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話題の書店・六本木「文喫」へ。今までになかった「本との出会い」を体験

VOL.2 話題の書店・六本木「文喫」へ。今までになかった「本との出会い」を体験

「本と出会うための本屋」、六本木・文喫。一風変わったその場所には、本との出会い方への愛情が溢れていた。できることなら1日中こもりたい、文喫の嗜みを体験してきた。

昨年12月、青山ブックセンター六本木店の跡地に生まれた「文喫」。

筆者の周辺には絶賛する声が多い中、何がいいのかを問うと「是非行ってみてほしい」との回答多し。それならばということで、体験しに行ってきた。

平日の夕方という時間だが「ただ今満席」とのことで、整理番号札を受け取りレセプション周りのスペースで待つ。

入り口からつながるレセプションは文喫の利用者以外でも自由に閲覧できる雑誌と、企画の平棚。待ち時間も退屈しないようになっている。

常時約90種類の雑誌

 

当日は石川直樹さんの企画展示の連動で関連書の棚が置かれていた。

 

順番が来ると呼ばれ、会計を済ませる。

そう、ここ文喫は「入場料」を支払って中に入るのだ。

税込1,620円。入場バッジを受け取り、階段を上がるとすぐ、「文喫ワールド」が始まる。

ジャンルごとや企画ごとなど、独特の棚割で書物が並べられているが、見づらいということもない。常に棚を整理したりしている書店員がいるので、探しものがあればすぐに声がかけられる。

普通に本屋さんにあって文喫にないもの、それはズバリ「売れ筋ランキング」だ。なぜなら、文喫には約30,000冊の蔵書があるが、全て「1冊のみ」の在庫だから。つまり、1冊売れたらもう追加で発注して届くまでその本は、ない。

文喫は「本を売る本屋」ではあるものの、「最良の本を探し出し、買う本屋」なのだ。

棚ではないところにも、本があったりする。こういう流れの中での出会いや、一目惚れの本との出会いもある。

意味ありげ、なのだろうか。

 

店内の棚をざっと見たら、気になるものを持って、席へ行く。周りを見渡すと、複数冊抱えて席に積んで読んでいる人が多い。遠慮なく、気になるものを全て手に取ろう。

喫茶室と閲覧室のどちらかへ。

思い思いに寛ぎながら、本と向き合おう

「喫茶室」ではソファ、テーブル、小上がり、など好きな席を選べる。小上がりが人気の様子だ。ここは飲食も自由なので、食べながら、喋りながら、寝っ転がりながら、思い思いの過ごし方で読書ができる。

集中して本が読める、図書館のような雰囲気の「閲覧室」。緑の絨毯が高級なイメージを与え、集中力を高めてくれる。デスク型の座席になっているので、専門書籍を見つつ、勉強をしている方が多い。

奥には複数人で利用できる研究室もある。

 

喫茶室の一角には「飲食受付」。

こちらで過ごす時間は「コーヒー・煎茶」は無料。しかもおかわり自由だ。遠慮なく、みんなカップを持っておかわりをオーダーしに来る。

朝ごはんから夜までいてもいい、喫茶メニュー

有料ではあるものの、フード・デザートメニューも充実している。こちらのカフェメニューは「スープストックトーキョー」や「100本のスプーン」でお馴染みの株式会社スマイルズのプロデュース。

よくある「併設のカフェ」のメニューとは思えないくらい、本格的なクオリティの商品だ。一番人気は「牛ほほ肉のハヤシライス」。お肉がこんなにほろほろのハヤシライス、なかなかお目にかかれない。

最近ツイッターでバズったばかりだというプリン。

 

おやつだけでなく、朝ごはんから夜ごはんまでここで賄えるのは、まさに「ここで1日ゆっくりしていいよ」と言われているようなもの。

店長の伊藤さんに話を聞くと、「一番大切にしたいのは、本をゆっくりと選んでもらうこと」だという。

ここは図書館でもなくブックカフェでもない、あくまでも書店。本を買ってもらうには、「立ち読み」でなく、「最良の一冊での出会い」が必要。それを演出するために、文喫は存在する。

コーヒーを飲みながら読んでいい本屋さんが最近多いが、なんだか気がひけるものだ。

「そういうお客様も多いんですが、文喫では入場料をいただくことで、お客様もゆっくりして当たり前なんだ、と思っていただけています」

確かに。有料だからこそ、堂々とゆっくりしてもいいのだという気持ちになる。

「朝早くから、夜遅くまで、ゆっくり時間をかけて、最良の一冊と出会ってほしい」。

「ここでしか出会えない」

見たことない本も多い。まさに、「ここでしか出会えない本」のオンパレードだ。

「変な話ですけど、売れないかもしれないけれど、本屋にあるべき本っていうのもあるんです」と、伊藤さん。

例えば、「風味の事典」。

「専門家なら買うかもしれないけど、突然出会ってなかなか買わないですよね。でも、この棚には必要だと信じて、ずっと置いてます。いつかある、出会いを信じて」

こういう、選書に対する思いを垣間見ると、その書店への信頼が増すのだ。

選書への思いを聞いた後では、棚の端から端まで見入ってしまい、時が経つのを忘れ、楽しんだ。

本屋であるが文喫はただの「変わった本屋」ではない。本と出会うための環境の全てが整えられた空間。そこに入場料を払うのは、もはや必然である。

 

MORE INFO:

文喫 六本木

エリア: 東京 / 六本木
住所: 〒106-0032 東京都港区六本木6丁目1−20 六本木電気ビルディング
電話番号: 03-6438-9120
営業時間: 月曜日 9:00〜22:00
火曜日 9:00〜22:00
水曜日 9:00〜22:00
木曜日 9:00〜22:00
金曜日 9:00〜22:00
土曜日 9:00〜22:00
日曜日 9:00〜22:00
祝日 9:00〜22:00
定休日: 不定休
公式WEB: http://bunkitsu.jp/