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東京発汗天国

サウナからエクササイズまで。気軽に大量発汗できるスポット紹介

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本質は「裸の付きあい」。距離を縮めるフィンランド式サウナ

SAUNA FES JAPAN 2019

サウナはもう「ととのう」だけのものではない。人との距離を一気に縮めるツールとして、今注目されている。そこで、サウナ師匠こと秋山大輔さんに、進化するサウナの楽しみ方を教えてもらった。

「耐える」ではなく「共有する」楽しさこそがサウナの魅力

訪れたのは、秋山さんがプロデューサーを務める「SAUNA FES JAPAN 2019」(サウナフェス ジャパン2019)。開催地である、長野県・小海町のフィンランドヴィレッジは、日本で一番フィンランドに環境が似ているという静かな湖畔のある場所。ここで、日本各地から集まった19のサウナを心ゆくまで堪能することができる。

「フィンランド式サウナを広めよう、ということで2015年にスタートしたこのイベントは、もともと数十人規模の身内的なイベントでした。今回ほどの規模での開催は今年が初です」。

その背景には、やはりサウナブームによってサウナー人口が急増したことが影響しているという。同様に、フィンランド式サウナにも注目が集まっているそう。

「皆さんが知っている日本のサウナは、温浴施設の一角にある閉ざされた世界というイメージだと思うんですが、フィンランド式のサウナは、自然と一体になって楽しむ、オープンな世界なんです。本場ではサウナと湖畔がセットになっていて、温めた身体を湖に飛び込んで冷やす。これが最高なんです」。

「今、日本でサウナがブームになっている要因のひとつには、フィンランドのようにオープンなスタイルが認知されてきていて、シェアしやすくなっているということがあると思います。水着着用なので男女一緒に入りますし、写真を撮ってSNSにもアップできますよね」。

個人で楽しむ印象が強い日本のサウナと比べ、フィンランド式サウナは、男女も関係なく、大人も子供も一緒にひとつのサウナに入り、みんなで楽しめる。その本場のスタイルも人気のポイントなのだ。

「『SAUNA FES JAPAN』でも、本場のオープンなスタイルを体感してもらえるように、敷地を目いっぱい使いました。参加人数も1日200人までに設定。パーソナルスペースをしっかり確保しているので、ストレスも感じにくいはずです。あとは、サウナで汗をかき、湖に飛び込み、周りに広がる大自然を眺めながら外気浴をしてもらえばわかるはず。テントサウナの魅力は、体験することが全てです」。

貴重品と肩書きはロッカーへ

サウナに年齢や性別、仕事上の肩書きといったものは一切必要なし。これこそがサウナの真髄なのだとサウナ師匠・秋山さんは言う。そこで生まれる人との交流を楽しむことが、サウナを満喫するコツなのだとか。

「何も飾らず、人と人が一対一でコミュニケーションを取れるというのは現代では貴重なこと。サウナはいわゆる裸の付き合いじゃないですか。今、それって減ってきている体験だと思うんです。今回『SAUNA FES JAPAN』に参加しているのは20代がメインで、たまに50〜60代の方がいて。この幅広い世代の中にサウナを通じて交流が生まれているっていう状態も、なかなか面白いですよ」。

サウナの中なら、知らない人ともすぐに仲良くなれるし、気の置けない仲間や家族とも、さらにお互いの理解を深められる。その背景には、開放的な自然があることが大きく影響しているのかもしれない。反面、街中でもサウナの新しい楽しみ方が広がっているそうだ。

「サウナのゴールって、『ととのう』ことなんですよね。交代浴によって交感神経が整って、ゼロの状態にリセットできる。そのときに新しいアイデアを思いついたり、適切な判断ができるようになるので、サウナで検討して水風呂で決断するような経営者が実は多いんですよ。あとは、フーディーと呼ばれるいわゆるグルメな人たちが、美食を食べる前にサウナに入るっていうのも聞きます。ととのうとご飯も美味しくなりますからね。生活を豊かにしてくれる“いろんな良いコト”があるのは確かです」。

人が集うきっかけにもなっているというのは、従来のサウナにはない新しい楽しみ方。つまり、サウナの魅力は「ととのう」だけにあらず。リラックスの場でもあり、コミュニケーションの場でもある。だからこそ、人との距離もグッと縮まるのだ。そんな進化したサウナ自体も新しいけれど、その先には、もっと新しい世界が広がっていそうな予感。となれば、次の週末、いや今日にでも、サウナを味わいに行きたい。