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HOME SPECIAL 今日を愉しむモノゴト集め 多様な生命の色彩が渋谷上空を彩る。ヘラルボニーが贈る展示「PARADISCAPE」
多様な生命の色彩が渋谷上空を彩る。ヘラルボニーが贈る展示「PARADISCAPE」

VOL.131 多様な生命の色彩が渋谷上空を彩る。ヘラルボニーが贈る展示「PARADISCAPE」

360度のパノラマビューが広がる開放的な空間に溢れる色彩。「異彩を、放て。」をミッションに掲げ、障がいのある作家とともに、新たな文化の創造を目指す「ヘラルボニー」。「渋谷スクランブルスクエア」の14階・45階・46階・屋上に位置する展望施設「SHIBUYA SKY」との8回目のコラボ展示『「PARADISCAPE」異彩を放つ作家たちが描くせかい』が開催中だ。

ヘラルボニーが提案するパラダイス

「へラルボニー」は、松田崇弥・松田文登の双子の兄弟によって設立されたクリエイティブカンパニーだ。国内外の主に知的障がいのある作家の描く2000点以上のアートデータのライセンスを管理し、正当なロイヤリティを支払うことで持続可能なビジネスモデルを構築。企業との共創やクリエイティブを通じた企画・プロデュース、社員研修プログラムを提供するほか、国際アートアワード「HERALBONY Art Prize」の主催など、アートを軸に多角的な事業を展開している。

本展は、「へラルボニー」が「異彩の作家」と呼ぶアーティストたちの視点から、「生命が輝く世界」を再構築する試みだという。

「再開発により絶えず姿を変える渋谷の景色の先にこれからの社会の在り方を想像してほしい」と、松田崇弥・文登は語る。

「ヘラルボニーは、優劣や上下などではなく、新たな視点から作家の存在自体を肯定する存在でありたいと思っています。障害の概念、価値観、イメージを変容することで、いろんな方の『幸せ』が広がっていってほしいです」

異彩放つ作家が描く「生命輝く世界」を3つの章でめぐる

本展は、3つの章で構成される。「1.アーバンサファリ」は、都市の人工物と多種多様な生き物が共存することで生まれる風景がテーマ。「SHIBUYA SKY」で見た、さまざまな空の色を緻密な線で描いた鳥山シュウの作品などを紹介する。

鳥山 シュウ「東京」

「2.群と移動」では、厳しい自然を生き抜くための群れが形成する、美しいシルエットや、動きのリズムによる自然界の調和を感じさせる田﨑飛鳥らの作品が並ぶ。田崎は陸前高田市在住の作家で、生まれつき脳性麻痺と知的障害がある。東日本大震災の津波により、自宅、今まで描いてきた約200点の絵、親しんできた豊かな自然などかけがえのないものを一瞬で失い、ショックから一度は筆を置いてしまったが、父からの言葉で再び創作を始めたという。

「3.境界のない世界」では、世界を自由に往来する生き物の声に耳を澄ませ、この世界の美しさと命の輝きに再び気づくような展示だ。岩瀬俊一は、ペンを用いて画面いっぱいに、丁寧に淡々と線を引きながら作品を仕上げていく。そこには、内に秘めた思い全てが放出され、訴えかける力強さに満ち溢れている。

展示のほかに、展示作家と作品を創作するワークショップや、対話を楽しむ雑談型アート鑑賞プログラムなどのイベントも開催。ヘラルボニーのアイテムを販売するスーベニアショップも併設されている。

見下ろせば、渋谷の街が広がる「SHIBUYA SKY」。さまざまな人や生物が暮らす都会の天井から、すべての生命が同様に輝く自由な世界、共生と多様性が織りなす「パラダイス」へと思いを馳せよう。

SKY GALLERY EXHIBITION SERIES vol.8
「PARADISCAPE」異彩を放つ作家たちが描くせかい

会期:2025年1月16日(木)~2025年3月31日(月)まで 各日10:00~22:30(最終入場21:20)
会場: SHIBUYA SKY 46階 屋内展望回廊「SKY GALLERY」
https://www.shibuya-scramble-square.com/sky/exhibition_heralbony/