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HOME TOPICS CULTURE 2021年、見逃せない文化の港。カルチャーが溢れ出す「神田ポートビル」
2021年、見逃せない文化の港。カルチャーが溢れ出す「神田ポートビル」

2021年、見逃せない文化の港。カルチャーが溢れ出す「神田ポートビル」

神田錦町に突如登場した複合施設「神田ポートビル」。その最大の目玉は東京初上陸の「サウナラボ」だ。注目のサウナは、実は他フロアのカルチャースポットにとって欠かせない存在なのだ。カルチャーの学びの効果を最大化するための、サウナ。これからどんどん面白くなりそうなスポットから目が離せない。

神保町・小川町・大手町・竹橋に囲まれたエアポケットのようなエリア「神田錦町」。大規模開発されていないような少し下町っぽい雰囲気のこの場所に、新たなスポットが登場した。それが「神田ポートビル」だ。築56年の印刷会社・精興社の旧社屋をリノベーションして完成したこの複合施設は、人々が集まり羽を休め、また再出発していくところという意味を込めて、「神田ポート(=港)ビル」とコピーライターの糸井重里氏が名付けたのだという。

個性的なラインナップから溢れる、カルチャーの香り

地下1階には「サウナラボ」、1階に写真家の池田晶紀氏が主宰する株式会社ゆかいの「あかるい写真館」とカフェ付きのイベントスペース「神田ポート」、2・3階に「ほぼ日の學校」が入居。

“よくある”複合施設と違い、個性的なのはテナントのラインナップだ。

最大の目玉であり核となるのは、なんといっても「サウナラボ」だろう。

手がけたのはサウナ界のゴッドファーザーと呼ばれ、「ウェルビー」の運営をはじめ日本サウナ祭りなどのプロデュースも行う米田行孝氏だ。

サウナというとどうしてもカプセルホテルや銭湯の端っこについている狭い空間を想像してしまうが、「サウナラボ」は全然違う。思わず写真を撮ってしまう、ハイセンスな空間。照明や家具、どれをとっても北欧のエッセンスを感じる温もりと癒しがちりばめられている。

待望の東京進出「サウナラボ」で心身を準備する

肝心のサウナ室は機能もルックスも完璧。男性3部屋、女性2部屋の計5部屋で構成されており、熱や蒸気を感じやすいように天井の高さを日本人の平均身長に合わせて20cm程度高く調整しているのだという。男女ともに、息苦しくない「フィンランドサウナ」をベースに、個性的なスタイルのサウナを設置しているのが特徴だ。また、水風呂はなく、冷凍庫を活用しマイナス25度に設定したアイスサウナがその代わりとなる。

水圧による体の負荷を軽減するためだというので、水風呂に慣れてしまった人も苦手な人も、その緩やかな気持ちよさをぜひ堪能してほしい。

男性エリアには大きな桶の形をした桶サウナや、正座で入浴する一人用サウナが展開。だが何より感動するのは、おそらく世界初であろう、畳敷きのサウナだ……!

畳を敷き、室内に水盤を設けた通称「池サウナ」は女性エリアの特権。揺れる水面を眺めていると、サウナにいながら瞑想しているかのような感覚に囚われる。サウナは苦行ではないと改めて実感できる、美しい空間だ。

そもそもサウナとは、ココロとカラダをととのえるもの。サウナそのものがカルチャーとして昇華し始めているが、遊びや学びを100%取り込むための準備運動としても機能する。そういった意味で、学校やイベントスペースなどのカルチャースポットとサウナが同居しているのはとてもしっくりくる。まず地下のサウナで心身をととのえ、次は上階でカルチャーを浴びれば、より感度高く享受できることだろう。

1階の「神田ポート」では、サウナ後に推奨しているサウナブレンドのコーヒーや、ジュース、軽食を提供するカフェがあるほか、物販スペースも面白い。ゆかいの池田氏がセレクトしたサウナにまつわるアートグッズや、ほぼ日のサウナアイテムの販売に加え、神田に関する書籍を展示。将来的にはイベントなども企画されているというので楽しみだ。

同フロアの「あかるい写真館」は、フォトスタジオとして運用するほか、街の写真館としての機能も期待される。もちろんイベントや展示も行われていくとのことなので、こちらもどんな風に顔が変わっていくのだろうか、楽しみな“余白”である。街の人や、来訪者に使われてはじめてその顔が表情を持つ。そんな施設だからこそ、継続的に通いたくなるのだ。

加速する、学び舎。集まる「学び人」とカルチャー好き

2・3階のほぼ日の學校では、約100人を収容できる部屋と、その半分程度の広さの2部屋の教室を用意。業界人による講演会などを開く予定で、ローンチされたばかりのほぼ日の學校のアプリで配信する収録スタジオとして活用する。

発表された授業のラインナップは、まさに彼らがいうような「いままでになかった学校」。授業内容もなんとも不思議。教えてくれる「先生ではない、先生たち」の顔ぶれを見れば一目瞭然だ。

ボランティア活動家の尾畠春夫さんから壮絶な「学び」の経験を聞く授業や、谷川俊太郎さんによる「ことば」の授業、笑福亭鶴瓶さんや三谷幸喜さんから「おもしろい」をおすそわけいただく授業、矢野顕子さんに聞く「音楽」の授業、フードスタイリストの飯島奈美さんから「本気のおにぎり」を教わる授業まで、まさに「2歳から200歳まで」というコンセプトそのまま、こどもから大人まで幅広く楽しめるスクールだ。現状は配信が中心のスクールだが、コロナ明けに対人授業になっていくのが待ち遠しい。感度の高い「学び人」の集う場となり、その中心地としてこれから新たな歴史を紡ぐ場所になっていくに違いない。

神田の立地や歴史を尊重しながら、都会の寄港地で交易や交流の場となる「港」。これからここはコミュニティが育まれ、新たな文化が創造される拠点となっていくだろう。このビルをはじめとした、神田錦町の街づくりについて、開発を手がける安田不動産株式会社に話を聞いた。

後編「個性を活かした街づくり・神田錦町からはじまる「混在」の街デザイン」

神田ポートビル
東京都千代田区神田錦町3-9
公式WEBサイト https://www.kandaport.jp

取材協力:神田ポートビル
撮影:yoshimi
取材・文:稲垣美緒(Harumari TOKYO 編集部)