HOME WELL BEING SPECIAL 苦境に立たされても地元客を癒し続けた「星野温泉 トンボの湯」
苦境に立たされても地元客を癒し続けた「星野温泉 トンボの湯」

苦境に立たされても地元客を癒し続けた「星野温泉 トンボの湯」

星野リゾートが運営している軽井沢星野エリアにある源泉かけ流しの立ち寄り湯。檜が香る広々とした内湯、四季折々の景色を眺めながらゆったりとくつろげる露天風呂が日々の疲れを癒してくれることで人気の観光スポットだ。飲泉もできるほど新鮮な温泉を使用しており、軟らかな泉質は「美肌の湯」として知られている。北原白秋や与謝野晶子ら文人をはじめとして古くから多くの人に愛されてきた歴史ある温泉だ。そんな名湯も、他の観光地と同じようにコロナの影響を大きく受けた。星野温泉 トンボの湯の2020年、そして「今」を副支配人の服部壮さんに聞いた。

星野温泉の開湯は1915年。星野リゾート初代経営者の星野国次さんが「西洋人が増え、リゾート地として注目され始めた軽井沢には、温泉が保養の重要な要素になる」と考え、星野エリアの土地を掘削し、星野温泉旅館を開業した。いわばここは、星野リゾート始まりの場所ともいえるだろう。その温泉の歴史を汲み、この場所で温浴施設「星野温泉 トンボの湯」が2002年にオープンした。

オープン以来、「おもてなしの気持ち」を大事にしてきたトンボの湯。「30秒~1分の短い受け付けの間も、笑顔や物腰の柔らかさを大切にしています。脱衣所内で見回りをして、お客さんに安心安全にゆっくり温泉を楽しんでもらえるような環境づくりに徹しています」と服部さん。取材当日も見回るスタッフが気持ちよく挨拶し、風呂桶の整理、忘れ物の確認などをしていた。

隣接する商業施設ハルニレテラスなど軽井沢星野エリア内の施設を組み合わせて1日中楽しめることも、国内外から人気を集めている要因だ。菖蒲いっぱいのお湯に浸かれる、5月の菖蒲湯、浴槽にりんごを浮かべた、秋の「りんご湯」、柑橘系の爽やかな香りに包まれる、冬至の「ゆず湯」など、季節に合わせたイベントも開催される。

利用者が顕著に減ったのは緊急事態宣言が発令された4月頃から。インバウンドや観光客がぱたりと来なくなった。トンボの湯は地元の公衆浴場としての役割を果たしていたため、感染症対策を徹底しながら営業を続けていた。「観光客が来られなくなったので、客数は減りました。しかし、地元民や別荘の人が来てくれて助かりました。コロナ前と変わらずに安心して楽しんでもらえてよかったです。営業に関しては、入館時に検温を実施。換気や消毒、混雑状況を回避するなどの対策を徹底し、安心してご利用いただける環境を整えています。コロナ禍はどこに行くにもストレスがつきものです。温泉でリラックスした時間を過ごしていただけると嬉しいです」

利用者の安心安全のために、星野リゾートは3密回避と衛生管理への取り組みを実施している。6月からは、宿泊客に対してスマートフォンで混雑度がわかるサービスを開始。トンボの湯は受け付けカウンターにモニターが設置され、入場時に混雑状況を確認することができるのは嬉しいシステムだ。脱衣所や洗面台にもアルコールスプレーを置いた。サウナも定期的に換気するなど、万全を期している。

11月からは、3密にならない屋外で温泉を楽しめる「ひとり占め足湯」(2021年3月19日まで)をはじめた。トンボの湯前の自然に囲まれた広場で、外気温に合わせた最適な温度の温泉が用意される。温度が下がり始めた頃を見計らい、湯守スタッフが天秤棒を担いで交換用の温泉を持ってきてくれる。

国による「Go To トラベルキャンペーン」がはじまり、10月からは地域共通クーポンが配布されるようになった。トンボの湯がある軽井沢星野エリアにも客足が戻りつつある。「軽井沢星野エリアは星野リゾートの玄関口。コロナ対策を徹底して3密にならずに、温泉を楽しんでもらえるように取り組んでいます。安心してお越しください」

軽井沢はこれから本格的な冬を迎える。日中の最高気温が0度以下になる日も珍しくないが、冬の静けさを感じられるこの時期を好んで訪れる人も多い。温泉の温かさと、おもてなしの心に触れて心身共に癒されに行こう。

星野温泉 トンボの湯
〒389-0194 長野県軽井沢町星野
10:00~22:00(最終受付21:15)
大人1,350円、こども800円
0267-44-3580

取材・文・写真=軽井沢新聞社
取材日=11月14日