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ロボットが店に溶け込む、ちょっとだけ未来のカフェ。渋谷「Pepper PARLOR」

ロボットが店に溶け込む、ちょっとだけ未来のカフェ。渋谷「Pepper PARLOR」

話題を呼んで久しい、ロボットが接客を行うカフェやレストラン。そのほとんどが極端にエンターテインメント性を求めていたり、テクノロジーを全面に押し出していたりと、少し落ち着かない雰囲気を醸しているケースが多いが、先日オープンしたばかりの渋谷「Pepper PARLOR」は、それらとは一味違うユニークなロボットカフェといえるかもしれない。最先端の技術をもったロボットでありながら、それを主張しすぎることなく人の暮らしをさり気なくフォローし、ごく自然に溶け込んでいるのだ。

2020年、目まぐるしい再開発や世界的なイベントの開催により国内外から多くの客が集まる渋谷。そんな、東京で現在もっともアツい街にふさわしい最先端のテクノロジーを体感できるスポットが、昨年12月「東急プラザ渋谷」にオープンした。今や世界的な人気を誇る人型ロボット「Pepper」がもてなすカフェ「Pepper PARLOR(ペッパーパーラー)」だ。

エントランスに着くと、お行儀よく整列した“5人”のPepper が出迎えてくれる。圧巻の光景はさながらエンターテインメントだが、その実態はごくごくスマートにオーダーと会計を済ませてくれる“優秀な店員さん”だ。

目があって「いらっしゃいませ」と声をかけられた。「何名様ですか?」「ご注文は?」と、Pepper の“接客”に従って目の前のモニターを使いオーダーするシステムになっており、支払いは原則キャッシュレス。単純なタッチパネルオーダーのように思えるかもしれないが、人型ロボットというのは実に不思議なもので、顔と目があり実際に声がすることで、普段人間と会話をするのと同じように自然とこちらも顔をあげて目線をあわせてしまう。そう、相手がロボットだとわかっていても。

オーダーに迷ったときには、年齢、性別、客の気分を認識し、Pepper がおすすめのメニューを提案してくれる。まるで、はじめて訪れた店で店員におすすめを仰ぐのと同じ感覚だ。生身の人間の場合は経験や観察力が武器だが、そこはPepper 、多数のデータに基づいてはじき出す。なるほど、たまに見かける頼りない店員さんより、かなり優秀……!

Pepper の会計を終えると、自身で自由に席を選べる。いわゆる商業施設内の飲食店やカフェを想像して奥へと進むと、あまりにもラグジュアリーかつ細部までこだわり抜かれた世界観に驚くだろう。

フロア面積の半分ほどを占める店内の席数は160以上。床一面に大理石が敷き詰められ、美しいベルベット生地が張られた幅広のソファ、ドライモスのランプシェードなど、まるで高級ホテルのラウンジのよう。

内装を手がけたのは国内外で活躍するインテリアデザイナーの森田恭通氏。テーブルやカーテン、クッションに至るまで、すべてこの店のオリジナルだという。壁は左官職人・久住有生氏、グリーンはグリーンアーティスト・尾藤祐子氏と、名だたる面々が 名を連ねる。

グルメワッフル「和牛のローストビーフとクリスピーオニオン」(手前)とスイーツワッフル「ミルクジェラートとイチゴフォンデュー」(奥)

フードメニューも、クオリティとラインナップはかなりのハイレベル。ニューヨークの星付きレストラン でスーシェフを務めたこともある、青山の人気店「THE BURN」の総料理長・米澤文雄シェフが監修し、世界各国の料理とスイーツをワッフルで表現。

なんという贅沢さだろう! 本当はもっと、店内全体にハイテクシステムを導入したり、すべてのテーブルにおしゃべりするPepper がついたり、ロボット型のカレーを提供したりと、いかにも“ロボットカフェ”らしくすることもできたはず。だがここでは殊更に“ロボット”という話題性を主張していないのだ。飲みものを飲んで寛ぐにも友人と食事をするにも、かなり心地のいい空間がつくられている。

ワッフルの生地は「クラシック」「チーズ」「全粒粉」「ヴィーガン」の4種類から選べる。

空間や料理にここまで手をかけたのは、ただロボットを見に来るための店でも、ひたすらに生産効率性を求めてロボットを導入した店でもなく、ロボットがいることでより細やかなサービスや豊かな生活が実現できることを証明するためだという。

一部にはPepper君が話し相手・遊び相手になってくれる席もある。

Pepper PARLORで活躍するロボットは、先ほどの“優秀なお出迎えスタッフ”の「Pepper」のほか、店内中央でときおりダンスショーを見せてくれる「NAO (ナオ)」、さらに営業時間外に清掃を行う「whiz(ウィズ)」がいる。そう、実は料理や飲み物の調理やフロア全体のケアをするのは生身の人間の店員さんだ。

少子高齢化が進み、働き手の減少が懸念される日本。それこそ、こんなに広いフロアで隅々まで完璧なサービスをしようと思えばかなりの人員が必要になるはずだが、オーダーや清掃などうまくロボットと役割をわけ共存することで心地いいサービスと空間がつくられている。

Pepper は決して話題性のためだけに存在しているわけではない。ここに来れば、“ロボットが普通にいる暮らし”がちょっと待ち遠しくなるだろう。これから少しずつ導入されていくという新たなテクノロジーにもぜひ注目したい。
もちろん、待ち合わせや商談、休憩にと多様な目的で使えそうなこの場所は、そもそも“カフェとしてかなり優秀”だ。いつものカフェ選びの候補にもおさえておこう。

取材・文 : RIN

MORE INFO:

Pepper PARLOR

エリア: 東京 / 渋谷
住所: 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目2−3
電話番号: 03-5422-3988
営業時間: 月曜日 10:00〜21:00
火曜日 10:00〜21:00
水曜日 10:00〜21:00
木曜日 10:00〜21:00
金曜日 10:00〜21:00
土曜日 10:00〜21:00
日曜日 10:00〜21:00
祝日 10:00〜21:00
定休日: 東急プラザ渋谷に準ずる
公式WEB: https://www.pepperparlor.com/