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HOME SPECIAL 今日を愉しむモノゴト 観て、描いて、食べる。この秋マストな「ゴッホ展」に行く前にしたい3つのこと
観て、描いて、食べる。この秋マストな「ゴッホ展」に行く前にしたい3つのこと

VOL.69 観て、描いて、食べる。この秋マストな「ゴッホ展」に行く前にしたい3つのこと

連日大盛況だとメディアを賑わす現在開催中の「ゴッホ展」。日本のゴッホ人気はいまに始まったものではないが、彼が描きたかった世界観はどんなものだったのだろうか。作品を観るだけでなく、その奥にあるゴッホの世界。それを知ることで絵画展の鑑賞にも深みが出るはずだ。予習にも復習にも使えて、より「ゴッホ展」を愉しむためのコンテンツを3つ紹介する。

ゴッホの評価を引き上げたヘレーネの審美眼に注目

「ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」が、2021年12月12日まで東京都美術館で開催中だ。毎回大盛況なゴッホの展示だが、今回は世界最大のゴッホコレクターとして知られているヘレーネ・クレラー=ミュラーが収集したゴッホ作品を軸に、貴重な52点の作品を鑑賞できる。コロナ禍で海外からの作品貸与が難しくなったなかで、久しぶりの大規模な西洋美術展だ。この機会に、“鑑賞”以外の方法で作品に触れれば、「ゴッホ展」をより愉しむための予習復習ができるはずだ。日時指定予約制のため、詳細は展覧会公式サイトでチェック。

フィンセント・ファン・ゴッホ 《夜のプロヴァンスの田舎道》 1890年5月12-15日頃 
油彩、カンヴァス 90.6×72cm クレラー=ミュラー美術館蔵

ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント
期間:~2021年12月12日(日)
会場:東京都美術館
東京都台東区上野公園8−36
問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)

※日時指定予約制。詳細は展覧会公式サイトへ
展覧会公式サイト:https://gogh-2021.jp

映画『ゴッホ 真実の手紙』。弟テオの視点からゴッホの生涯を“深く”知る

©︎BBC 2010

生前はほぼ評価される機会に恵まれなかったゴッホ。ここまで世界的に有名になったのは、彼の生涯のドラマティックさにも理由がある。神話化されやすい要素に事欠かない人生だったのだ。彼のさまざまな苦悩のエピソードには、現代人にも通ずる普遍性がある。それゆえ、ゴッホの書簡をもとにさまざまな作家や映画監督が彼の人生を描いてきた。それらはいまに伝わるゴッホのイメージ像に貢献しており、さまざまな説や事実がうずまいている。そのなかでも、ゴッホを語るうえで欠かせない弟テオが残した500通以上におよぶ手紙をもとに制作されたのが映画『ゴッホ 真実の手紙』だ。ゴッホの生涯は、いろいろなところで語られ考察されてきたが、本作は弟テオとの手紙のやりとりをモノローグ形式で淡々と進んでいくのが特徴だ。

©︎BBC 2010

しかも、制作したのは天下のBBC。ドキュメンタリー制作に強いBBCが制作したとあって、史実をもとにして真実に迫る物語の展開は圧巻のひとことだ。
ゴッホを演じるのは、不器用でクセのある役をやらせたら天下一品の英国俳優、ベネディクト・カンバーバッチ。物語では、美術商だったテオがゴッホのスケッチを見て画家になることを勧めたシーンから、彼の最期までを描いている。ゴッホは目に映る景色を誇張せずそのまま描くのが作風だといわれているが、本作を見ると、彼の魂はとても敏感で、目に映る色彩は人より強烈なものだったことが推察できる。ゴッホだけに見えていた世界が、絵という形で今日見せてもらえることは幸運に思える。彼の生涯を深く知ることで、今までとは違った感情で作品に触れることができるだろう。

©︎BBC 2010

映画『ゴッホ 真実の手紙』
Hulu(フールー)
U-NEXT
Prime Video

《ひまわり》を模写。手で感じるゴッホの世界

ゴッホが死後にここまでさまざまな世代のファンを引きつける理由のひとつは、親しみやすいモチーフとビビットな作風にあるといわれている。作品の細かいタッチをより深く知れるのはやはり“描く”行為。絵画の初心者でも気軽にそれを楽しめるのが「絵画教室×ワイン」をコンセプトにした代官山「Artbar Tokyo」だ。

数あるさまざまなアーティストのプログラムから、古今東西の有名絵画の模写体験が楽しめる。なかでもゴッホの回は毎回大盛況となっているので、ぜひこの開催日を狙ってみてほしい。
模写のモチーフに選ばれているのは、ゴッホ作品を象徴する、《ひまわり》。全7作品ある《ひまわり》のうち、南フランスの田舎町アルルで描かれた処女作《3本のひまわり》(1988年)だ。《3本のひまわり》は鮮明な青緑の背景が特徴とされており、これは後にポール・ゴーギャンと過ごす「黄色い家」の壁紙であったのだという。また、ひまわりの様子も他の6作品に比べ、最も生命力を感じる描き方だといわれている。そんなウンチクを教えてもらいつつも、自由度の高い「Artbar Tokyo」では自分の描き味を活かした《ひまわり》にチャレンジできる。

実際に模写すると、シンプルに見えるモチーフが緻密かつ精巧に描かれていることに気づくはず。後に発見された手紙でゴッホは《ひまわり》を、「この花のトーンは誰にも出せるものではない」と自負していたそう。絵画を隅々まで観察し、実際に手を動かして模写することで、鑑賞するだけでは見逃してしまう作家のクセや特徴を発見することができる。さらに、ここで参加者たちと交流をしながらさまざまな“ひまわり”の描き方を共有することで、新しいインスピレーションをもらえるはずだ。

Artbar Tokyo
東京都渋谷区代官山町7−2
https://artbar.co.jp

《ひまわり》を味わう。銀座のパティスリー「LOUANGE TOKYO Le Musee」

アート作品のように美しいスイーツで話題のパティスリー・銀座「LOUANGE TOKYO Le Musee」でもゴッホを愉しめる。同店でサーブされているのが、またしても《ひまわり》をモチーフにしたスイーツ。「Artbar Tokyo」と同様の《3本のひまわり》(1988年)がモチーフに選ばれている。パティスリーのワールドカップともいわれる、WPTC世界大会で2度優勝経験を持つ藤田浩司さんが創造したデザートは、いままでのスイーツのイメージを覆すその見た目に驚くだろう。

ヴァン・ゴッホ 3,888円(別途サービス料10%)

オリジナルの陶器皿と著名人御用達「立石ガクブチ店」の額縁を使用したアシェットデセール(皿盛り)が彩るスイーツの見た目は、まさに絵画そのもの。アンティークのような額縁の風合いや、油絵のような陶器皿の色合いにこだわりすべてオリジナル制作しているとのこと。遠目からはわかりにくいが、ひまわりの花弁は厚さ1mm程度に薄くスライスしたローストパイナップルで再現している。甘さが濃縮されており、カリッと香ばしい食感がクセになる。さらに花瓶に見立てた飴細工に注目を。こちらを割ると出てくるのが、藤田さんが世界大会で優勝した際のスイーツ「ピスターシュ」だ。一口食べると濃厚なピスタチオのなかに、すっきりとしたフルーツの酸味が後をひくおいしさだ。ひとつで何回も楽しめるスイーツは、まさにゴッホ顔負けのアート作品といえるだろう。藤田さん流のゴッホの《ひまわり》の解釈をイメージしながら食べ進めたい。

LOUANGE TOKYO Le Musee
東京都中央区銀座1-9-5
https://louange-tokyo.com/lemusee/