世界屈指の美術館・ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵の作品展が、国立西洋美術館で開催される。なんと、イギリス国外で所蔵作品展が開かれるのは史上初。なかなかお目にかかれない作品を堪能できる、貴重な機会となっている。
1824年に設立した、イギリスのロンドン・ナショナル・ギャラリー。年間の来場者数は、世界の美術館・博物館でもトップ10に入る600万人超という、世界的に名高い美術館だ。

特徴は、王室のコレクションを公開することが多い他のヨーロッパの美術館と違い、市民が作品を持ちよっている点。13世紀後半から20世紀初頭まで、幅広い時代と地域を網羅した約2300点のコレクションは「西洋絵画の教科書」とも呼ばれている。

実は、ロンドン・ナショナル・ギャラリーはまとまった数の作品の貸し出しには非常に厳しく、これまでイギリス国外で所蔵作品展が開催されたことは一度もなかった。今回日本で開催される「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」は、61点もの作品が初めてイギリス国外に出る、歴史的な展覧会でもあるのだ。

展示は「イギリスとヨーロッパ大陸の交流」という視点から、「イタリア・ルネサンス絵画の収集」、「イギリスにおける フランス近代美術受容」など、西洋絵画の歴史を辿る7つのテーマで構成される。


アート初心者にも馴染み深い作品が多いのも特徴で、フェルメールの「ヴァージナルの前に座る若い女性」や、レンブラント「34歳の自画像」など、正式な作品名は知らずとも、一度は見たことのあるような傑作全61作品が展示される。もちろん、すべて日本初公開だ。
そしてゴッホの「ひまわり」も、本展の目玉作品のひとつ。ゴッホは生涯で花瓶に生けられた「ひまわり」を7枚描いており、そのうちのひとつが展示される。教科書などでもおなじみの作品ではあるが、筆の運びや盛り上がった絵具など、実際に目にしないとわからない絵の存在感に圧倒されてほしい。

ちなみに、新宿の「SOMPO美術館(旧:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館)」は、アジアで唯一、「ひまわり」を所蔵している。複数の「ひまわり」を一度に目にする機会は滅多にないことなので、本展の開催時期次第ではあるが、この機会に美術館のはしごをしてみるのも良いかもしれない。
有名な作品でも、本物を見られる機会はなかなかない。美術を知っている人はもちろん、美術はよく知らないな……という人も、これを機に西洋絵画の世界へ足を踏み入れてみてはいかがだろう。
※開幕時期の詳細は展覧会公式サイトでご確認ください。
| エリア: | 東京 / その他 |
|---|---|
| 住所: | 〒110-0007 東京都台東区上野公園7−7 |
| 電話番号: | (03)5777-8600 |
| 営業時間: |
月曜日 9:30〜17:30 火曜日 9:30〜17:30 水曜日 9:30〜17:30 木曜日 9:30〜17:30 金曜日 9:30〜21:00 土曜日 9:30〜21:00 日曜日 9:30〜17:30 祝日 9:30〜17:30 |
| 定休日: | 月曜日、9月23日 ※ただし、7月13日、7月27日、8月10日、9月21日は開館 |
| 公式WEB: | https://artexhibition.jp/london2020/ |
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