おしゃれカフェで終わらせない。ロサンゼルス発ティーブランドの挑戦

ロサンゼルス発のティーブランド「ALFRED TEA ROOM（アルフレッド・ティールーム）」。カラフルなドリンクや先行するおしゃれなブランドイメージの裏にある本当の人気の理由は、安らぎだけでなく、お茶の新しい味わい方をカジュアルに楽しめるようにすることだった。

個人店からブランドのコンセプトショップまで、多くのカフェが立ち並ぶ青山エリア。この場所で、本格的な味わいをカジュアルに楽しめるティールームとして親しまれているのが、me TIME NAVIGATOR 表参道原宿編で加藤菜緒さんが紹介してくれた「ALFRED TEA ROOM」だ。

あらためて彼女と一緒に、その魅力を探ってきた。

表参道から、青山のランドマークとも言える「青山ブックセンター」へ繋がる道へ折れると、特徴的なロゴマークがあしらわれた淡いピンクの看板が目に飛び込んでくる。「ALFRED TEA ROOM」は2017年、日本に初上陸したロサンゼルスのティーブランド。印象的な色使いも、本場LA譲りだ。オープンから1年半経った今でも、休日には華やかな女性たちが多く訪れる。

2階のカフェスペースもパステルピンクに包まれたフェミニンな装い。1階のスタンドスタイルとは異なり、まさにティールームらしいゆったりとした空間になっている。

一方で、窓際に目をやるとホテルのラウンジを思わせる落ち着きも。平日客の多くは、幼稚園の送り迎え帰りのママや、周辺で働くOL・サラリーマンたちだという。一仕事終えたあと、束の間のリラックスを求めてひと息ついていく。オープン当初に比べ男性客も確実に増え、週に何度も訪れては気分に合わせてオリジナルティーを手にしていくのだとか。

そんな風に、言わば日常のリフレッシュの場としてこの店が愛される理由を、加藤さんはこう切り出した。「スタンド、大型路面店、喫茶店も含めて、本格的なコーヒーを飲める場所はすごく増えたけど、“おいしいお茶”を気軽にゆっくり飲めるお店って意外となかったんですよ」。

確かに、コーヒーは今やどこでも気軽にサクッと飲めるのに、お茶を飲む店と言えば、ポットとカップでいただく紅茶専門店や、格式高い日本茶寮ばかりでとっつきにくいイメージ。「でもお茶ってすごく親しみや安らぎを感じるもので、男女関わらずやっぱりみんな好きなのでしょうね。こういうお店を望んでいたのだと思います」。

ALFRED TEA ROOMが愛されるのは、カジュアルにお茶を楽しめる“場”だからだけでない。「お茶本来のおいしさと自由な楽しみ方を知ってほしい」と、さまざまな飲み方ができるのも魅力のひとつだ。

人気メニューはオリジナルピンクティーを使った「ピンク抹茶ティー」など、ボバ（タピオカ）入りのミルクティー。だがその一方で、厳選した日本茶・紅茶・中国茶の味わいをダイレクトに楽しめるストレートティー、フルーツシロップや炭酸を加えたティーソーダ、オレンジと抹茶ラテを組み合わせた「抹茶サンライズ」なども取り揃える。甘みの調整、ボバのトッピングのカスタマイズも可能。今まで知らなかったお茶の楽しみ方を教えてくれるのだ。

加藤さんは、シンプルなルイボスティーにボバを組み合わせるのがお気に入りだそう。

自由で新しい楽しみ方をきっかけに、当たり前すぎて見過ごしていたお茶の魅力を再発見させてくれる、ALFRED TEA ROOM。華やかなビジュアルに惹かれて立ち寄れば、お茶による安らぎはもちろん、本格的なお茶のおいしさ、そして新しい楽しみ方までも、日常の中で感じることができる。それが、この店が親しまれる理由なのだろう。

ALFRED TEA ROOMがあるのは、大きなオフィスが立ち並ぶ大通りと住宅街を繋ぐ道。オンとオフの合間の「ひと息」に、気兼ねなく過ごせるティールームの存在も大きい。ここに来れば、カジュアルに、でも存分に、おいしいお茶とリラックスを体感できるだろう。

取材・文 : RIN