2018年より『POPEYE』でスタートした、アメリカ文化に精通した村上春樹が、Tシャツを写真付きで語り尽くす連載「村上T」。Tシャツと一緒に掲載されたエッセイが面白く、例えば、クルマメーカーのロゴTひとつでも、村上さんが、メーカーごとに議論を巡らす様子がクスリと笑えて印象的だった。
そんなこれまでの連載を1冊にまとめたのが、こちらの『村上T 僕の愛したTシャツたち』。ロックTやレコード系、企業もの、ビール関係、ノヴェルティ…など、著者の趣味や仕事に関わるTシャツと、そのエピソードたち。著者はランナーとしても知られているので、もちろんマラソンのTシャツに関するエピソードも掲載がある。本の冒頭に、「僕が人生においておこなったあらゆる投資の中で、それは間違いなく最良のものだったと言えるだろう」と書かれているように、この本を通した “Tシャツをめぐる冒険”によって、新しいTシャツの買い方に目覚めることができるかもしれない。
SHARE: