HOME WELL BEING 東京発汗天国 サウナ界のレジェントたちがフィンランド式サウナを完全再現した「SAUNA FES JAPAN 2019」を体験レポート
サウナ界のレジェントたちがフィンランド式サウナを完全再現した「SAUNA FES JAPAN 2019」を体験レポート

VOL.12 サウナ界のレジェントたちがフィンランド式サウナを完全再現した「SAUNA FES JAPAN 2019」を体験レポート

フィンランドに行かずとも本場さながらのサウナ体験ができる日本最大級のサウナイベント「SAUNA FES JAPAN 2019」。今年はNHKを始め多くのメディアが取材に訪れ注目度が飛躍的に高まったサウナカルチャーの最先端イベントを詳細にレポートする。

「日本にこんな場所があったなんて…!」。初めて訪れた人は、一様にそう驚いた。日本で最もフィンランドに近い場所、長野県・小海町のフィンランドビレッジで開催された「SAUNA FES JAPAN 2019」のリアルな感想である。

この場所は普段は一般開放されておら、ず在日フィンランド企業や大使館の保養施設として活用されていた。建物もフィンランド人が設計し、フィンランドから運んだ材料で建てられたという手の込み様だ。

会場に入ると、まず目に飛び込んでくるのは冷たい水が湧き出る湖。煙突からもうもうと煙を上げるサウナ。そして奥には、フィンランドの国樹である白樺の林。フィンランドに行ったことがないのに「確かにフィンランドっぽい」と納得してしまうほど説得力がある。

2015年から「日本サウナ祭り」として始まった同イベントは、今年で計4回目の開催を迎える。主催は、「フィンランドサウナクラブ(FSC)」だ。

東京最古のサウナ「サウナセンター」代表の吉田秀雄さんに、サウナ界のゴッドファーザーことウエルビーの米田行孝さん、さらには『サ道』の著者タナカカツキさんなど、まさに日本サウナ界を牽引するトップたちがメンバーとして名を連ねる。もう、その名前を聞くだけで「ととのって」しまいそう。

参加したのは、応募総数約3600人から幸運にも選ばれた600人のサウナーたち。年齢は20代〜30代で落ち着いた雰囲気の男女が多い印象だが、それはみんなが見事にととのっていて、とにかくにこやか&平和な空間だったからかもしれない。ともあれ、サウナ=おじさんのものというイメージを覆すには十分だった。

特徴的なのは参加者たちのファッションだ。本場フィンランドでは脱ぎ着しやすいガウンが定番だが、日本のアウトドアサウナ界では男女ともにサーフポンチョが人気の様子。特にウールで出来たサウナハットは欠かせないアイテムだ。熱から頭や髪の毛を守り、のぼせ防止にも役立ってくれる。なにより、そのとんがったシルエットが妖精のようでかわいらしい。

肝心のサウナはというと実に多彩。20人が一気に入ることが出来る大型のテントサウナから、バックパックで背負って移動できるテントサウナ、トレーラーを改造したサウナカーなどなど。普段は全国各地に散らばっているそれらのサウナを一度に入り比べることができるなんて、そんな贅沢があっていいのだろうか……。

また、日本人は屋外でサウナに入ることに違和感を持つ人はまだ多い。でも、そもそもサウナとは、フィンランドの寒い冬でも豊かな自然を享受するために生まれたもの。屋外に身をさらし、自然と一体となることがサウナ本来の楽しみ方なのだ。

さて、実際にサウナを覗いてみると、みんないい顔で蒸されていて、聞かずとも気持ちよさそうな様子が見て取れる。とはいえ、各サウナを周りながら話を聞いてみると、「これで6セット目なんです」という猛者がいたり、「さっきも会いましたよね?」となぜかどのサウナにもいる人がいたり。

些細なことから会話が盛り上がることもあって、とにかくみんな優しい…! 街中のサウナでたまに遭遇する殺伐とした雰囲気なんて微塵も感じることはなく、みんな自由なマインドで、今しかできないサウナの楽しみ方を満喫していた。

そして、サウナから出たら水風呂だが、これこそが「SAUNA FES JAPAN 2019」の醍醐味。目の前に広がるプライベートな湖にダイブできるなんて、日本中を探しても、ココでしかできない体験だ。水は常に地下から湧き出ていて、とにかくキンキンに冷えている。それがまたフィンランドを彷彿とさせるのだ。

入ってみると、湖はかつて経験したことのないほどの冷たさだったこともあり、パキッと一気にクールダウン! その落差で1セット目から早くも「ととのい」の予兆が…。広大な湖に浮かび、目の前の緑と障害物の一切ない空(曇っていたけれど…)を見上げてみる。その気持ちよさは、本当に自分はフィンランドにいるんだと錯覚してしまうほどだった。

そして締めは、一面に広がる大自然を眺めながら味わう外気浴。しかも、ととのい椅子がちょっとオシャレ。しっかりと身体を受け止めてくれるのがうれしい。このとき、濡れたままだと身体を冷やしてしまうから、しっかりと水分を拭き取ることが大切だ。そうすると、不思議と寒くない。

サウナで身体の芯に蓄えた熱がポカポカと心地良く、血液が指先から頭まで駆け巡る。するとやがて「ととのう」瞬間がやってくる。時折吹く風すらも愛おしい時間だ。

テントサウナ→湖→外気浴。贅沢すぎる温冷交互浴を繰り返していると、いつもより猛烈にお腹が減ってきた。いつもより数セット多く入ったのだから、当然のことなのだけれど。

「SAUNA FES JAPAN 2019」はトップサウナーたちが主催しているだけあって、サウナの後に食べる「サ飯」もクオリティが高い。身体を温めてくれるラム麻婆丼やもつ鍋。さらにスモークサウナで燻した豚や猪肉など、ただでさえディープすぎるサウナ体験を更なる高みへと誘ってくれる。

さらにさらに、敷地内に建てられたサウナ小屋「サウナコタ」ではタナカカツキさんによる振る舞いソーセージも。「たくさんあるからどんどん食べてねー」ととってもフレンドリー。サウナーならば誰もが胸を熱くする瞬間に、みんな大喜びだった。

しかし、食べ過ぎだけは禁物だ。満腹時には胃に血液が回ってしまうため、そのままサウナに入るとあまり気持ちよくないばかりか、健康的にもよろしくないから。腹八分目くらいにしておいて、1〜2時間休んだらまたサウナへ。上手なマネジメントも「ととのう」ための大事な要素だと覚えておこう。

ただ環境がフィンランドっぽいというわけではなく、サウナの本質に気付くことができるのがこの「SAUNA FES JAPAN 2019」のいいところ。愛しき湖と目の前に広がる大自然。そして絶妙に盛り上げてくれるトップサウナーたちのニクイ演出。その中で「ととのう」体験は、たとえフィンランドに行っても味わえないものだ。

入っても入っても、とても全てのサウナは回りきれないけれど、それだけにその奥深さと、尊さを身に染みて実感でき、今後のサウナ感が激変することは間違いない。来年はさらにエンタメ要素をプラスし、音楽ステージができるなんて噂も。規模も最大級なら、そのクオリティも間違いなく日本トップ。サウナ好きなら、来年応募しない手はないだろう。

<クレジット>
取材・文:石井 良
カメラマン:玉井俊行

MORE INFO:

SAUNA FES JAPAN 2020

住所: 〒384-1103 長野県南佐久郡小海町大字豊里 松原4117
公式WEB: http://www.saunafesjapan.com