VOL.31 ランドセル購入は１年前から。東京の名店土屋鞄製造所の職人愛に触れにいこう

０歳から６歳まで、一年ごとに世界が変わる「こどもと一緒の東京」。最後はランドセル工房へのおでかけです。

ランドセル選びは早いところで入学する一年前からはじまります。人気のあるブランドでは、予約開始後即売り切れ、なんてことも。これまで元気に育ってきてくれた我が子への感謝と、これからどんどん成長し親の手を少しずつ離れていくさみしさ。６年間背負っていくランドセルは、たくさんの未来とそうした親の想いを込めて、一緒に選んであげましょう。

１９６５年、創業者の土屋國男さんが東京都足立区の自宅兼工房ではじめた「土屋鞄製造所」。その精巧なランドセルは、いまや人気ブランドとして全国に10ヶ所のランドセル専門店を展開しています。土屋鞄のランドセルはすべて職人による手作り。足立区西新井にある本店では試着はもちろん、見学スペースから製造の様子を見ることができます。

１５０以上のパーツ、３００以上の工程を経て丁寧につくられているその様子は、決して安くはない買い物の安心感を得ることができるだけでなく、こどもにも物の大切さを感じさせることができるでしょう。土屋鞄のランドセルは、職人目線、親目線の綺麗さだけでなくこども目線で乱暴に扱っても壊れにくい丈夫さや、こどもの体格に合った形、重さなどにもこだわっています。

「大切にしすぎず、こどもなりの使い方でいい」とは職人の若林輝さんの言葉。土屋鞄の職人さんたちの共通の想いは、こどもたちが楽しい学校生活を送ること。ランドセルに傷がついたり汚れたりするのは元気な証拠。こどもたちらしく６年の月日を一緒に過ごしてくれればいい。それを見据えて丈夫に作るのが職人の仕事。壊れたらちゃんと修理もできるし、ずっと使い続けることで愛着もわいてきます。

職人さんたちの想いを感じながらお気に入りのひとつを一緒に選ぶ。ランドセルを背負ったこどもの姿をいとおしく見つめながら、６歳までの「こどもと一緒の東京」の旅はひとつの区切りを迎えるのです。