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「趣味、カレー。」東京マサラボーイズに学ぶ“週末スパイス”のススメ

「趣味、カレー。」東京マサラボーイズに学ぶ“週末スパイス”のススメ

本業の傍ら、週末だけのカレーユニットとして活動する「東京マサラボーイズ」。カレーイベントなどでも人気の彼らだけど、カレーはあくまでも「趣味」だと断言する。 それは、6年前の結成当初から決めていたルール。「趣味、カレー」をきっかけに広がった人とのつながり。そして、“働き方のスタイル”とは? ユニットを構成する1人、高木慎太郎さんに聞いた。

バンド感覚で始めたカレー。失敗して、でもおいしくて。

東京マサラボーイズは、高木慎太郎さんと初見憲さんによるカレーユニット。お互いに本業は別にあって、だから週末限定で活動している。2人は高校時代からの同級生でもあって、かつてはバンド活動を共にしていたこともある仲だ。「もともと2人とも料理好きで、マサラボーイズは家族や友人に振る舞うカレーの延長線。つまり、完全に趣味なんです」と高木さんは言う。

「いわゆる、ザ・男の料理ってやつです。『今日はつくるぞ!』ってスーパーに行くところから始まって、主婦の方だったら家計を気にして買わないような、ちょっと高い食材を買って怒られる、みたいな(笑)。インドカレーに興味を持ったのは、相方(初見さん)の影響。彼も料理が趣味で、僕より先にインド料理をつくっていたんです。たまに飲みに行くと、インド料理はおもしろいぞと、すすめられて」

ちなみに、初めてつくったスパイスカレーはチリパウダーの分量を間違えて、かなりホットでスパイシーな味になってしまったという高木さん。それでも大汗をかきながらも完食すると、その爽快感からスパイスに目覚める。

「めちゃめちゃ辛いんだけどスプーンが止まらなかったんですよね。食後感はスポーツした後みたいで、その経験が自分の中ですごく新しかったんです。これは深いぞ、と」

それから、カレーの世界にどっぷりとハマってしまったという高木さん。初見さんと飲みに出かけてはスパイスの話をしているうちに、ついに「東京マサラボーイズ」を結成することになる。

「高校の時のバンド感覚みたいな感じですよ。家族や友人とのホームパーティーでカレーを振る舞う。だから活動も土日だけ。最初から、趣味の延長でやろうと決めていました」

「でも、自分たちの実力を試してみたくなっちゃった」

週末限定(といっても3ヶ月に1回)でお店を始めたのは、東京マサラボーイズの結成から半年ほど経ってからのこと。

「なんというか、家族とか友人だけだと、満足できなくなっちゃたんですよね。おいしいと言ってもらえるのはもちろんうれしいんだけど。身内以外の人たちに食べてもらったらどんな反応をするのかって、すごく興味があったんです。『俺たちのカレー、どうだ!』って、最初は肩に力が入ってたのかなぁ」

今はもうないが、当時は浅草のLwP asakusaというキッチン付きのレンタルスペースで店をスタート。1ヶ月に1度だけ、バンドがライブを開くような感覚でお店がオープンする。高木さんはグラフィック&WEBデザイナーという本業のスキルを生かして、SNSでの宣伝などにも力を入れたという。当時は「間借りカレー」という言葉もない。メディアにも取り上げられ、瞬く間に人気となった。

「結局、LwP asakusa自体が閉店するまで1年くらい続けました。今は場所は固定していなくて、イベントやケータリング、ブライダルなど、呼んでもらった場所に出張してカレーを提供しています。でもそれも、LwP asakusaでお店をしていたときの繋がりがすごく大きいんですよ」

イベントをとおして知り合ったという、高円寺のカレーショップ「ネグラ」の大澤思朗さん(左)

たとえば、蔵前のゲストハウス『Nui.』で不定期で行われているイベント「Curry Stand」(これまで13回も開催されている人気イベント)に出店するようになったのも、「Nui.」の担当者がお客さんとして来ていたことがきっかけだったとか。

「来てくれたお客さんと僕たちのつながりが出来ると、今度はお客さん同士でつながったり。だからお店をやるというより、場を作るっていうイメージのほうが近かったかもしれません。そこから本業の方にも依頼をもらったり、仕事にもいい影響がありましたね」

カレーを通じて伝えたいのは、新しい生き方のスタイル。

そんな高木さんだが、そこまで趣味であることにこだわるのはなぜ?

「趣味だからこそ、自分たちも心から楽しめるんですよ。現実的なこと(たとえばお金のこととか)を考えなくていいから、没頭してカレーがつくれるんです。それで評判が良くなかったりすると本当に悔しいし、逆だったらとってもうれしい。そういう趣味があることで、生活も張りが出ると思うんです」

東京マサラボーイズを結成してから早6年。すっかりカレーつくりにも馴れ、今ではお客さん同士の交流をキッチンから見守るのが楽しみのひとつになっているのだそう。

「僕たちが本気でカレーに打ち込んでいる姿を見てもらうことで、こういう人生の楽しみ方もあるんだっていうことを伝えていきたいんです。それでひとりでも共感してくれて、カレーじゃなくても趣味を全力で楽しむ人がでてきたらおもしろいじゃないですか。遊びに本気っていう、そういうのが許される世の中になっていくといいですよね」

人生、何がどう転ぶか分からない。自由になる週末の時間は貴重だけれど、だからこそ本気で何かに打ち込んでみる。それこそが、人生を楽しむ大きなヒントなのかもしれない。高木さんの生き方は、まさにそのお手本のようだ。最後にカレーの魅力を尋ねてみた。

「人生と同じで、正解のないおもしろさですかね。同じレシピ、同じ手順でも、つくる人によってこんなに違うのかってってくらいに味も香りも色もが変わるんです。カレーの美味しさはスパイスのバランスでもありますが、使う種類や量によって無段階に調整できるダイヤルみたいに幅広い。そこに惹かれるんです」

<プロフィール>
東京マサラボーイズ 高木慎太郎さん

2012年に初見憲さんと週末限定で活動するカレーユニットを結成。現在はイベントでのケータリングを中心に、カレーやスパイス料理の楽しさを届けている。これまでに作ったカレーは100種類以上にもなる。現在は3ヶ月に1回くらいのペースで出店しているそう。近況はHPなどをチェック!

https://tokyomasalaboys.tumblr.com/

 

東京マサラボーイズの高木さんに学ぶ。
Harumari TOKYOが初の読者イベントを開催

週末に「スパイス活動」を行うマサラボーイズの高木さん。そんな彼にカレーやスパイスの魅力を教えてもらえる、Harumari TOKYO初の読者イベントの開催が決定した。

開催日は、9月16日(月・祝)。奥深~いスパイスの世界に触れながら、絶品のカレーを自分たちで作って食べて、参加者たちとゆるやかに交流を楽しむことができるイベントだ。
スパイス好きはもちろん、これからスパイスを学んでみたい人や、Harumari TOKYOが好きな読者同士で繋がりたいという人も大歓迎!

参加者抽選の応募は、9月9日(火)の19時まで。興味のある人は、ぜひご応募を!

応募はこちら