腕を後ろに回して、片手で戦闘再開。脚(もも)にヒットした場合は、片足のみ前後に動けるコンパス状態になる。基本は自己申告制で、ヒットが入ったら、good!と大きく言って、仕切り直しだ。

重い鎧をつけて少し動くだけで、汗が吹き出してくる。戦士は相当な体力と精神力がないと務まらないと痛感。

ヘルメットは視野が非常に狭く遠近感が掴めない為、フルスイングで向かってもシールドに阻まれ、なかなか当たらない。ガントレット(手の鎧)を付けると先ほどの練習とは比べものにならないくらいソードを握りにくいことも、地味に辛い!

自分のポンコツ具合にもどかしさを感じつつ、ひたすら攻め攻め攻め!

3人目の男性には力では叶わないと思い、突きで攻めてみる。シールドの隙間を突いて突いて連続で攻めると、どうにかgoodを貰えた。

鎧の重さ、外の見えにくさ、息苦しさは想像以上…燃え尽きてしまった。

この環境の中で命をかけて戦うなんて…相当辛かっただろうなと中世ヨーロッパに思いを馳せる。

最後は皆で記念撮影。改めて写真を見ると迫力が凄い、凄すぎる。
映画「グラディエーター」やRPGゲームの中でしか見る事のなかった本格的な鎧を、まさか自分が身につけて戦えるなんて…!ゲームでプレイしていたキャラクターのようには、カッコよく立ち回れなかったが…それでも胸熱だ。体験するときは、是非恥ずかしがらず沢山写真を撮る事をお勧めしたい。

体験後、ほっと安心して力が抜けてから改めて訪れる、何とも言えない全身の疲労感。人生で滅多に味わうことのないヒットの衝撃も、感触として残っている。ストレス発散でスッキリ!…というのとはまた違う、充実感に包まれるような経験だった。

 

取材:小林涼子