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謎多き天才デザイナー、マルジェラをひもとく。伝説のマガジンが待望の復刻

謎多き天才デザイナー、マルジェラをひもとく。伝説のマガジンが待望の復刻

デザイナー自らが雑誌づくりを監修する「A Magazine Curated By」の過去のイシューのなかでも、特に人気が高い「A Magazine Curated By Maison Martin Margiela」が待望の復刊を果たした。2004年に初版が発行され長らく絶版が続いていた本誌は、メゾン・マルタン・マルジェラの世界を詳らかにした貴重な一冊だ。謎多き天才デザイナーの頭のなかを覗いて、彼の残した功績に触れてみよう。

ベルギー発の大人気コンセプトマガジン「A Magazine Curated By」の他にはない魅力といえば、誌面を読むだけでデザイナーたちのパーソナルな世界をのぞけることだ。マルタン・マルジェラ以外に、キム・ジョーンズや高橋盾、山本耀司などのデザイナー陣が誌面を監修しており、リリースされる度にファンたちの間で話題となってきた。その錚々たる顔ぶれのなかでも、普段からメディア上で匿名性を貫き、ミステリアスな人物として知られるマルタン・マルジェラが監修した「A Magazine Curated By Maison Martin Margiela」は、リリース当時から特別なもので、同誌が絶版になった後は、プレミア価格で取引きされることもあった。

さらに、その後、2009年にマルタン・マルジェラがブランドを去り、2015年にメゾン・マルジェラへとブランド名を変え、ジョン・ガリアーノがその意思を継いだという一連の流れを見てきた今の視点で見ても、マルタン・マルジェラ在籍時に作られたこの1冊は貴重な資料だといえる。

誌面に掲載されているソックスセーターの作り方。青山にあるスクワット/トゥエルブブックスでは、このソックスセーターが付いた特別版も販売されている。

本誌でマルジェラがキュレーションしたのは、メゾン・マルタン・マルジェラを構築する“舞台裏の人々”。メゾンの創作に欠くことのできないコラボレーターとして可視化されている。これは、チームとしての活動を重んじたマルジェラの精神を反映したものだ。誌面上では、メゾンに関わるあらゆる人物が残した言葉、写真、映像によって、チームとしての活動が鮮やかによみがえる。スタッフ、インターン、モデル、アーティスト、フォトグラファー、ミュージシャン、セットデザイナー、フィルムメイカー……、さまざまなカルチャーのスペシャリストたちが残した軌跡は、「ここまで見せてくれるのか」というほど多岐にわたる。マルジェラの洋服と誌面で表現されている元ネタを合わせて読むと、より一層楽しめるだろう。

米軍の放出品ブティックで見つけた8足のソックスを使って生み出されたソックスセーター。かかとの部分が胸や肩など身体の丸みあるパーツに合わせて作られているのが面白い。

この復刻版は、紙から印刷に至るまで初版を完全に再現。裏表紙には現編集部による解説文が記載されている。また、青山にあるスクワット/トゥエルブブックスでは、同ブランドのアーティザナルピースとして有名なソックスセーターが付属した復刻版も販売中だ。

脱構築と言う大きな流れを生み出し、ファッション界に確変を起こしたマルタン・マルジェラ。探究心と独特の世界観満ちた彼のキュレーションに触れることで、新しいクリエイティブのヒントをもらえるかもしれない。