「一点モノ」には無条件でワクワクする。選びぬいて買うのも愉しいが、それを超えるのが自分で作ってしまうこと。「プリント」を使いこなせばその愉しさを堪能できる。いつものTシャツもプリントを施せば、唯一無二のグッズに変身。本日はプリントにまつわるあれこれをご紹介。
プリントの世界は奥が深い。でも、だからこそ誰とも被らないオリジナリティが生まれるというもの。奥深いプリントの世界に、愉しみながら入り込めてしまう本がある。それが書籍『デザインのひきだし』だ。
もともと印刷・出版業界向けに作られた印刷・紙・加工の専門情報誌だが、その充実度や独自の切り口が業界外でも話題になり、毎号売り切れる人気ぶり。
大量の印刷サンプルがついてくるのが特徴で、字面だけではわかりづらいプリントの面白さを、手触りも含めて体感することができる。パラパラとページを眺めるだけで、「こんな印刷もあるんだ」と驚きが溢れてくる。
デザインのひきだし
価格:2,420円(税込)
URL:http://www.graphicsha.co.jp/list.html?cat=4&child_cat=22
オリジナルグッズづくりのインスピレーションを得たいなら、トップクリエイターたちの“プリントの自由研究”を観にいこう。8月1日(日)まで印刷博物館で開催中の「グラフィックトライアル」は、日本のトップクリエイターと凸版印刷がコラボし、印刷表現の可能性を追求した展示だ。どの作品も、最終的な表現にいきつくまでのプロセスが丁寧に解説されているので、クリエイターの思考を追体験しながら鑑賞できる。
参加クリエイターのひとりで「デザインあ」の総合指揮を務める佐藤卓さんの作品テーマは《みそ汁》。日本食の基本であるみそ汁を印刷技術でどこまで豊かに表現できるかにトライしたという。具材ごとにインクを幾重にも重ねてみたり、なめこのぬめり感を表現するのにニス印刷(光沢が出るツヤ加工)をしてみたり。クリエイターたちの研究成果にどっぷり浸れば、いままで思いつかなかったアイデアが湧いてきそうだ。
グラフィックトライアル2020 -BATON-
住所:東京都文京区水道1-3-3 トッパン小石川ビル
会期:2021年4 月24日(土)〜8月1日(日)
営業時間 :10:00〜18:00
休館日:毎週月曜日
公式WEB:https://www.toppan.co.jp/biz/gainfo/graphictrial/2020/
なんとなく作りたいもののイメージがあっても、それを具体化していくのは難しいもの。そんなときは、プロに相談してしまうのが一番だ。日本と台湾のクリエイターを支える印刷サービス「EP」が、今年4月に新宿にショールームをオープン。日台の面白プリント作品を手にとって観察できるだけでなく、プリンティングディレクターさんが見学対応してくれるので、オリジナルプリントで悩んでいることや聞きたいことがあれば相談できる。オリジナルグッズのクオリティが何段階もアップすること間違いなし。
EPショールーム
住所:東京都新宿区新宿1-9-12 つくしビル3F
定休日:公式サイトEPカレンダーに準ずる
公式WEB:https://ep-print.tw/
※ショールーム来場には事前予約が必要です。
こだわりのプリントグッズを作るなら、早稲田にある「SURUTOCO」がおすすめ。Tシャツやトートバックなど好きなアイテムをその場で購入でき、持ち込んでもプリントを施すことができる。ただプリントするだけでなくさまざまな加工方法を選べるのがポイント。金箔加工から、ぷくっと盛り上がったエンボス加工、ベロアのようなフサフサ加工と、一般的な印刷屋さんのメニューにはない加工も、自分の手で施すことができてしまう。デザインを決めて、インクの種類を決めて、加工方法を決め……さまざまな工程を経た末にできあがった自分だけのグッズは、ひときわ愛着のわくものになる。
SURUTOCO
住所:東京都豊島区高田1-16-11
営業時間:10:30-18:30
定休日:火・水曜
公式WEB:https://www.surutoco.jam-p.com/
RECOMMENDER:
宮田真雪
Harumari TOKYO編集部