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盆栽を愛でながらコーヒーを。暖簾をくぐったその先にあるもの

盆栽を愛でながらコーヒーを。暖簾をくぐったその先にあるもの

忙しい毎日の中で、一瞬でもホッと心が休まる時間があると、もうひと頑張りする元気の源になる。銀座の片隅には、「純和風空間」と「コーヒー」でそんなひとときをくれるスポットがある。

銀座からほど近い新富町の外れの細い裏路地に立つ、一軒の店。家紋風の盆栽の印が描かれた暖簾がかかり、朝から表札に明かりが灯っている。
小料理屋のように見えるが、軒先に立つ「お品書き」をのぞくと、「エスプレッソ」に「ドリップコーヒー」の文字。よく見ると、表札には「BONGEN COFFEE」と書かれている。どうやらコーヒースタンドらしい。

暖簾をくぐった先は、黄土色の土壁に囲まれた小さな一室。焼き杉で作られたカウンター、真正面では淡い墨色のしっくいを背景に蒼々と盆栽が輝き、コーヒースタンドというイメージからはかけ離れた、まるで茶室を思わせるしつらえだ。

この店を手がけるのは、元スタイリストの白石航さん。職業柄、以前は目まぐるしい毎日を過ごしていたという白石さんは「忙しい日常の中に、ホッと一息つける、束の間の“非日常”を提供したい」と、多くの人が忙しい時間を過ごす銀座の片隅に純和風のコーヒースタンド「BONGEN COFFEE(ボンゲンコーヒー)」をオープンさせた。

店の名前は漢字で「盆源珈琲」と書く。“盆”栽のように何百年と長く愛される店でありたい、そしてこの場所が人々のエネルギーの“源”でありたい、そんな思いが込められているという。

盆栽は7鉢あり、1週間ごとに変わる。

「純和風」と「コーヒー」。一見、相容れないもの同士に思えるが、なぜこのふたつだったのか。

前職での忙しい日々の中でも、仕事の合間や終わりに飲む1杯のコーヒーに、束の間のリラックスを感じていた白石さん。「和」のものに触れた時に得る安らぎにも同じものを感じていた彼にとって、どちらも「ホッとする」というキーワードに合致するものだった。「純和風のコーヒースタンドというコンセプトは、ごく自然な流れで決まりましたね」と、店に立つ白石さんは話す。

思えば、日本に住んでいながら「純和風」に触れることが“非日常”になってしまっていることは少し残念だが、それでもやはり「和」を感じられると、自然と気持ちが落ち着くものだ。コーヒーを飲める店は増えたものの、身近に「和」の癒しを得られる場所はめったにない。

店内には、コーヒースタンドによくある背の高いカウンターチェアーではなく、美しい杉の木で作られた“腰掛け”が据えられている。ちょうど女性の膝くらいの低さで、お茶屋さんにある縁台のよう。

もし席が空いていたら、少しの間だけでもぜひ腰掛けてみてほしい。休憩中だろうが食事中だろうが、知らず知らずのうちに私たちは、すぐに立ち上がって次に何かをできる姿勢でいる。そんなことに気づくと、実は短い時間ゆっくり“腰を下ろす”だけでも、リラックスできるものなのだとちょっと驚くだろう。

「本音を言うと、お座敷のように床に座れるようにしたいくらいなんですけど(笑)」。気さくに接してくれる白石さんとの会話を楽しむのも、リフレッシュ方法のひとつだ。

「4席しかないので、タイミングによっては全てのお客様が座れないこともあるかもしれませんが、この空間に足を踏み入れるだけで、ホッとして、そしてちょっと元気になって仕事に戻ってもらえたら。盆栽も実は全部で7鉢 あって、1週間ごとに変わるんです」。

コーヒーの香りに包まれながら、愛でる盆栽、杉の木、土壁、しっくい……。オーダーしたものを待つ時間だけでも、束の間の非日常を十分に体感できる。

屋久杉の額縁に飾られたメニューには、3種類の豆のドリップコーヒーをはじめ、さまざまなミルクとエスプレッソのバランスが楽しめるバリエーション豊かなラテ、きな粉・宇治抹茶・甘酒などの和素材を使ったオリジナルドリンクと多彩なラインナップが並ぶ。
「自分の好きな美味しさも、ホッとするための大事な要素だと思うんです。少しでもひとりひとりの要望にお応えしたいのと、“選ぶ楽しさ”も、元気の源になってほしいと思っています」。

宇治抹茶を使った抹茶ラテにエスプレッソを加えた「抹茶ラテエスプレッソ」(税込680円)。

薦めてもらった「抹茶ラテ+エスプレッソ」は、ほろ苦く香り高いエスプレッソと宇治抹茶に、ほのかなミルクの甘み。舌でも「和」と「コーヒー」による癒しをもらうことができた。

店内は一切金属が見えない造りになっていたり、細やかな光の反射にも気を配ったりと、気遣いであふれている。白石さんは、ただ自分たちの理想を追求しただけだと話すが、その空間造りの全てが、客の「ホッとする」時間に繋がっているのだ。

目まぐるしい変化と人であふれる銀座の街から少し離れてBONGEN COFFEEに来れば、空間・味・人、さまざまなものから、もうひと頑張りするための休息と元気がもらえるだろう。

2019/12/9 一部記事を修正いたしました。

 

取材・文 : RIN

MORE INFO:

BONGEN COFFEE

エリア: 東京 / 銀座
住所: 〒104-0061 東京都中央区銀座2丁目16−3
電話番号: 03-6264-3988
営業時間: 月曜日 10:00〜19:00
火曜日 10:00〜19:00
水曜日 10:00〜19:00
木曜日 10:00〜19:00
金曜日 10:00〜19:00
土曜日 10:00〜19:00
日曜日 10:00〜19:00
祝日 10:00〜19:00
公式WEB: https://ginza-bongen.jp/