食べ人:ミトミえもんが誘う東京スパイスの世界。第1回は、インド料理界の新潮流「ヌーベルインディアン」で挑戦を続ける日本人シェフのお店。
「ヌーベルインディアン」という言葉をご存知でしょうか?新しい中華と訳される「ヌーベルシノワ」はすでに世界で市民権を獲得。ちなみに、ヌーベルシノワとは西洋の食材や技法を中華料理に持ち込み、フランス料理のように一品ずつ提供されるコースのこと。簡単にいうと、これのインド料理版で、まだまだ発展途上ながらロンドンなどではミシュランの獲得店などもでてきております。
ミシュラン獲得店の全てのシェフはインドの出身。本当の意味でのヌーベルインディアの確立にはあと少しだけ時間がかかるかもしれません。いや、すでに日本でここにチャレンジしているシェフがいます!それが押上にある『スパイスカフェ』の伊藤シェフ。カレーをスパイスに分解し、スパイスのコースを完成。さらには、ワインとペアリングするという試みまで。カレー界、スパイス界の評価に一石投じようとチャレンジを続けております。
スパイスを楽しめる皿は7つ。アミューズを務めるのは「季節の野菜盛り合わせ」。カリフラワーはターメリックとクミンで、人参と独活はフェンネル、蕪はバターチキンのソースなど様々なスパイスが活用されます。共通するのは素材の良さを壊さないこと。スパイスは香りづけだったり、風味づけ程度で素材そのものの味はしっかり残ります。
続いて魚料理の「鰹」。筍のソテーとともに提供されるが、こちらではガラムマサラやコリアンダーが活躍。旬を迎える鰹や筍が、スパイスと握手することで新しい味覚を刺激してくれます。インド料理とは異なる食材が見事に、スパイス料理として新しい命が吹き込まれます。まさに、ヌーベルインディアンの真骨頂!パンにもスパイスであるカスリメティーを練り込むなど徹底しております。
今度は肉料理。本当にフレンチさながらですね!塩麹を使ったポークのロースト。新玉ねぎを使ったソースが美味。アクセントにはオレガノ、ピンクペッパーなどのスパイスに加えて、塩昆布を混ぜているが面白い。ソースも含めて、和食のようなエッセンスが加わっております。
メインを飾るのはやはりインド料理達。殻も含めた海老の出汁を全身で受け取ったビリヤニで、追い海老のような形で桜海老も加えられます。当然のようにナツメグなどのスパイスを駆使しております。
このビリヤニとも相性のいいカレーが登場。浅利と野菜の2種のカレーを提供いただいたが、スパイスよりも浅利や山菜の香りがしっかり先行しております。透き通った出汁のスープにスパイスを加えて作ったような印象です。もはや日本料理といったほうが印象が近いかも。
デザートにと登場したのは「そら豆とトマト」「チーズとハーブ」。この2つにもやはりパラダイスシードなどのスパイスのエッセンスが加えられております。日本でヌーベルインディアンを牽引するスパイスカフェ、カレー好きだけでなく全ての グルメ好きに食べてもらいたいお店です。
エリア: | 東京 / 浅草・蔵前 |
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住所: | 〒131-0044 東京都墨田区文花1丁目6−10 |
電話番号: | 03-3613-4020 |
営業時間: |
水曜日 11:30〜15:0018:00〜23:00 木曜日 11:30〜15:0018:00〜23:00 金曜日 11:30〜15:0018:00〜23:00 土曜日 18:00〜23:00 日曜日 18:00〜23:00 |
定休日: | 月曜、火曜 |
公式WEB: | http://spicecafe.jp/ |
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