HOME WELL BEING 東京発汗天国 サウナブームは‘楽しい方’へ。サウナの新潮流「サウナキャンプフェスティバル」完全レポート
サウナブームは‘楽しい方’へ。サウナの新潮流「サウナキャンプフェスティバル」完全レポート

VOL.13 サウナブームは‘楽しい方’へ。サウナの新潮流「サウナキャンプフェスティバル」完全レポート

2019年のムーブメントとなりつつあるサウナ。サウナと言えば屋内に閉じこもってストイックに心身を整える個人の嗜みと思われがちだが、サウナブームは楽しい方=レジャーの域に達している。その象徴とも言えるイベントが山梨県小菅村で開催された。

飲める天然水レベルの清流へ思いっきりダイブ

山梨県小菅村の「玉川キャンプ村」で2日間だけ開かれた「Sauna Camp Festival 2019(サウナキャンプフェスティバル2019)」。最長1泊2日、何にも縛られずサウナと大自然に没頭できる空間は、まさにサウナーたちの楽園だ。清流がかつてない「ととのい」へと誘う、この魅惑のイベントの全容をお伝えしよう。

サウナキャンプの魅力を発信するユニット「Sauna Camp.」が主催するこのイベントは、今回が2回目の開催。その最大の魅力は、なんといっても「テントサウナから直接、清流へダイブできる」ことだ。

川の目の前に建てたサウナで汗をかき、天然の水風呂へとダイブ、そして秋空の下、涼やかな外気で体を覚ます。‘ととのい’慣れたサウナーなら是非とも体験したい最上級のサウナ体験だ。しかも、山梨県小菅村「玉川キャンプ村」に流れるのはミネラルウォーターの採水地にもなっている多摩川の源流。キレイな水で体も心も清められそう。

ちなみに、この日の水温は14度。山々に磨かれた清流は柔らかく、冷たいながらも身体を優しく包み込んでくれる。水道水の水風呂では決して再現できないこの感覚を求め、約160枚のチケットはたった30分で完売したという。

熟練サウナーからフェス好きまで。参加者の楽しみ方は多彩

参加者は普段からサウナ施設に入っている熟練サウナーだけではない。出版関係の仕事をしているという女性2人組は、街中のサウナにはあまり入らず、もっぱらアウトドアサウナ派だとか。

「自然の中での開放的なサウナは、文化系も体育会系も満喫できると思います。今日は仕事を忘れて楽しみます」とビール片手にリラックスしていた。

ほかにも「ととのい未経験の友人を誘って来た」という男性グループから「テントサウナが好きすぎて、色んなイベントに足を運んでいる」という女性まで、経験値もばらばら。年齢は比較的若く20代〜30代が多く、クリエイティブ系や営業の仕事をしている人が多数。日々仕事に追われている人ほど、リセットできる時間を求めているのかもしれない。

オーナー自慢のサウナで心身共にととのう

そして何より印象的なのは、そんな参加者たちが自由に、そして主体的に楽しんでいる姿。主催者のSauna Camp.大西さんは、「イメージしているのは、バーニングマンのような、傍観者のいない、みんながボーダレスな関係である場」と言う。

バーニングマンとは、アメリカの広大な砂漠で開催されるアートフェスティバル。まっさらな砂漠地帯に参加者が思い思いの作品やコミュニティ活動を展開し、一つの架空の街を作り上げるようなスタイルは「究極のフェス」とも言われている。サウナキャンプフェスティバルも自然の中で、サウナという共通言語の下に人々が集まり、コミュニティをみんなで創っていく“DIY感”がある。

それを象徴するのが全部で11あるサウナだ。実は、その半数以上が個人で所有されているものだ。日本に1つしかない個人輸入のロシア製テントサウナや、断熱にとことんこだわり、140度以上の灼熱を生み出すDIYサウナ、焚き火で真っ赤に熱した石でテント内を温める原始的かつ実験的なサウナなど、個人所有だからこそ、そしてキャンプ場というフィールドだからこそできる個性派のサウナばかり。

「自分のサウナの、最高のコンディションを味わって欲しい」。サウナオーナーたちはその一心で薪を燃やし続け、サウナーたちはその熱い想いを全力で受け止める。その一体感は、忘れられない体験となることだろう。

さらに夜になるとライトアップされ、一層ムードは高まっていく。なんとサウナは夜21時まで入ることが可能。むしろ「Sauna Camp Festival」の本領発揮はここからだ。

テントサウナの中も、ガラリと雰囲気が変わる。薄暗い中に薪の炎だけが揺らめく静かな世界。賑やかだった昼間とは対照的に、内なる自分と対話するようなサウナ本来の魅力も感じられるようになるのだ。

終日大盛況だった「しらかばスポーツ」によるウィスキング(ヴィヒタを使ったマッサージ)も、この時間になればランタンの明かりが頼り。テントの中では、お笑い芸人で熱波師のマグ万平さんが、ロシアやフィンランドから学んだというオリジナルのウィスキングを披露していた。体験する人をととのいの境地へと誘うその技は、過去に本場フィンランドのマダムをも虜にしたことがあるとか。

夜も更けてくるとキャンプファイヤーが着火。最後には参加者も運営側も一緒に炎を囲み、大きなサウナーの輪が出来上がっていた。そんな心地良い空気感の中で、身も心もととのうことができる「Sauna Camp Festival」。サウナ×キャンプが生み出す相乗効果は、想像以上のスピードで人々を巻き込み、カルチャーとして根付いていっているのかもしれない。

キャンプがベストシーズンを迎える秋は、サウナキャンプをするにも絶好の季節。テントサウナを購入するのはハードルが高いという人には、こうして参加できるイベントは貴重。まずはここから、試してみては。人生にとって、きっと価値ある一歩になるはずだ。

<クレジット>
取材・文:石井 良
カメラマン:野口 彈

MORE INFO:

【期間終了】Sauna Camp Festival 2019

住所: 〒409-0200 山梨県北都留郡小菅村大成 玉川(バス)
公式WEB: https://saunacamp.net/